林静一
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
林 静一(はやし せいいち、男性、1945年3月7日 - )は、満州生まれ、東京都育ちの日本の男性イラストレーター、漫画家、アニメーション作家。ACFA会員。日本イラストレーション協会会員。
ロッテの梅のキャンディー「小梅ちゃん」のイラスト、同棲生活をテーマにした漫画『赤色エレジー』で知られる。その繊細で叙情的なタッチはしばしば竹久夢二の系譜を受け継ぐと評される。画家、実写映画の監督、アニメーション作家として多才な活動を見せている。
妻は、染色作家の林節子。
目次 |
[編集] 略歴
少年時代から漫画好きで、1960年の中学校卒業後、絵に携わる仕事をしたいとデザインスクールへ進学。1962年にアニメ制作会社東映動画にアニメーターとして入社、「天才アニメーター」と謳われた月岡貞夫の班で東映動画初のテレビアニメ『狼少年ケン』(1963年)などを担当。現在の1ヶ月で1話を作るテレビアニメに対して、『狼少年ケン』は1話を1週間で描く厳しいスケジュールだったという。高畑勲とは『狼少年ケン』で仕事を共にし、高畑の初監督となるアニメ映画『太陽の王子 ホルスの大冒険』にも準備段階から携わったが、制作が一時中断となっために林は東映動画を1965年に退社。私生活では何をするにも一緒だったという先に退社していた先輩の月岡の誘いで、アニメ制作会社ナックの設立に参加した。
1967年に自主製作アニメーション『かげ』、漫画雑誌『ガロ』に漫画処女作『アグマと息子と食えない魂』を発表。1970年代以降はイラストと漫画を仕事の中心とした。漫画は、『ガロ』や『ばく』などいわゆるマニア誌を発表の舞台とした。漫画『赤色エレジー』はあがた森魚の歌でヒットして、上村一夫の漫画『同棲時代』と並んでその時代の風俗を象徴する作品となった。
[編集] 受賞歴
[編集] 作品リスト
[編集] 漫画
- アグマと息子の食えない魂(1967年)
- 巨大な魚(1968年)
- 赤とんぼ(1968年)
- 山姥子守歌(1968年)
- 花散る町(1968年)
- 赤色エレジー(1970年)
- ふりしきる(1971年)
- 桜色の心(1971年)
- かえるのゴムぐつ(1986年)
- オツベルと象(1987年)
- PH・4・5グッピーは死なない(1987年)
- 憂欝なモモ子(1989年)
- 夢枕(1993年)
[編集] 画集
- 紅犯花(1970年)
- 儚夢(1971年)
- 心景美人画(1976年)
- 儚夢(1978年)
- ジャパニーズウーマン(1981年)
- ウーマンズハート(1981年)
- 林静一の世界(1982年)
- 恋文(1983年)
- ひぐらし(1984年)
- 源氏物語(1987年)
- ショートカット(1992年)
- 小梅ちゃん 初恋すとおりい(2004年)
[編集] 絵本
- つるのおんがえし(1977年)
- かえるのアパート(1982年)
- ねこのしゃしんかん(1983年)
- おるすにしつれいします(1984年)
- いちばん優しい花(1984年)
- しゃしんかんのメリークリスマス(1984年)
- 雪女(1994年)
- マッチうりのしょうじょ(1995年)
[編集] アニメ
- かげ(1968年)
- 10月13日の殺人(1970年)
- 鬼恋歌(1971年)
[編集] その他
- LPレコードジャケット はっぴいえんど「はっぴいえんど」(1970年、イラスト)
- 夜にほほよせ(1973年、実写映画作品監督)
- ロッテ 小梅(1975年、CMアートディレクター)
- 万葉恋歌(1979年、イラスト)
- 切手「日本の歌シリーズ・花」(1980年、デザイン)
- カナダ交通博 日本館イメージフィルム(1986年、キャラクターデザイン)
- 青春アニメ全集(1986年、テレビアニメのエンディングイラスト)
- 源氏物語(1987年、アニメ映画のキャラクター原案)
- 春日井製菓 花のくちづけ(1991年、CMキャラクターデザイン)
- カネボウ 絹石鹸(1991年、パッケージデザイン)
- 小学館ビッグコミック(1992年、表紙イラスト)
- マクドナルド カード(1992年、作画)
- 結城座襲名公演「リチャード三世」(1993年、人形デザイン)
- モモコさんと僕(1994年、エッセイ集)
- 僕の食物語(1996年、エッセイ集)
- わが心の名探偵(1996年)、イラストエッセイ)
- 時のかたち(2000年、イラスト)
[編集] 外部リンク
- 心象花 - 公式サイト
カテゴリ: 日本のアニメーター | 日本のイラストレーター | 日本の漫画家 | 1945年生