禎子内親王

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禎子内親王（ていし（よしこ・さだこ）ないしんのう、長和2年7月6日（1013年 8月15日） - 寛治8年1月16日（1094年 2月3日））は、第67代三条天皇の第三皇女。母は摂政藤原道長女・中宮妍子。第69代後朱雀天皇皇后。院号は陽明門院。子女は尊仁親王（後三条天皇）、伊勢斎宮良子内親王、賀茂斎院娟子内親王。

長和2年（1013年）10月、内親王宣下を受ける。同4年（1015年）着袴、准三宮。治安3年（1023年）上東門院にて着裳、一品に叙される。万寿4年（1027年）、皇太子敦良親王（後朱雀天皇）に入内。長元9年、後朱雀天皇即位。同10年（1037年）2月、中宮に冊立されるも、3月嫄子（藤原頼通養女）の立后で皇后に。寛徳2年（1045年）後朱雀天皇崩御、尊仁親王立太子。同年7月出家。永承6年（1051年）皇太后。治暦4年（1068年）、後三条天皇即位で太皇太后。同5年（1069年）院号宣下、以後陽明門院と称される。寛治8年（1094年）疱瘡で崩御、享年82。

禎子内親王の誕生は祖父道長と父三条天皇の間がしっくりいかない最中のことであり、それだけに皇子誕生で関係改善を期していた道長は女御子であったことに不機嫌であった。しかし三条天皇はこの末の皇女に非常に愛情を注ぎ、道長も後にはその外孫にふさわしく遇して、着裳の際には伯母の太皇太后彰子が腰結いの役をつとめている。また叔母の東宮妃嬉子の死後、当時他に叔父教通の娘がいながら、道長の意向で禎子内親王が皇太子へ入内したことからも、道長一族の一人として大切にされていた様子が伺える。

しかし後朱雀天皇の即位にあたり、伯父の関白頼通が養女嫄子を入内させて中宮に冊立した頃から、禎子内親王と摂関家の関係は急速に悪化していったらしい。頼通や教通らが次々と娘達を入内させる一方で、皇后でありながら内親王は殆ど宮中入りすらままならず、そんな内親王を陰で支えたのは頼通・教通らの異母弟能信であった。皇后大夫でもあった彼の働きで、禎子内親王所生の尊仁親王は異母兄後冷泉天皇の皇太子となる。その後も関白らに冷遇され続けながらも、後冷泉が嗣子なくして崩御したため晴れて後三条天皇が即位、禎子内親王も今や国母陽明門院として、かつての上東門院彰子にも劣らぬ影響力を持つに至った。そののち後三条は在位5年余りで譲位・崩御したが、陽明門院は忘れ形見の孫娘篤子内親王を養女として愛育するようになる。

だが、後三条の後を継いだ白河天皇が父である後三条の遺命に背いて、自分の異母弟達を皇位継承から排除して我が子善仁親王（後の堀河天皇、陽明門院からみれば曾孫にあたる）への譲位を強行した。これに陽明門院が激怒して一時両者の間が疎遠となる。だが、白河上皇もいつまでも実の祖母と仲違いを続ける訳にはいかず、篤子内親王を堀河天皇に入内・立后させた。これを見届けて安心したのか、陽明門院は間もなくこの世を去った。