対称行列
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対称行列(たいしょうぎょうれつ、symmetric matrix)とは、正方行列 A のうち A の転置行列 AT が A 自身と一致するもの。
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[編集] 定義
n 次正方行列 A = (aij)1≤i,j≤n が対称あるいは転置対称であるとは
が成り立つことである。
[編集] 性質
- 実対称行列の固有値は全て実数である。
- 正値実対称行列(対応する二次形式が正定値)の固有値は全て正の実数である。
- 同じ型の対称行列の和、スカラー倍はまた対称行列である。したがって、同じ型の対称行列の全体は加群(ベクトル空間)をなす。n 次の対称行列のなす加群を Sym(n)、あるいは係数環が R であればそれを明示して、Sym(n; R), Symn(R) などとあらわす。
- 実対称行列はある直交行列により対角化可能である。
- n 次の実対称行列 A と n 次元ユークリッド空間 Rn の標準内積(ユークリッド内積) (·, ·) に関して (x, Ay) = (Ax, y) (for all x, y ∈ Rn) が成り立つ。すなわち、実対称行列はユークリッド内積に関して自己共役な作用素である。
[編集] 二次形式
n 個の変数 x1, x2, ..., xn に関する二次形式(斉二次の多項式)は、対称行列 A により
のかたちで表すことができる。これを A に対応する二次形式といい、A をこの二次形式の係数行列とよぶ。また、この二次形式をジーゲルの記号 (Sigel's symbol) を使って A[x] と表す。
[編集] 正値対称行列
実対称行列 A は対応する二次形式 A[x] が正値(または正定値)(すなわち任意の x ∈ Rn に対し A[x] > 0)であるとき正値(または正定値)であるといい A > 0 で表す。同様に A[x] が非負値(または半正値)(すなわち任意の x ∈ Rn に対し A[x] ≥ 0)であるとき非負値(または半正値)であるといい A ≥ 0 で表す。
[編集] その他の例
[編集] 関連項目
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