短音階
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短音階 (たんおんかい) とは、全音階の一種で、ii度音(音階の下から数えて2番目の音)とiii度音、v度音とvi度音の間が半音である。もっとも基本的な短音階は左記のような自然的短音階である。これ以外には、和声的短音階、旋律的短音階が存在する。
一般的に、短音階は、陰気、悲しさといった感情を励起するが、絶対的なものではない。例えばユーロビートなどは短音階で作られる曲が多いが、テンポが速いため、陰気さはあまり感じられないことが多い。
[編集] 和声的短音階
自然的短音階では、主音直下の音階構成音(vii度音)が全音下の音になるため、その音から上行して主音に行っても終止感が乏しい。それを改善するため、このvii度音を半音上げて、主音のすぐ半音下の音としたもの。自然的短音階の素朴な物悲しさに比べ、より「短音階らしく」なる。vi度音とvii度音の間隔が増二度となりメロディとしては少々不自然であるといわれる。
[編集] 旋律的短音階
和声的短音階の不自然さを補うため、vii度音に加えてvi度音も半音上げた音階である。ただ、下降時は一般にvi度音、vii度音とも半音増が解除され、自然的短音階と同じになる(実際にはそのときに使われる和音の構成音により解除されない場合もある)。