張温 (後漢)

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張温（ちょうおん、生年不詳 - 191年）は、中国の後漢の政治家。字は伯慎。後漢の太尉・互郷侯。南陽郡穰県の人。なお、『三国志集解』襄陽記によると、妻は蔡瑁の伯母（蔡諷の長姉）という。

[編集] 略要

[編集] 生涯

彼は曹操の猶祖父・曹騰に推薦され、尚書郎～司空･太尉に任じられた。185年に、関西地方で反乱があった際、彼は車騎将軍に拝命されて、同僚の破虜将軍・董卓と共に軍勢を率いて孫堅・陶謙らを参謀に迎えて、韓遂・辺章の鎮圧に向かった。出立に先立って皇帝の霊帝が閲兵したが、その際、張温は軍礼に従って拝礼しなかった。古典的な軍礼では一度将軍となったならば皇帝に対して拝命（という儀礼を）する必要はないといわれていたが、漢代では実際に「不拝」という行為は殆ど稀だったという。このように張温には勇ましい一面があった。

だが、一方で同格の董卓が「直接反乱を鎮圧せずとも宦官を斬ってしまえば、反乱は治まるだろう！」という凄まじい進言に対して、張温は慄き震えて返答できず、董卓に対して婉曲的に断ったという。また、実際に張温が反乱軍の鎮定に当たっている最中で、またもや董卓が軍令を犯した際、義憤に燃えた孫堅から「朝廷に直訴して董卓を処刑すべきである！」との進言を受けるも、実力者の董卓を恐れるがために拒否した。…とこのように張温は極度の臆病な性格を兼ねて持っていたという。同時にそれ以来、董卓は張温と孫堅を憎み、いつか誅滅してやると誓ったという。

彼は多くの功績があったが、勢力を持つ宦官と関係を持ち、そのために彼は誹謗されることになった。なお、三公は本来は、都にあって政務を執り行なうが、後漢末以降、在外の太尉もでるようになったが、その始まりが張温であった。後に衛尉に転任した。191年冬10月に、彼は涼州遠征以来から犬猿の仲だった董卓によって無惨に殺害された。太史（太史令？）が「大臣のうち刑死する者がありましょう」と占い、さらに天変地異が起こった。そのため、董卓は元々仲が悪かった張温を、親交があった袁術と内通しているという誣告を受け、笞で打ち殺させた。彼を憎悪した董卓は張温の首を刎ねて、酒宴でその首級を披露したという。