秘密警察
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秘密警察(ひみつけいさつ)は、反体制分子や海外からのスパイなどを専門に扱ういわゆる政治警察のことである。
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[編集] 概要
通常の刑事犯罪を取り締まる刑事警察や、交通取締をする交通警察とは異なり、市民の中にまぎれ、政府に不満を持つ組織の監視をするのが重要な任務のひとつとなるので、通常は私服で市民と見分けがつかない。そのため、政治警察はその秘密めいた活動から、秘密警察と一般に言われている。通常は自ら秘密警察と名乗ることは少ないが、ナチス・ドイツのゲシュタポのように、組織が自ら名乗っている場合も少数例ではあるが存在する。また、組織の存在自体は公然のものであってもその活動内容が一般にはほとんど知らされていない(知られてはならない)ことも「秘密」警察と呼ばれる一因であると考えられる(ゲシュタポも特別高等警察も組織の存在自体は公然のものである)。
通常の犯罪を取り締まるのは刑事警察であり、刑事警察はそのための権力を与えられている。ところがその刑事警察が犯罪を犯した場合や、その中に政府転覆を図る組織の一員が入り込んだ際など、一般市民と異なり対応が難しいことが多い。そのため、刑事警察を監視・取締りするのが主目的の組織として設置されることが多い。現在多くの国々でもそういった機関として存在する。一般市民を取り締まる刑事警察と異なり、犯罪の知識があるプロフェッショナルを相手にするため、それを超えたさまざまなノウハウ、テクニックを持っている。その技術はそのまま敵国のスパイや革命を目指す地下組織、テロリスト相手に適用できるため、そういった分野も担当している(むしろこちらの分野の活動のほうが目立つため、一般にはこちらが主と思われることが多い)。ただし、国によって組織構造が違うため、一律にこれが秘密警察と分類するのは難しい。
独裁政権下などで体制を固める必要があるとき、また戦時下などで、敵国に支援された反体制組織の活動が活発なときには、特にこの秘密警察の治安維持活動が重要になり、強い権力を持つ。ナチスドイツのゲシュタポや、戦前・戦時中の日本の特高警察、冷戦時代の東側諸国に存在した諜報組織がその代表である。尋問の際に拷問を用いて自白を強要するなど、過激な行為が伝わっている。また、実際に暴力をもって政府を倒す行為及びその準備による摘発の他、容疑者の友人・知人との会話における反体制的な発言も捜査の対象とされた。
通常の犯罪は、犯罪が起こったことに対して捜査、逮捕を行い、証拠がない疑わしきに関するものは罰せずという方針が基本だが、スパイ活動やテロ対策などは、事が起こってからでは遅く、また証拠が少ない(対象者は証拠を残さない)ものが多い。このような犯罪を相手にしているため、疑わしいものというだけで捜査対象となることが多く、冤罪も多数発生しやすい。事実、過去には多く発生している。
[編集] 代表的な秘密警察
- ナチスドイツ:ゲシュタポ
- 大日本帝国:特別高等警察(特高警察)
- 旧ソ連:チェーカー、ゲーペーウー (GPU) 、ソ連国家保安委員会 (KGB)
- 帝政ロシア:皇帝官房第三部、ロシア帝国内務省警察部警備局(オフラーナ)
- 北朝鮮:国家安全保衛部
- 韓国:韓国中央情報部(KCIA)(後:国家安全企画部、現:国家情報院)
- 旧東ドイツ:シュタージ(国家保安省)
- ルーマニア:セクリタテア
- デュバリエ政権下のハイチ:トントン・マクート
- アメリカ合衆国:シークレットサービス、連邦捜査局国家保安部
- アフガニスタン:アフガニスタン国家保安省(ハード)。共産政権下の秘密警察
[編集] 関連項目
[編集] 秘密警察 (音楽)
原題 Der Kommissar。1981年に発売されたファルコの曲だが、1982年にアフター・ザ・ファイアーがカヴァーし、(オリジナルはドイツ語だが英語に直した)大ヒットした。また、オリジナルも続けてヒットした。なお、アフター・ザ・ファイアーはその後ヒット曲はなく、いわゆる一発屋になった。