獅子てんや・瀬戸わんや

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獅子てんや・瀬戸わんや（ししてんや・せとわんや）、通称：てんやわんやは戦後から長きに亘り活躍した日本の漫才コンビ。大柄のてんやが小柄で額の禿げ上がったわんやをいびり、わんやがむきになって怒るというスタイルで人気を博した。また警察官と役人出身という二人とも変わった経歴の持ち主だった。

[編集] 来歴

1952年（昭和27年）にコンビを結成、芸名は獅子文六のベストセラー小説「てんやわんや」にあやかって名付けた。国電大塚駅前の天租神社の夏祭りで初舞台を踏み、その後は地方巡業で着々と実力をつけていく。1956年（昭和31年）に産経新聞社主催の若手漫才コンクールに「国定忠治」というネタで一位となり、翌年には第1回NHK漫才コンクールに「世界旅行をかえりみて」というネタで優勝、一躍、押しも押されもせぬ人気漫才師となる。まじめで人柄の良さから、漫才界の優等生といわれ、その正統派漫才は関西のいとし・こいしと双璧となる。また「ひよこネタ」や1966年（昭和41年）からはじまったTBSの「家族そろって歌合戦」の司会で大人気を博した。1967年（昭和42年）に第7回日本放送作家協会大衆芸能賞を受賞、フジテレビの放送演芸大賞を二度受賞し、人気も実力もナンバーワンとなった。1987年（昭和62年）にわんやが病で倒れてからは、コンビ活動は休止。その後、わんやの死去によりコンビは解消となった。

[編集] メンバー

獅子てんや（ししてんや、1924年（大正13年）6月25日 - ）東京府荏原郡平塚村（現・品川区）下蛇窪生まれ、本名：佐々木久雄（ささきひさお）

1934年に川崎に転居、1937年に高等小学校を中退し、東京市芝区三田の電機製品工場に就職する。戦時中は豊島区池袋の軍需工場に勤務し、1943年、19歳のときに海軍に志願。横須賀海兵団に入隊後は霞ヶ関の海軍航空隊に入隊する。終戦を迎えてからは警察官を志願、1945年に原宿警察署の巡査となり、丸の内警察署の巡査を経て国家警察予備隊（自衛隊の前身）の分隊長に就く。1950年に柔道による怪我で休職中に漫才を見たことがきっかけで漫才師の道を目指し、戦後、人気絶頂だった内海突破に弟子入りする。わんやの死後は芸能界を引退、妻の勧めから在家仏教協会に所属し、講演活動を行っている。

瀬戸わんや（せとわんや、1926年（大正15年）3月10日 – 1993年（平成5年）2月10日）大阪市南区（現・中央区）生まれ、本名：妹尾重夫（せのおしげお）

1940年に高等小学校を卒業した後は、大阪市役所の給仕をしながら、夜間は関西工業学校に通う。1943年に繰り上げ卒業する。1952年にそれまでの役人生活から心機一転し、漫才師を目指し、内海突破に弟子入り。すでに入門していた獅子てんやとコンビを組む。1987年からは持病だった糖尿病の悪化で体調を崩し、芸能界から遠のいていた。1993年に脳梗塞で死去、享年66。