橘高淳
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橘高淳（きったか あつし（旧名 敦）、1962年12月17日 - ）は滋賀県出身の元プロ野球選手（捕手）、プロ野球審判員。
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[編集] 来歴・人物
滋賀県立瀬田工業高等学校時代の1980年夏、全国高校野球選手権大会に出場しチームはベスト4の成績を残す。翌年、ドラフト外で阪神タイガースに入団するも一軍出場のないまま1983年に戦力外通告を受け、現役引退。ブルペン捕手となるものの、1年で退団し、1985年、ブリンクマン審判学校を経て、セントラル・リーグ審判部入局。現在は同リーグ審判部主任である。同じセ・リーグの渡真利克則審判は現役時代、阪神の同期生。
現役時代の背番号は65、ブルペン捕手時代の背番号は92。審判員袖番号は9（1988年の初採用からつけている。）
2005年シーズン終了時点での通算出場試合数は1498試合、オールスター出場3回、日本シリーズ出場3回。
2006年4月1日の巨人－横浜戦を球審として出場し通算1500試合出場を達成した。
[編集] エピソード
日本シリーズに3度出場し、関西審判部の中堅として長年活躍している。後述のようにその判定に対しては異論や批判があり、物議をかもしたことがある。特にストライクゾーンの判定に一貫性がないという批判が多く「移動式ストライクゾーン」と揶揄されることもある。
また極端な短気であるため、判定を巡ってトラブルの根源となることが多い。また選手に対する対応が高圧的との声や阪神ファンに「降りて来い!!」と罵声を浴びせたほどファンの野次に激昂しやすいという良からぬ声もある。
[編集] 橘高審判絡みのトラブル
- 1998年7月31日、甲子園球場での阪神－巨人戦で、巨人のバルビーノ・ガルベス投手が球審の橘高の判定を不服として、橘高にボールを投げつける。橘高には当たらなかったが、ガルベスはそのシーズンの残り試合出場停止処分となった。この行為には橘高側も相当激怒していたと言われている。
- 1999年6月1日、ナゴヤドームでの中日－巨人戦で、6回無死満塁で中日渡邉博幸の打球は左足に当たり（自打球）、ファウルかと思われたが、橘高球審の判定はフェアで併殺に。星野仙一監督の猛抗議も認められず。
- 2000年5月6日、ナゴヤドームでの中日－横浜戦で、7回ウラ中日の攻撃で、打者・立浪和義への内角球をストライクとコール。立浪が判定に不満を示すと「二流選手が文句を言うな！」と一喝。怒った立浪が橘高の胸をつつくと、立浪に退場を宣告。これに抗議をしに来た中日の星野監督とやり合っている最中、大西崇之が橘高の背後へ回って星野から橘高を引き離そうとすると、大西の顔面に肘打ちを入れ、「この若造がっ！」と暴言。激高した大西から膝蹴りなどを受けたため、星野、大西にも退場を宣告。橘高は右肋骨骨折と左肩、背中などの打撲傷。トラブルの直後は「関係ない大西がいきなり羽交い絞めにしてきたのは許せない。告訴する。」と言っていたが、ビデオや選手の証言により不利な証拠が出てきたため断念。星野には5日間の出場停止と50万円の罰金、大西に10日間、立浪に5日間の出場停止と10万円の罰金がそれぞれ科された。審判に重傷を負わせた割には軽い処分であったため、ガルベスが自分の時と違いすぎると不満を示した。その後、星野、立浪、大西の3者に対しては、ファンが暴行罪で名古屋地検に刑事告発を行ったが、3者とも事情聴取を受けた後、起訴猶予処分となった。
- 2000年6月7日、東京ドームの巨人－阪神戦で、打席を3回外した阪神の和田豊内野手に対し、巨人のダレル・メイ投手が和田の頭めがけて故意にボールを投げつける事件が発生。ボールは和田の頭部付近をかすめたが、橘高球審はその時点では処分をしなかった。しかし試合後メイが「あれは当てると言うより威嚇。ホームベースを狙ったのかって、to him（和田のこと）だ」と発言したため、後日連盟によりメイは出場停止10日間、罰金50万円、審判団は厳重戒告の処分を受けた。結果論ではあるが本来ならば投球時点で確認を行い厳正な処分を行うべきであった。ちなみに、故意に打者を狙って投球を行う行為は公認野球規則8・02（d）に囲みつきで絶対的に禁止されており、審判員はその投手と監督を即時退場させるか、警告試合の宣告をしなければならず、【原注】として、打者を狙って投球することは、非スポーツマン的である。特に頭を狙って投球することは、非常に危険であり、この行為は許されるべきではない。審判員はちゅうちょなく、本規則を厳格に適用しなければならない。と記載されている。
- また、同じ日に福原忍投手が自信を持って江藤智内野手に投げたストレートを立て続けに「ボール」と判定した。状況が状況だけにど真ん中のストレートに見えたらしくこれには関西ローカル中継の解説者が憤慨していた。
[編集] 最近のトラブル
- 2004年の日本シリーズ第1戦・中日－西武戦で、五回裏中日の攻撃、一死一塁。打者谷繁元信の打った打球は捕手前のゴロとなった。野田浩輔捕手が捕球し、球審の橘高は野田が打者走者谷繁に触球したと判定し、アウトを宣告した。野田は二塁へ送球。橘高のアウトの宣告が聞こえていなかったのか、二塁塁審の杉永政信は一塁走者のオマール・リナレスに二塁フォースアウトを宣告した。中日の落合博満監督は抗議し、「打者走者に対する触球によってアウトが宣告されたのなら、二塁はタッグプレイになる。一塁走者はアウトではない」と主張した。確かに橘高が打者走者のアウトを先に宣告しているので、一塁走者のフォースの状態は解除されているから、二塁ではタッグプレイが行わなければならない。このため、審判団は協議の上、杉永二塁塁審のフォースアウトの判定を取り消し、二死二塁からの再開を決めた。しかし、西武の伊東勤監督がこれに対して「一度審判員がアウトといったのだから」とこの決定に対して異議を唱える。橘高は場内アナウンスを行うが、「野田選手のプレイについて伊東監督に説明していますので、しばらくお待ちください」という曖昧なものであった。この間49分試合が中断、最後は橘高と杉永二塁塁審が場内アナウンスで謝罪するという異例の事態となった。この件でコミッショナーからは厳重注意を受けた。
- 2005年9月7日、ナゴヤドームでの中日－阪神戦では、9回表に中村豊の本塁突入の際のクロスプレーを巡って岡田彰布監督らの抗議で試合が一時中断したのも束の間、9回ウラ中日の攻撃、無死二・三塁の場面で、谷繁元信の打球は二塁へのゴロ。二塁手の関本健太郎はスタートを切った三塁走者のアレックス・オチョアを刺そうと本塁に送球したが、橘高球審はセーフの判定。関本に野選が記録された。これを不服として、阪神の平田勝男ヘッドコーチがベンチから飛び出し、橘高球審に暴力行為を働いたとして退場処分に。岡田監督が選手全員を一端ベンチに引き上げさせ、18分間の中断という事態となり、トラブル後の対応のまずさが目立った。
