無敵ロボトライダーG7
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『無敵ロボトライダーG7』(むてきロボ トライダージーセブン)は、1980年(昭和55年)2月2日から1981年(昭和56年)1月24日まで名古屋テレビ系で毎週土曜日17:30 - 18:00に全50話が放送された、日本サンライズ製作のロボットアニメ。
目次 |
[編集] 解説
前番組の『機動戦士ガンダム』が、高年齢層からは注目を集めたものの本来の視聴者である低年齢層の間では今ひとつ人気が振るわなかったことから、純然たる子供向けアニメとして制作された。
所謂スーパーロボットアニメでありながら、出撃時に近所の住民にスピーカーで注意を呼びかける、敵と戦うときに経費を考えて戦う必要があるなどの生活感あふれる描写が数多く見られ、軍用兵器としてのロボット描写を重視したガンダムとは別の意味でロボットのリアリティを追求した作品となった。これらの要素は、後に『機動警察パトレイバー』等の「巨大ロボットが存在する社会」を描いた作品群に受け継がれることになる。
ドラマはワッ太を中心とする下町人情物ストーリーが中心に描かれ、ロボット帝国の正体は地球に知られておらず、「地球を襲ってくる謎の怪ロボット」程度にしか認識されていない。ロボット帝国側も、地球を襲撃するたびに迎撃に出てくるトライダーの正体を探ろうとするものの、偶然が重なり失敗が続く。結局、ロボット帝国が地球侵略を断念する最終回も含め、敵味方の両陣営にほとんどストーリー交流が無いという特異な構成となった。
また、前番組の「機動戦士ガンダム」で、シリアスな語りのナレーションを担当していた永井一郎が引き続き担当。前作と打って変わって、弾けた語り口を披露している。
小学生のワッ太にあわせストーリーの中でも23話の歯科検診、46話の雪山遭難など、学校行事なども多分に盛り込まれている。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] ストーリー
全宇宙の征服をもくろむガバール星:ロボット帝国。それに反発し地球へと亡命した科学者ナバロンは、竹尾道太郎と出会う。彼の手により設計された多段変形ロボット「トライダーG7」は、礼代わりに道太郎に譲られた。不幸にも道太郎は事故死してしまうが、息子の竹尾ワッ太が彼の仕事とトライダーを引き継ぐ。
零細企業とは言え、「竹尾ゼネラルカンパニー」の社長としてワッ太は今日も会社の金庫…いや、みんなの幸せを守るために奮闘するのだった。
==スタッフ==
- 原作:矢立肇
- シリーズ構成:星山博之
- 脚本:星山博之、伊東恒久、松崎健一、荒木芳久、佐々木勝利、富田祐弘、三山博一、中原朗
- 監督:佐々木勝利
- コンテ:兜四郎、菊田武勝、鹿島典夫、吉沢孝男、斧谷稔、北嶋信幸、福島和美、菊池一仁、加瀬充子、貞光紳也、鈴木行、高橋資祐、横山裕一郎
- 演出:鹿島典夫、加瀬充子、鈴木行、菊池一仁、兜四郎、横山裕一郎
- キャラクターデザイン:佐々門信芳
- メカニカルデザイン:大河原邦男
- メカニカルゲストデザイン:出渕裕
- 作画監督:佐々木信芳、金山明博、木村圭市郎、富沢雄三、塩山紀生、西城明
- 動画チェック:大原和男
- 作画監督チーフ:金山明博
- 美術監督:宮野隆
- 特殊効果:朝沼貴良、向井稔
- 音楽:茅蔵人
- 効果:佐藤一俊
- 調整:飯塚秀保
- 編集:小松みどり
- 仕上:ディーン、タカプロ、スタジオ雲雀、スタジオ九魔、ジャスト
- 背景:獏プロダクション、スタジオユニ
- 撮影:ティ・ニシムラ、旭プロダクション
- 現像:東京現像所
- タイトル:松崎善美
- 製作担当:中川宏徳
- 設定助手:戸部尚代
- 設定進行:福田満夫
- 音響演出:千葉耕市
- 音響制作:千田啓子
- プロデューサー:関岡渉(名古屋テレビ)、大熊伸行(創通エージェンシー)、岩崎正美(日本サンライズ)
- 制作:名古屋テレビ、創通エージェンシー、サンライズ
[編集] 主題歌
[編集] キャラクター:キャスト
[編集] 竹尾ゼネラルカンパニー
- 竹尾ワッ太:間嶋里美
- 二代目社長。竹を割ったかのようにまっすぐな性格の小学6年生。初代社長であった父亡き今、トライダーG7を操縦できる唯一の人物。授業中でも専務が呼びに来ると早退して出動する(学校公認)。最終回で無事小学校を卒業する。
- 柿小路梅麻呂:永井一郎
- 専務。64歳で12人の子持ち。事件が起き、トライダーに出撃要請が出ると、大声で叫びながら自転車でワッ太を迎えに来る。ワッ太や常務たちがミサイルを撃つたびに算盤をはじいて経費を計算するが、トライダーがピンチになったときに算盤を放り投げてミサイルを乱射したことも。
- 厚井鉄男:藤本譲
- 常務。メカニック担当。専務のハラハラをよそに、ミサイルでワッ太をフォローする熱血系取締役。通称「鉄さん」。
- 木下藤八郎:山本相時(正司トキオ)
- 営業係長。お調子者のムードメーカーで憎めない存在。「社長、パーッとやりましょう!」が口癖。
- 砂原郁恵:潘恵子
- 社の紅一点。経理・事務担当の18歳。よくおやつを作ってくれる。かの有名な「発進アナウンス」係でもある。
[編集] その他の地球人
- 三重子先生:馬場はるみ
- ワッ太のクラス担任。
- 大門先生:村山明
- ワッ太の隣のクラスの担任。規律に厳しく、仕事を優先させがちな彼をしかることもしばしば。しかし、ワッ太の置かれた立場や責任感は理解している。三重子先生に惚れている。
- おかね:高橋和枝
- ワッ太の亡き父・道太郎の友人だった煙草屋の婆さん。
- 竹尾サチ子:高木早苗
- ワッ太の妹。気が強くておしゃま。
- 滝かおる:杉山絹恵
- ワッ太のクラスのマドンナ。ワッ太の憧れの的。
- 大山健一:古川登志夫
- ワッ太のクラスの委員長で、勉強もスポーツもできる秀才。大会社の社長の息子で、ワッ太とは何かと張り合うライバル。
- 足立長官:緒方賢一※初期話数では塩見竜介
- 地球防衛軍の長官。謎のメカロボによる侵略に対抗しうる唯一の戦力としてトライダーの出動を竹尾ゼネラルカンパニーへ不本意ながら依頼。
[編集] ガバール星
- ザクロン:曽我部和恭
- ガバール帝国銀河系方面総司令官。10メートルの巨躯を誇る。49話では自らを模した巨大ロボに乗り込みトライダーと激闘を繰り広げた。
- オンドロン:池田勝
- 地球侵略担当司令官。普段は宇宙要塞内にいて部下に指令を出すのみ。
- 歴代幹部
- ヤール:若本紀昭(現若本規夫)※1~7話
- 初代隊長を務めたオンドロンの秘書。任務に失敗し続けたため、処刑されてしまった。
- ズルチン:沢りつお※8~13話
- 第2代隊長。凄い短足。トレンチコートの胸ポケットに小型ロボ(ペコペコ)を入れている。13話でメカロボ(チェンダム)に自ら搭乗し、初めて地球を襲うもトライダーに倒され戦死。
- ドンマ:滝口順平※14~20話
- ズール:千葉繁(7話のみ山田俊司)※14~20話
- 第3代隊長。初登場は7話。14話よりコンビで隊長となる。20話で上下に分離するメカロボ(劇中未呼称)に2人して乗り込みトライダーに挑むもバードアタックの前に敢え無く敗れ戦死。
- ジャッカル:笹岡繁蔵※21~26話
- 第4代隊長。ポンチョを羽織ったマカロニウェスタンのガンマン風の出で立ちで自称「戦闘のプロ」。26話で自らガンマン風メカロボ(劇中未呼称)を駆りトライダー打倒を図るが、バードアタックを食らい撃破された。
- ジルバ:武藤礼子※27~33話
- 第5代隊長。冷酷かつ妖艶な美女で元・ザクロン親衛隊員。目からキュービームを放つ。33話で自ら設計したクイーン・アテナスを操縦しトライダーに挑戦。胸のミサイル連射や地獄ムチで追い詰めるも、最期はバードアタックを受けて散った。
- クラード:松岡文雄※34~39話
- 月面の工場に赴任したメカロボの製造技術主任。事実上の第6代隊長任務を引き継ぐ。38話でトライダーの秘密に気付き、39話で自らメカロボ(オメガン)を操縦してトライダーと対決。剣でトライダーの胸を切り裂くも、バードアタックを受け爆死。
[編集] 竹尾ゼネラルカンパニー
社長以下全社員5名の零細企業。
万能ロボット「トライダーG7」を使って土木作業からゴミ運搬、地球を襲う怪ロボットの撃退などあらゆる業務をこなす「宇宙の何でも屋」。
[編集] トライダーG7
ガバール星の脱走者であるナバロン博士(地球人名・梅本)が設計し、地球の三葉工業で建造された新金属ガバールニウム製のロボット。他の会社からも引き合いがあったのだが、ナバロンが姿を消したため、竹尾ゼネラルカンパニーにある一台だけが残された。
トライダー・イーグル、トライダー・ビークル、トライダー・コスミック、トライダー・ホーク、トライダー・マリン、トライダー・モビル、そしてロボット形態の7つの姿に変形できることからG7と呼称される(とはいえホーク、モビル、マリンはG7時の頭部分のみが変形しただけであり、これで七形態を自称するのは些か誇張を含んでいる、といえる)。さらに、トライダー・シャトル/オーフィスとの合体によりトライダー・フォートレスとなる。
トライダー・ジャベリン、トライダー・カッター、トライダー・チェーン、トライダー・ルアーなどの武器を持つ。全身を火の鳥で包み敵を粉砕する「トライダー・バード・アタック」が必殺技。
普段は児童公園の地下に頭部先端が露出した状態で格納されており(出動後は代わりに噴水が出現)、最低料金100万円/回で出動が請け負われる。
中盤にシャトルが大破、パワーアップした新シャトルとの合体により強化型フォートレスが完成する。
[編集] 商品展開
G7の特徴である七段変形は玩具では完全には再現できず、いずれも頭部の二変形が省略されている。初期に発売された「変型合体セット」は五段変型、後にトライダーシャトルとセットで発売された「完全7変型合体」では別の変形パターンを加えて七段変形とした。他に廉価版の「変型シャトル合体」や必殺技を再現した「バードアタック」などが発売。売れ行き自体は好評で、サンライズ側ではスポンサーのクローバーに前作の借りが返せたと感じていたという。
[編集] その他
- 本作の主題歌「トライダーG7のテーマ」は2006年現在、北海道日本ハムファイターズの応援音楽に使用されている。
- バンプレストのゲーム『スーパーロボット大戦シリーズ』にも登場している。
- プレイステーション用ソフト『新スーパーロボット大戦』では、伊倉一恵が間嶋里美の代理で竹尾ワッ太の声を、冬馬由美が藩恵子の代理で砂原郁恵の声を担当している。
- その後のニンテンドーゲームキューブ用ソフト『スーパーロボット大戦GC』(及びその移植版であるXbox360用ソフト『スーパーロボット大戦XO』)では上記の二人はオリジナルキャストに戻ったが、ザクロンの声は曽我部和恭の引退(曽我部は2006年に他界)により稲田徹が、ジルバの声は江森浩子が代役を行った(その後武藤礼子も2006年に他界した)。
[編集] 放送リスト
話数 | サブタイトル | 登場戦闘ロボット |
---|---|---|
1 | がんばれ若社長! |
|
2 | 社長はつらいよ |
|
3 | お金じゃないよ、心意気 |
|
4 | 男・ワッ太の子守唄 |
|
5 | ああ、宿命のライバル |
|
6 | 俺は大好き宇宙塾 |
|
7 | 危うし!花の係長 |
|
8 | 男と男の花が散る |
|
9 | 俺は小さな大社長 |
|
10 | 男・純情!大門先生 |
|
11 | ああ、テストマル秘作戦 |
|
12 | 走れ信吉! ゴールをめざせ |
|
13 | 俺は地球のスーパー・スター!? |
|
14 | どうせ拾った貝だもの |
|
15 | 妹・サチ子は世界一 |
|
16 | 父兄会は大騒動! |
|
17 | 夢にまで見たデート |
|
18 | ワッ太は世紀の天文博士! |
|
19 | ホットケーキはどんな味? |
|
20 | 感激!! ボーナスが出る |
|
21 | 親父は宇宙の大工さん |
|
22 | 心意気だぜ郁絵ちゃん |
|
23 | 歯なしにならない話 |
|
24 | キャベツがなくなる日 |
|
25 | 男ならひき受けろ! |
|
26 | でっかい輪っかだ夏祭り |
|
27 | ニースからの手紙 |
|
28 | 星空のキャンプファイヤー |
|
29 | 泣くな男だ!係長 |
|
30 | 大門先生は鬼コーチ |
|
31 | おかね婆さん奮戦記 |
|
32 | ああ専務! 男涙のアルバイト |
|
33 | 女の子はヤキイモがお好き |
|
34 | 熱がなんだ情熱だ! |
|
35 | 俺たち少年探偵団 |
|
36 | あの町この町日が暮れて |
|
37 | 火星で食べた!? サンマの味 |
|
38 | 常務は父親一年生 |
|
39 | トライダーの秘密 |
|
40 | 台風一過・大騒動!! |
|
41 | がんばれ!ポンコツロボット |
|
42 | 男・アキラよどこへ行く |
|
43 | スーパーロボット大集合 |
|
44 | 六年一組・大門先生 |
|
45 | ああ、あこがれのハワイ珍道中 |
|
46 | 三重子先生の決意 |
|
47 | ワッ太の誕生日 |
|
48 | 男・大門ここにあり |
|
49 | 危険がいっぱい大仕事 |
|
50 | とびだせ! 若社長!! |
[編集] 外部リンク
テレビ朝日系 土曜17時台後半 | ||
---|---|---|
前番組 | 無敵ロボトライダーG7 | 次番組 |
機動戦士ガンダム | 最強ロボ ダイオージャ |
カテゴリ: アニメ作品 む | 名古屋テレビのテレビアニメ | サンライズ作品 | ロボットアニメ | 1980年のテレビアニメ