常任理事国
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
常任理事国(じょうにんりじこく)とは、国際連合安全保障理事会を構成する15の理事国のうち、任期が設定されていないアメリカ合衆国・イギリス・フランス・ロシア(旧ソビエト連邦)・中華人民共和国(当初は中華民国)の5カ国のことである。これらの5カ国を「5大国」または、Permanent 5から、「P5」と表記することもある。
目次 |
[編集] 概説
常任理事国は、実質事項(非手続事項)について拒否権を有する。実質事項の審議において常任理事国が1ヶ国でも反対すれば提案の可決はできない(大国一致の原則)。
1945年の国際連合設立時には、アメリカ合衆国・イギリス・フランス・ソビエト連邦・中華民国の5ヶ国であったが、1971年の中国の国連代表権問題で中華民国(台湾)が排除されて中華人民共和国が中国の国連代表権を得た事により常任理事国の地位の移動が発生。1991年にも、ソビエト連邦の解体にともなって同国が持っていた国連代表権がロシアへ引き継がれる事になった。
第二次大戦の戦勝国は、連合国共同宣言に参加した国々であってオーストラリア、ニュージーランド、カナダ、インド、ベルギー、オランダ、ノルウェー、ポーランド、コスタリカ、キューバ、チェコスロバキア、ドミニカ共和国などの常任理事国以外の多数の国が含まれていることから、常任理事国即ち第二次世界大戦の戦勝国であるという認識は正しくないという見方がある。また、常任理事国のうちアメリカ合衆国・イギリス・ソビエト連邦が実質的な戦勝国であって法的には戦勝国であっても、米英によってドイツの占領状態から解放されたフランスや日本軍を駆逐できなかった中華民国が、ドイツや日本に直接攻撃を加えて勝利したというわけではないと指摘されているのも事実である。もっとも、連合軍反攻に加わったド・ゴールの自由フランス亡命政権、中華民国がポツダム宣言に名を連ねた事を根拠とする反論もある。
また、常任理事国の近隣諸国にとってみれば、常任理事国との紛争が発生した場合には例え当該常任理事国の方に非があるケースにおいても、安全保障理事会の場において当該常任理事国の拒否権発動により、当該常任理事国に対して有効な制裁手段が講じられない可能性もあり得るために、こうした国々にとって常任理事国がいつでも自国の安全保障に対する「潜在的脅威」になり得る点が問題点として挙げられよう。
[編集] 常任理事国
[編集] 加盟候補国
[編集] 加盟候補反対国(コーヒークラブ)
[編集] 関連項目
カテゴリ: 国際連合 | アメリカ合衆国の国際関係 | イギリスの国際関係 | フランスの国際関係 | ロシアの国際関係 | 中華人民共和国の国際関係 | スタブ