幻想即興曲
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
クラシック音楽 |
---|
作曲家 |
ア-カ-サ-タ-ナ |
ハ-マ-ヤ-ラ-ワ |
音楽史 |
古代 - 中世 |
ルネサンス - バロック |
古典派 - ロマン派 |
近代 - 現代 |
楽器 |
鍵盤楽器 - 弦楽器 |
木管楽器 - 金管楽器 |
打楽器 - 声楽 |
一覧 |
作曲家 - 曲名 |
指揮者 - 演奏家 |
オーケストラ - 室内楽団 |
音楽理論/用語 |
音楽理論 - 演奏記号 |
演奏形態 |
器楽 - 声楽 |
宗教音楽 |
メタ |
ポータル - プロジェクト |
カテゴリ |
幻想即興曲(げんそうそっきょうきょく、Fantaisie-Impromptu)作品番号66は、ポーランドの作曲家フレデリック・ショパンが1834年に作曲したピアノ曲である。ショパンが作曲した4曲の即興曲のうち、最後に出版されたもの。
数あるピアノ曲の中で、最もよく知られる作品のひとつ。現在の版はショパンの死後友人のユリアン・フォンタナが改稿し発表したもので、題も彼が決定した。
主部では、左手は1拍が6等分、右手は1拍が8等分されたリズムとなっている。この場合、本来1拍を(6と8の最小公倍数である)24で分割してリズムを取らなければならないが、要求されたテンポでは24分割でリズムを取らずに演奏しても自然なリズムに聞こえる。
目次 |
[編集] 曲の構成
複合三部形式(A - B - A')による即興曲。ベートーヴェンの月光と調性、構成、雰囲気が類似していることから、これを下敷きに作曲したと考えられている。
- Allegro agitato (A)
- Largo - Moderato cantabile (B)
- 変ニ長調、序奏 + 三部形式(a - a' - b - a')。後半のb - a'は若干の変化を伴って繰り返される。
- Presto (A'…フォンタナ版による。改訂版ではTempo I)
- 嬰ハ短調、三部形式。Aとほぼ同じだが、少し速度が速くなる。
- コーダ
- Bの主題が左手で回想されて静かに終わる。
[編集] 作曲の経緯
ショパンがなぜこの曲を出版しなかったかについては、諸説あり定かではない。
フォンタナはショパンの遺品の中からこの曲を見つけ、自筆譜の題は単に即興曲であったが、あらたに『幻想即興曲』とのタイトルを付けて1855年に出版した。
しかし、後にピアニストのアルトゥール・ルービンシュタインがこの曲の決定稿ともいえる自筆譜を発見し、1962年に出版した。この版は、フォンタナ版とはテンポ、アーティキュレーションなど相違点が多く、フォンタナは現在は失われている初版に手を加えて出版したと考えられるようになった。その後、ウィーン原典版58集(ISBN 4276400589)にルービンシュタインが発見した決定稿、及び他の筆写譜から復元した初版が掲載された。
[編集] サンプル
- 幻想即興曲 Op.66(説明ページ) — ブラウザで視聴 (beta)
- フォンタナ版
- うまく聞けない場合は、サウンド再生のヒントをご覧ください。
[編集] ピアノ以外の楽器による幻想即興曲の演奏
ピアノ以外の楽器でこの曲を演奏するのは非常に困難であるが、下記の奏者がピアノ以外の楽器による演奏に成功した。
- TITO FRANCIA「ALMOST IMPOSSIBLE」
- アルゼンチンのギタリスト。ガット・ギターの超絶テクニックでピアノのニュアンスを再現。
- LOS INDIOS TABAJARAS「Waltz of the Flowers」
- ブラジルの兄弟デュオ。ガット・ギターによる演奏で兄が右手パート、弟が左手パートを担当。サムピックでの演奏。
- 古川忠義「FANTASY」
- 日本のスタジオ系ギタリスト。ガット・ギター+生バンドによるボサノバ風のアレンジ。原曲とは調を変えている。
- ロン・サール「ニュー・ギター・ヒーローズ '92」
- グランジ&オルタナティヴ系ギタリスト。メタル調のバンドアレンジ。原曲とは調を変えている。
- 加茂フミヨシ「ノスタルジア」
- 日本のフュージョン系ギタリスト。ロックギター+ブレイクビーツによるテクノ風のアレンジ。8フィンガータッピング&スウィープピッキングによる演奏。