悪役
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悪役(あくやく)とは、映画・テレビドラマ・舞台演劇などに登場する悪人の役。悪人役を演じる事の多い俳優は悪役俳優と呼ばれる。特に粗暴犯や暴力団構成員・ギャング、あるいは権力に結託した悪人の役を指す事が多い。
マスメディアにバッシングされている人物、組織内で人に憎まれている人物を指す事も多い。日常会話でも「~に回る」、「~に徹する」という形で使われる。
[編集] 悪役俳優
低音で良く響く声の持ち主が多い為か、悪役俳優は声優としても活躍している人が多い。ポール・ニューマンの川合伸旺、アンソニー・クインの小松方正、刑事コロンボの小池朝雄などがその代表である。
東映時代劇の月形龍之介、人気時代劇『水戸黄門』の東野英治郎、西村晃など、水戸光圀役はなぜか悪役で鳴らした俳優が起用されるケースが多い。里見浩太朗の様な二枚目スターが光圀役を演じる事は寧ろ稀である。
黒部進、森次晃嗣、団時朗、高峰圭二など初期ウルトラシリーズで主人公の正義のヒーローを演じた俳優は、以後は悪役を演じる事が多い。
ルパン三世シリーズでは、滝口順平が悪役の出演で最多となっている。
なお、悪役俳優と主役(または主人公側の人物を演じる俳優)は劇中では敵味方であるが、作品出演を通じて強い仲間意識を持つことも多い。
また、悪役俳優は時に主役級の俳優以上にモラルに対して高潔である事も多い様である。ドラマや映画では悪人役でも家庭では良き父親・夫という例は多い。また、ゴシップは少ない傾向にある。
青年期・壮年期初期には悪役として知られた俳優が、その後主人公側(悪人を倒す人物、主人公の父や祖父などや主人公のよき理解者)など好人物役に代わったり、料理番組など家庭的な番組への出演などで親しまれる例は多い。
なお、1950年代~1970年代には、当時アクション映画や時代劇が多かった為か、あるいは当時の俳優に戦時下などで苦労した人も多かったせいか、「いかにも悪役らしい」影や憎らしさを秘めた俳優も多かった。しかし、1990年代以降にデビューした俳優には、そうした悪役らしい影は弱まり、「こんな優しい顔の敵役を斬ってもいいのか」という俳優も増えているという。
[編集] 関連項目
- 悪役商会
- ヒール(プロレスにおける悪役)
- Category:悪役俳優