秩父鉄道デキ200形電気機関車
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[編集] 概要
東京オリンピックの前年、1963年(昭和38年)に建設ラッシュでセメント需要が増加したことから3両(デキ201~203)を日立製作所で新製したものである。出力をデキ100形の200kW×4から230kW×4に増強。定格引張力も9440kgに増し、制御ノッチも多段式になっている。台車はL型軸梁式の片押しブレーキ方式という独特な構造である。車体はデキ100形と同様の前面に貫通扉を設けたデッキ付きの箱形車体であるが、丸みが増して、前面窓が上下方向に小さくなり、窓上にひさしがついた。また、前照灯が2灯になっており、大型のライトケースに収められて貫通扉の上部に取付けられている。この前照灯は当初は白熱灯であったが、のちにシールドビームに変更されている。
貨物輸送量の減少により、デキ202・203が2000年(平成12年)6月30日付けで廃車になり、中部国際空港建設用埋立土砂輸送にともなう補機用として三岐鉄道に譲渡された。秩父鉄道に残ったデキ201は、「パレオエクスプレス」用の12系客車と同じ塗装(深緑に金色帯)に変更され、二代目パレオエクスプレスサポート機関車になった。現在は、パレオエクスプレスの広瀬川原駅(熊谷工場)~熊谷間の牽引(回送)や貨物列車の牽引が主な用途である。
三岐鉄道に移った2両は、2000年7月に竣功し、秩父鉄道時代の形式番号(デキ200形・202,203)、塗色のまま、主に三岐線東藤原駅にある太平洋セメント東藤原工場内の入換用に使用されている。本形式は、重連総括制御装置やATSを装備していないため、原則として本線運用に就くことはない。
[編集] 主要諸元
- 全長:12600mm
- 全高:3955mm
- 全幅:2727.8mm
- 機関車重量:50.00t
- 電気方式:直流1500V(架空電車線方式)
- 軸配置:B-B
- 台車形式:鋼板溶接枠
- 主電動機:HS-277Dr×4基
- 歯車比:18:73=1:4.05
- 1時間定格出力:920kW
- 1時間定格引張力:9440kg
- 1時間定格速度:
- 動力伝達装置:1段歯車減速、吊り掛け式
- 制御方式:2段組合せ制御、抵抗制御
- 制御装置:電磁空気単位スイッチ式
- ブレーキ方式:EL14A空気ブレーキ、手ブレーキ
[編集] 関連項目
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