柔道部物語
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『柔道部物語』(じゅうどうぶものがたり)は、小林まことが週刊ヤングマガジンに 1985-1991年に連載されていた柔道漫画である。
目次 |
[編集] あらすじ
岬商業高校に進学した主人公、三五十五(さんご じゅうご)はひょんなことから柔道部を見学(仮入部)をすることになる。2年生、小柴哲也の甘い言葉に騙されて柔道部に入部するも、新入部員歓迎という伝統のしごき「セッキョー」で地獄を見る。これに憤りを感じるが、負けん気の強い三五は柔道を続けることを決意する。そして三五は、必殺の背負い投げを会得し、岬商の救世主となる。
[編集] 登場人物
[編集] 岬商業高校
[編集] 柔道部
- 三五 十五
主人公。168㎝、65㎏。階級は軽中量(旧中量:71㎏以下)級。
中学時代は吹奏楽部でトランペットを担当していた根っからの文化系。
見学に行った柔道部で甘い言葉に騙されて入部。
持ち前の負けん気の強さと柔道センスから猛烈な勢いで上達し、夏休み後の大会ではレギュラーに抜擢されデビュー。緒戦の下山田農業・西川に一本勝ち。その後、新人戦個人の部、決勝では江南・樋口に開始早々背負いで技有りを取り優勢勝ち。その後は先鋒に定着。インターハイ予選の緒戦では5人抜きもみせ、二戦目では木場工・飛崎に背負いで一本勝ち。3年時には主将も任される。
得意技は背負い投げ。他にも、一本背負い、釣り手背負い、片襟背負いなど、背負い投げからのバリエーションは数多い。自分では気付いていないが、集中力が高まると口がとがったひょっとこ顔になる癖がある。 中学時代の学力はトップクラス(中学2年の期末テストで500点満点を取ったことがある。ちなみにこの時もひょっとこ顔をしていた)
- 秋山 一郎
三五の同級生。階級は中量(旧軽重量:86㎏以下)級。 三五と同じ中学校出身。中学では水泳部だった。三五と一緒に柔道部を見学し、そのまま柔道部へ。
体格に恵まれており、順調に上達していく。インターハイ予選では白帯ながらデビューを一本勝ちで飾る。その後の団体戦では補欠、鷲尾達が引退した後はレギュラーとなる。得意技は恵まれた体躯を活かした払い腰。 随所で味のある台詞をきかせてくれる、貴重なバイプレイヤーである。
- 岡
三五の同級生。体格に恵まれずレギュラーにはなれなかったものの、黒帯は取得する。他校の情報収集能力はかなりあり、ストーリー上欠かせない人物。いわばマネージャー的存在。
セッキョーをくらったときは標的にされたが、自分がセッキョーをした時は逆に手が付けられなくなり、他の部員が止めたほど。
- 名古屋 和彦
三五の同級生。見るからにオタク風であったが、小柴に無理矢理拉致されて(騙された三五より悪質)結局入部。
1年の合宿時から体重が急激に増加し、身長は170㎝ないのに体重は100㎏を越える。一応黒帯は取得する。
通称「流しの名古屋」。手抜き、さぼりの天才。八百長、選挙違反も犯す。
階級は重量(95㎏以上)級。
- 八木
三五の同級生。中学時から柔道をやっているが、段は持っていない。一応昇段審査は受けてはいたが、警察学校生に絞めをやられる。セッキョー翌日の五厘刈り指令を無視し、小柴たちによりバリカンで刈られる。2年になって以降、ほとんど出番がない。3年時は名古屋と同様にやる気なし。
- 内田 修一
三五の同級生。182㎝、80㎏。中学から柔道をやっている。入学時は初段。山下中出身。
一年生の最初の大会から、Bチームとはいえレギュラーで出場し、緒戦で一本勝ちするなど常に高いレベルで上達しており、他の部員からの人望も厚い。
力をこめると笑っているような顔になり、緊張すると顔が変形する。
- 村井 克弥
三五の同級生。中学から柔道をやっており、軽量級のホープと言われる。入学時は初段。日の出中出身。
1年時は内田に次ぐ実力者で、新人戦では120㎏の西崎高校の沖を大内刈りでしとめることもあったが、軽量級故に、三五や秋山の台頭後は団体戦での出番が減っていく。
2年時のインターハイ予選では2位。3年次のは念願かない個人でインターハイ出場。
秋山同様になかなかいいキャラをしており、五十嵐夫人や鷲尾のボケに鋭い突込みをみせてくれる。 階級は軽量(60㎏以下)級。
- 五十嵐 寛太先生
岬商の柔道部監督であり、元オリンピック代表候補選手(六段所有)。O・U大学卒。
どんな強い選手も弱くすると指導者として問題のある評判があったが、巧みな選手掌握術で三五らを育てる。特に「俺って天才だ~!」という自己暗示、独自の練習方法を考案、何故かそれらが全て奏効する。 腕立てや腹筋は苦手であるが、柔道のセンスは折り紙つき。物語当初は100㎏オーバーの巨漢キャラであったが、三五たちへの指導により、中盤から引き締まった体型になった。常に自動車関連の雑誌を手放さないカーキチで、愛車はダイハツ・ミラ、名前は「マドンナ」。 作者・小林まことの高校柔道部時代の監督がモデル。
- 小柴 哲也
三五の一学年先輩。170㎝、68㎏。階級は三五と同じ軽中量級。
三五達をおいしい話で誘い、入部させた張本人。やや小柄で一見口先だけのタイプに見えるがなかなかの実力者である。モデルは小林まことの元アシスタントのこしばてつや。
- 鷲尾 弘美
三五の一学年先輩。先代の主将。斉藤主将のエールを主将指名と勝手に解釈し、主将に就任する。186㎝、99㎏(引退時)。階級は重量級。 岬商で最も体格、パワーに恵まれており、強烈なファイトと負けん気の持ち主だが、自信と自意識がやや過剰気味なのがたまに傷。ここ一番の集中力に欠けるため無冠の帝王と呼ばれる。あとはしばし放屁をすることが難点。
卒業後は警察官になり、使い勝手が良いのか後の小林まことの作品にしばしば登場する。
- 平尾 勝
三五の一学年先輩。178㎝、75㎏。階級は秋山と同じ中量級。
無口で渋い先輩キャラ。漫画の中では特定されていないが、恐らく副将。もっともまともな人物かもしれない。チームの実質的なまとめ役となった。
- 河
三五の一学年先輩。てんで弱い先輩。わずか3秒で一本負けするという記録を作っている。
セッキョーの時は最も張り切っていた。階級は軽量級。
- 青柳
三五の一学年先輩。三五の背負い投げを一番最初にもらった人物。後にレギュラーの座を三五に奪われる。
- 斉藤
三五の二学年上。先々代の主将。高校生離れした実力の持ち主だが、最後の試合となったインターハイ地区予選ではデビュー戦の樋口に決勝戦で優勢負けを喫し、県大会出場も叶わずに終わる。老け顔。
- 田中
三五の二学年上。平尾と同様特定されてはいないが、正座の位置からして副将格。背負投げを得意とする実力者だが、無口なのか台詞はゼロ。
- 岩瀬
三五の二学年上。レギュラー。得意技は長身を活かした大外刈りで、江南との決勝戦でも開始早々に一本勝ち。ニヒルな感じで、しばしセッキョーをほのめかしては小柴をびびらせる。
- 水谷
三五の二学年上。レギュラー
- 永井
三五の二学年上。レギュラー
- 田丸 春彦
三五の一学年後輩。181㎝、78㎏(入学時)。
芸術的内股を得意とする男。名古屋の嘘のために一瞬彼の事を三五だと思い込む。三五体制となった最初の団体戦で下山田農と対戦、内股を決めてデビュー戦を一本勝ちで飾る。入学時は初段。階級は中量級。
2年時個人でもインターハイ出場。三五の後の主将。実家は肉屋。
- 星 学
三五の一学年後輩。183㎝、83㎏(入学時)。
性格、ファイトスタイル共に鷲尾に似ている男。得意技は強引な投げ技。入学時は初段。
物語では結構やられ役として描かれたりしているが、一方で誰もが戦うのを嫌がった江南の大巨人・花形をもうちょっとの所まで追い詰める(結果は引き分け)という大活躍をした。ちなみに実家は花屋。
- 関根 満
三五の一学年後輩。178㎝、85㎏(入学時)
寝技を得意とする男。高校選手権の後、怪我をした秋山の代役として試合に出場する。
原田ひろみに片思い。
- 伏見 守
三五の一学年後輩。175㎝、65㎏(入学時)
巴投げを得意とする男。ガッツポーズが派手。
- 山田 一也
三五の一学年後輩。163㎝、58㎏(入学時)
一番存在感のない男ではあるが、岡と並んで他校の情報収集能力に長けている。
なお、彼等の学年は33人入部してセッキョ-後にはこの5人しか残らなかったのであるが、後に岬商柔道部史上最強のチームを作ることになる。
- 小林・楠・服部・下坂・田中
三五の二学年後輩。後に、岬商柔道部史上最低のチームを作る張本人たち。
なぜか、名古屋の手抜き指導に、全員「なるほど~」と、感心していた。 名前のモデルは、小林よしのり、楠みちはる、しもさか保、田中宏と思われる。
[編集] 柔道部以外
- 平家ゆり
三五の同級生。物語当初は三五に恋心を抱くが、徐々に秋山に惹かれていく。
眼鏡がトレードマークでいかにも「まじめ」という女の子だが、積極的な面も見せる。原田ひろみが三五と再会した後は、原田の能天気な奔放さに「あの女が三五君をだめにする」と本気で心配するが、やがて共に応援するようになる。
- 愛川
三五の同級生。中学校時代、県大会の重量級で優勝している。五十嵐先生から「なにがなんでもひっぱってこい」と言われ、小柴達が勧誘に行くが断り、ラグビー部に入部。
ラグビー部ではレギュラーになれずスコア係。。
[編集] 江南高校
- 樋口久
三五と同い年であり、物語前半のライバル。階級は三五と同じ軽中量級。得意技は袖釣り込み腰。
5歳のときから柔道をやっていて、中学時に全国ベスト8、そして高1でインターハイ王者に輝く。
強豪江南高校にて、1年時から大将を任される実力者だが、新人戦個人戦決勝で三五に敗れる。
三五というライバルを見つけ、今まで以上に柔道に打ち込むも、後の全国高校選手権予選では練習中に大脇に怪我をさせられて補欠。
その後特別参加した講談館付属と講談館浦安との春の合宿で西野との練習中に背骨をずらし、大怪我を負う。
一生柔道は出来ないと診断され、2年時のインターハイ予選団体決勝で先鋒として三五と戦い、敗れた後引退する。
その後、三五の支援をするため飛崎兄と度々岬商を訪れ、稽古をつける。
プロ野球東京マイケルズの4番、樋口一正のいとこ。
- 大脇
三五と同い年。190cm、120㎏(推定)。階級は重量級。得意技は払い腰。
体格に恵まれているのだが気が小さく、入部のきっかけもお母さんに連れられて来たとの事。
入部早々、チームのエース樋口に怪我をさせ、責任を取って全国高校選手権予選団体戦に出場した。
持ち前の馬鹿力と教えてもらった払い腰が得意技。
- 桜木
三五の一学年上。体重140㎏(表向きには130㎏)もある江南の巨人。高校選手権県予選で三五に背負い投げで投げられる。
- 石川弘
三五の一学年上。江南のエース。階級は三五と同じ軽中量級。まじめな性格で実力は素晴らしいものがあるが、樋口・飛崎・三五と超高校級の選手と同じ階級だったため、タイトルに恵まれなかった。得意技は諸手背負いに返し技。
- 福島
三五の一学年上。次鋒、中堅として活躍。見るからに気が強そうな顔をしている。三五が一年のときの新人戦団体の部決勝では内田を釣込腰で破るも、次の大会では大脇を抜いた内田と引き分ける。
- 花形
三五の一学年下。桜木よりはるかに重い(170㎏)男。5人抜きするのに2分もかからないほど強かったが、80㎏の星に引き分けられた事がある。
レギュラーであったが、2年夏のインターハイ予選の前に大相撲の不老部屋にスカウトされ、退学して相撲の道に進む。
因みに三五が黒帯を買いに行ったときに一度三五と会っている。
- 飛崎健二
三五の一学年下。木場工の飛崎の弟。「打倒岬商」と全国大会(インターハイ、金鷲旗、春の武道館)出場のため、木場工ではなく江南に進学した。2年時個人でインターハイ出場。階級は軽重量(95㎏以下)級。足技を得意とし、田丸のライバルとなる。
- 山岡
三五の二学年上の主将。
- 山崎先生
江南高校柔道部監督。激しい練習を課すことで有名。現役時代は90㎏あったが、72㎏の五十嵐先生に一回も勝てなかったため、対岬商業との試合は異常に勝ちにこだわる。
口癖は「よーし!」。
[編集] 下山田農業高校
- 清水
三五の一学年上。レギュラー。身長195cmの通称「下農の怪物」。長身を活かした大外刈りや内股を得意。
- 岡部高典
三五と同じ階級の選手。レギュラー。にきび面。合宿後の最初の試合では次鋒で出場し、平尾に一本負けをする。新人戦での三五戦では序盤、優勢に試合を進めるも、三五のひょっとこ口が発動して破れる。
- 沢井先生
下山田農業高校柔道部監督。指導は厳しいが、柔道の実力は五十嵐先生より劣る。五厘の坊主頭。選手を叱責するときは「バカモノ!」が口癖。
- 河村
三五の一学年上。清水のライバルと目され、夏合宿後初の公式戦で対戦した小柴が「あんまり強いんで三年かと思ったら二年だったのか」と驚く実力者だが、その小柴に背負いで有効、技有り、一本のサイクル柔道で敗れる。その後、左で組んだ右利きの江南・石川にも敗れた悲劇の人。
- 寺沢
学年不詳だが、推定で三五の一学年上のレギュラー。中堅で出場し、合宿後最初の対戦では内田に一本負けをする。その後も新人戦団体戦では江南の選手(森田か桜木)に一本負け、個人戦では樋口に一本負けをする。
- 西川
三五の一学年上。三五の公式戦デビューの相手。
[編集] 木場工業高校
- 飛崎守
三五の一学年上。階級は軽中量級。強烈な内股が武器で三五を苦しめた。
自身は新人王を取るほどの実力だが、学校自体が強豪校ではないため、全国大会にはいけなかった。
- 宮沢
三五に初めて勝った(ただし、不意打ちによる勝利)男。
[編集] 耕談館大学付属高校
- 千代崎謙二
三五と同い年であり、物語中盤のライバル。部員170人を抱える強豪耕談館大学付属高校柔道部主将。階級は三五と同じ軽中量級。全国トップレベルの実力の上に端正なマスク、礼儀正しい態度で周りの評判がいい。傍若無人の言動の西野をたしなめるも、西野から居直られる一幕もある。
- 菅原
千代崎の一年先輩であり、前主将。階級は平尾と同じ中量級。強面。
実力は超高校級で、3年のインターハイ個人で全国優勝を果たした。
- 本間
千代崎の一年後輩。その実力は折り紙つきで、金鷲旗で一回戦から三回戦まで計13人抜きをするほどの強さを持つ。
秋山と対戦し、一時は関節技で追い込むが、最終的には一本負けをする。
- 長谷川先生
耕談館大学付属高校柔道部の監督。史村六段の後輩。寡黙でほとんど喋らない。ただ、人材獲得、というかヘッドハンティングにはやたら熱心で、史村春道を通じて三五寿司に食事に来たふりをして三五をスカウトしようとするが、実現しなかった。同様に樋口を引っ張ろうとして合宿に参加させたが、その際にやはり参加していた西野と稽古し、再起不能の怪我をさせられる。大会会場のトイレで五十嵐先生にそのことを告白し、悔恨の念を表す。
[編集] 耕談館大学付属浦安高校
- 西野新二
三五と同い年であり、物語終盤のライバル。161cm、71kg。階級は三五と同じ軽中量級。
物語で最強の人物の一人。 小さい頃は虚弱体質で、母子家庭で育った。中学2年で柔道を始める。
161cmという小柄ながら重量級並みのパワーと軽量級並みのスピードを身につけ、一気に全国レベルにのし上がった。
パワーを活かし、肩車や裏投げなど、豪快な技が多い。
ケタ外れな強さではあるが、暴君的な性格のために周りの評判はよくない。
しかしその粗暴な態度に反して実は物凄い努力家であり、天才肌の三五とは対照的である。
- 銚子豊
千葉のインターハイ個人戦代表にもなっている浦安のナンバー2。
- 鈴木先生
耕談館大学付属浦安高校柔道部監督。外見は普通のサラリーマン風。
生徒が問題を起こしても、必死になってフォローする。
そのため、神経をすり減らす毎日。西野達の3年夏のインターハイ前に胃潰瘍で入院してしまう。
[編集] 大杉高校
- 赤木
富山の強豪校・大杉高校(モデルは小杉高校)の主将。講談館付属高校・菅原のライバルと目される中量球の選手。
[編集] 鹿屋南高校
- 木山道明
外見、方言ともに典型的な鹿児島人。階級は三五と同じ軽中量級。三五に袖釣り込みが得意と豪語したが、本番では寝技で勝利する。モデルはヤングマガジンでおっぱいジョッキーを連載していた木山道明。
[編集] 岬高校
- 原田ひろみ
三五の彼女。中学時代の同級生。中学校の卒業間際、三五に告白され、そのまま彼女になる。派手好き。三五が柔道に熱中していた為に一度離れるが、二年進級と同時に復活。
[編集] 耕談館大学
- 史村春道
耕談館大学柔道部監督で、元世界選手権や五輪の金メダリスト。六段。
遊び好きで、淋病をうつされて学生が寝技の相手を嫌がったり、毛じらみをうつされて 離婚されかかるなどさんざんなキャラである。
緊張すると茨城弁丸出しになる。五十嵐先生の終生のライバルである。
[編集] 紅花大第五高校
- 入江英幸
三五と同じ軽中量級の選手。鷲尾に2本取られた哀れな男。
[編集] O・U大学
- 遠藤忠
O・U大学柔道部監督で五十嵐先生の後輩。寿司屋になるという三五をO・U大に入れようと何度も口説く。 また、三五のO・U大進学をさも既成事実のように触れ回り、三五を困らせた。斎藤仁がモデルと思われる(雑誌「近代柔道」にて小林まことと斎藤仁が対談した際に、斎藤が本作に出たい旨の発言をし、小林が「五十嵐先生の後輩役で出てもらいましょうか」と言った。また、小林まことの恩師・五十嵐氏は国士舘大学柔道部のOB)。
[編集] その他
- 五十嵐由美
五十嵐監督の細君。勝気でしっかり者の女房。洗濯や雑用の為に合宿にまで同行し、その後は妊娠するまで全国大会も含めて全試合観戦するなど、なかなかのバイタリティの持ち主。のんびり屋の五十嵐先生の尻叩き役。
[編集] 補足
この漫画には他の小林まこと作品と同様に著者の他の作品のキャラクター、もしくはそれに類似する人物がしばしば登場する。
例えば、インターハイ予選リーグで岬商業に負けた新宮山高校の生徒が泣いているシーンでは、
1・2の三四郎 に登場する参豪らしき人物が出ている。
名前だけなら、三五が1年のときの新人戦の組み合わせ表を見ると同じく1・2の三四郎に
出てくる「田中敬三」の名前がある。
[編集] エピソード
- 連載当時に現役の柔道部員等からは絶大な支持を得た作品である。吉田秀彦、古賀稔彦、野村忠宏もこの作品を愛読していた。また、古賀稔彦は三五十五のモデルと思われる。
- 柔道一直線、柔道讃歌等とは違い、極めて現実的な作品である。有名な幻の技と言われる山嵐すら登場しない。
- また、部活動の汗くささを前面に出し、練習の描写がかなり大きい。当時連載時期が同じだった週刊少年サンデーの帯をギュッとね!とよく比較される作品でもある。
- 欠点を挙げれば、作者の小林まことの欠点でもある遅筆の影響で、連載当時は休載が多かったこと。作品内での試合が盛り上がっているのに何の前触れもなく休載になってしまい、テンションが落ちた読者は多かった。完結まで一気に読める現在では問題ない。
- 作品自体の欠点としては、試合場の畳の枚数が実際のものと違ったり、全日本選手権(五十嵐先生の回想シーン)にて同大会では禁止されている部旗が掲げられていたりと細かいディテールに難が見られる。
- 作者の小林まことが新潟県出身のためか、作品の舞台は「新賀田県」ということになっている。三五が小柴に街中で「サッ」と挨拶をする場所はJR新潟駅の万代口の雰囲気がある。また、「古町ぶらついて帰るか」というセリフも出てくる。
- 作者は日航ファンらしく、部員達は高知で行われたインターハイへはB767、金鷲旗へはDC-10(窓からの眺めがB747SR、JA8142であるのはご愛嬌)で飛ぶ。
- 新2年生の髪がのびたことを祝って、新3年生が新2年生の頭を好きな物で叩く「おはつ」という儀式があるが、これは過去に日本体育大学柔道部に代々伝わる伝統行事であったらしい。現在は行われていない。
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