拳銃無宿
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
拳銃無宿(Wanted dead or alive)は1958年から1961年までスティーブ・マックイーン主演で制作されたテレビドラマである。設定を流用した続編に当たる作品も制作されている。
目次 |
[編集] 作品概要
バウンティ・ハンター(賞金稼ぎ)の主人公ジョッシュ・ランダルが賞金首を追って様々な事件に遭遇する西部劇である。この作品の主演によって人気の出たマックイーンはこのあとスター街道を駆け上って行く。
原題のWanted dead or aliveは「お尋ね者、生死を問わず」の意味で、賞金首の手配書の見出しに使われた言葉。
もともとロバート・カルプ主演のテレビドラマ「トラックダウン」のゲストキャラクターとして賞金稼ぎ役で出演したマックィーンの評判がよかったことから、新たに独立した番組として企画されたものであった。
なお1965年ころ、番組のプロデューサーによって劇場版が企画されたが、資金の問題で断念されている。
[編集] データ
[編集] アメリカ版
制作 シュースタープロダクション
放送 CBSネット
1958年9月~1961年9月 全94話(第1シーズン36話、第2シーズン32話、第3シーズン26話)
監督 トーマス・カー、リチャード・ドナー、ロナルド・マクドゥガル、R・G・スプリングスティーン 共演 ジョー・デ・サントス
[編集] 日本語版
[編集] ランダルカスタム(ランダル銃)
ランダルは銃身と銃床を短く切り詰めた(ソウドオフ)レバーアクションライフル(ウィンチェスターM1873)を腰から吊し、拳銃の様に抜き撃ちする。この改造銃はそのアクションから人気を呼び、日本では主人公の名をとり「ランダルカスタム」又は「ランダル銃」と呼ばれ、放送から50年近くたった後でもモデルガンやエアソフトガンが発表されている。なお、放送当時、マックイーンがM1873の後継機であるM1892をベースにランダルカスタムを作らせたとの話もあり、1892ベースのモデルガンも発売されているが、時代設定(1870年代)からするとM1873であるとするのが妥当であろう。
アメリカでは散弾銃を切り詰めたものをホグスレッグ(hog's leg:豚の後脚)とスラングで呼ぶことになぞらえ、この銃はメアーズレッグ(mare's laig:雌馬の後脚)と呼ばれていた。 (どこの資料にもlaigと記載されている)
試作時に反動が強くなりすぎたため、ランダルカスタムは実際の撮影では火薬量を4分の1に減らして使用された。それでも撮影当初は警察当局の立会いが必要であった。
ランダルカスタムはM73ではなくM92のソウドオフにループレバー(手を入れる部分を大きく広げたレバー。ジョン・ウェインが『駅馬車』『勇気ある追跡』他の作品で使用したウェイン特製のM92カービンでも見ることが出来る。速射、連射がしやすくなる。また、このレバーを取り付けると、ウィンチェスター銃自体をクルリと一回転させることにより片手装填出来るようになる。)を取り付けたもの。この当時の西部劇では銃の時代考証はいい加減で、時代背景に関係なくウィンチェスター銃はM92を使用するのが普通だった。M73が映画に使用されている例は非常に少ない。またM73はコルト・シングルアクション・アーミー(西部劇映画に一番多く出てくる拳銃)と同じ拳銃弾を使用するため、反動は45口径拳銃と同じはずで、ソウドオフしても反動が強くなりすぎることはない。M92からは拳銃弾よりも強力なライフル弾を使用した本格的なライフル銃となるため、ソウドオフすると雌馬の脚のように跳ね上がったり炸薬量を減らしたりしなければならなくなる。
[編集] 続編
ウォンテッド(Wanted:dead or alive)は1987年に制作されたルトガー・ハウアー主演のアクション映画である。
先祖代々バウンティ・ハンターを生業とする主人公ニック・ランダルがテロリストと戦う。
「ひい爺さんのジョッシュが…」という台詞があったり、拳銃でなくソウドオフの散弾銃を愛用するなど、「拳銃無宿」との関連が各所でうたわれてはいるが、別物のアクション映画として楽しむ程度の作品。敵のテロリスト役でキッスのジーン・シモンズが出演している。
なお余談であるが、「ブレードランナー」においてルトガー・ハウアーの吹き替えを演じたのはジョッシュを演じた寺田農である。
監督: ゲイリー・シャーマン
製作: ロバート・C・ピータース
脚本: ゲイリー・シャーマン、マイケル・パトリック・グッドマン、ブライアン・タガート
出演: ルトガー・ハウアー、ジーン・シモンズ