月経
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月経(げっけい)とは、成熟した女性の子宮から周期的に起こる、生理的出血である。
正式な医学用語は「月経」であるが、日本では一般的に生理と呼ばれていることが多い。また俗に「メンス」(英語 menstruation のカタカナ読みの省略形)「アンネ」(生理用品のメーカー名より)「お弁当箱」(ナプキンが梱包されている形から)「つきのもの」「つきやく」「めぐり」「女の子の日」「旗日」(日の丸からの連想)等といった隠語で言われることも多い。
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[編集] 概念
子宮壁の最内層は、子宮内膜と呼ばれる特徴的な粘膜層で、卵巣が分泌するホルモンの影響を特に強く受ける部位である。ヒトの女性では月経周期に伴って(哺乳類一般ではメスの性周期に伴って)周期的な変化をすることが知られる。排卵したが、受精(妊娠)しなかった場合、この子宮内膜が剥がれ落ち、血液とともに子宮口、膣を介して体外に排出されるのが月経である。そのため妊娠すると、出産後の数ヶ月間まで月経は停止する。
[編集] 月経周期
月経は、思春期に始まり(初潮)、個人差はあるが、閉経時期までの間におよそ28日周期で起こり、通常3~7日間続く(「正常月経周期」:25~38日)。
一般的に、月経と同時かその数日前から不快な症状を感じる女性が多い(月経前緊張症候群、生理痛)。
- 排卵性月経
- 無排卵性月経
[編集] 初潮
生まれて初めての月経を初潮(しょちょう)または初経(しょけい)と言う。古くは「初花(はつはな)」とも。日本では一般的に11~14歳(小学6年~中学2年頃)で起きることが多いが、9才前後(小学3~4年頃)で起こることもある。小学2年生でなったというケースもある。また初潮と同時に乳房の成長が著しくなる。
また初潮前後は、子供の体型からいわゆる女性らしい体型へと変化する時期でもある(骨盤や乳房、女性器の成長が目立つようになり、心理的には個人差が大きいが、異性に関心を持つようになる人が増える。この時期は男性より女性の成長が早い)。戦後日本人の初潮年齢は若年化し、小学6年生で初潮経験率が5割を超えるというデータもある。
[編集] 閉経
閉経時期(更年期)を迎えると、女性の体はホルモン分泌が変わり、月経は不規則になり、やがて停止する。多くの場合、50歳前後で閉経する(日本人女性の平均閉経年齢は約50歳である)。それより早く45歳以前に閉経する場合を早発閉経、55歳以上の場合を晩発閉経と呼ぶ。動詞で「上がる」とも称する。
閉経をはさむ前後5年ほどの時期を「更年期」と呼ぶ。月経停止以外に、色々な自覚症状をおぼえる女性もいる(更年期症状)。
長期間にわたり喫煙を続けると閉経が早くなるという報告がある。
[編集] 処置
この時期には、出血を吸収するために、ナプキンを当てたり、生理用ショーツを着用したりする。ケミカルナプキン、ペニスィーのほかにオーガニック素材の使い捨てナプキン・タンポン。繰り返し使えるものとしては布ナプキン、月経カップ、海綿スポンジ、タオルをしいて寝るなどの方法があるが、一般的には殆ど使われていない。
[編集] 月経異常
- 月経不順
- 月経が始まった頃は、月経周期は安定せず、数ヶ月起こらなかったりすることもよくある。
- 無月経
- 月経困難症(生理痛・月経痛)
- 月経期間中、痙攣のような腹痛を感じたり、腰が砕けそうな痛みを感じたり,足が痺れたり,身体が麻痺したり,下痢・悪心があること。若い女性に多い。妊娠経験後、痙攣性の腹痛を感じなくなる場合も少なくない。
- 月経前症候群・PMS(Pre Menstrual Syndrome)
- 多くの女性は月経前数日、様々な不快を感じる。腰痛・腹痛・頭痛・むくみ・悪心・食欲不振・乳房の緊張など。また精神的に不安定になって、落ち込んだり怒りっぽくなったりすることも多い。黄体ホルモンの影響によると考えられる。
- 無排卵月経
[編集] 社会的捉え方
- 生理休暇
- 日本の労働基準法では、生理日の就業がいちじるしく困難な女子は生理休暇が取得できることを定めており、勤務が困難かどうかについては、医師の診断のような厳格な証明は不要とされている(1948年5月5日 基発682号)。ただし、休暇の間の賃金については規定されておらず、使用者と労働者の間の契約(就業規則など)による。
- なお、生理休暇を法制化したのは日本が最初である。「女性に対する過保護であり、男女平等に反する」という批判に晒されながらも、今日では諸外国にこの制度が広まっている。しかし、男性差別・女尊男卑・ミソジニーを主張する人々や、労働効率を重視する財界などは廃止を主張している。
- 実際には、病欠・有給休暇と生理休暇の区別は厳格ではなく、生理を原因とする体調不良を単なる体調不良として休暇をとる女性社員が多いようである。
- タブー
- 日本では、月経は穢れであるとして、かつて月経中の女性は宮参りなどの神事に参加することができなかった。現在もごく少数の社寺で女性の神事の参加を禁止している所がある。大相撲の土俵が女人禁制であるのも、相撲が元は神前で行う物だった名残である。→女人禁制を参照の事。
- 祝い事
- 日本では初潮を迎えた女性に対して赤飯を炊いて祝うことを習慣として行うところもある。ここから転じて、初潮を迎える事を俗語で「お赤飯」と言う事がある。
- 広告
- 生理用品のCMでは、経血は青色の着色水で表現される。透明では分かりにくいのはもちろん、赤だと生々しいからである。
[編集] 外部リンク
- はじめてからだナビ(ユニ・チャーム)