環状アデノシン一リン酸
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環状アデノシン一リン酸(かんじょうアデノシンいちリンさん; cyclic AMP, cAMP, 環状AMP, 3'-5'-アデノシン一リン酸)は、アデノシン三リン酸 (ATP) から合成され、リボースの 3', 5' とリン酸が環状になっている分子。
cAMPは、グルカゴンやアドレナリンといったホルモンの伝達の様な細胞内シグナル伝達においてセカンドメッセンジャーとして利用される。細胞膜を通り抜ける事はできない。その主な作用はタンパク質リン酸化酵素(タンパク質キナーゼ)の活性化で、これはイオンチャネルを通して、Ca2+の通過を調節する事にも使われる。
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[編集] cAMPの合成と分解
cAMPはアデニル酸シクラーゼ(adenylate cyclase)によってATPから合成される。アデニル酸シクラーゼは細胞膜に位置する。これはホルモンのグルカゴンとアドレナリンやGタンパク質により活性化される。肝臓アデニル酸シクラーゼはグルカゴンにより強く反応し、筋肉アデニル酸シクラーゼはアドレナリンへより強く反応する。
AMPへのcAMP分解は酵素、ホスホジエステラーゼにより触媒される。この酵素はカフェインによって抑制され、この薬物の刺激作用はcAMP水準の上昇を引起す。
[編集] cAMPの作用
[編集] タンパク質キナーゼ活性化
環状AMPは幾つものタンパク質キナーゼと関係している。例えば、PKA(タンパク質キナーゼA、cAMP依存タンパク質リン酸化酵素としても知られる)は普通は四量体ホロ酵素として不活性で、それは2つの触媒ユニットと2つの調節ユニットからなり(C2R2)、調節ユニットが触媒ユニットの触媒中心をブロックしている。
環状AMPはそのタンパク質リン酸化酵素の調節ユニットの特定の部位へ結合して、調節ユニットと触媒ユニットの分離を行って、これにより触媒ユニットはその基質タンパク質のリン酸化ができるようになる。
[編集] グリコーゲン分解調節
cAMPはグリコーゲンのグルコースへの分解や脂肪分解など多くの生物学的過程をコントロールする。
[編集] 微生物におけるcAMPの役割
微生物では、cAMPはグルコースの細胞内水準の少ない時に産生される。これがグルコースを供給する酵素やグルコース以外の糖を資化する酵素の産生を活性化する(ラクトースオペロンカタボライト抑制の項を参照)。
[編集] 参照
- 環状グアノシン一リン酸(Cyclic guanosine monophosphate,cGMP)
- 新陳代謝
カテゴリ: 生物学関連のスタブ項目 | 生化学