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火山ガス(かざんガス、volcanic gas)は、火山の火口や噴気口から出る成分のうち、気体のもの。火山ガスを多く含むガスを火山性ガス(かざんせいガス)と言うこともある。
主成分は水蒸気だが、二酸化炭素も若干含まれる。
通常は硫化水素や二酸化硫黄(亜硫酸ガス)、塩化水素も含む。これらの成分が多いときは、動植物の生命に大きな危害を与える。また、熱により周辺の生態に大きな影響があることも多い。吸った動物・人間が、その場で死亡することも珍しくない。
噴火はしなくても、恒常的あるいは間歇的に火山ガスのみを噴出する火山も多い。
温度は100℃以上のことが多い。
[編集] 日本国内における主な被害
- 1986年~1997年 阿蘇山・中岳第一火口(熊本県)にて、観光客が7名(発生件数6件)死亡。
- 1997年 八甲田山山麓(青森県)にて、凹地に滞留していたガスにまかれ、訓練中の自衛隊隊員3名が死亡
- 1997年 安達太良山(福島県)の火口付近にて、登山者4名死亡
- 2000年 三宅島・雄山(東京都)にて、火山活動により大量の火山ガスが放出、全島民が避難した。(2005年2月より、順次帰島が開始される。)なお、現在も火山ガスの放出が続いており、島内の45%が立ち入り禁止区域となっている。
- 2005年 秋田県泥湯温泉近郊の駐車場にて、雪でできた窪地に滞留した火山ガスにまかれ4名が死亡。