第3宮古島台風
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第3宮古島台風 | |
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発生期間: | 1968年9月17日 6:00 ~9月25日 12:00 |
寿命 | 8日6時間 |
最低気圧: | 930 hPa |
最大風速: (気象庁解析) |
55 m/s |
最大風速: (米海軍解析) |
120 knot |
被害総額: | - |
死傷者数: | 死者11名、負傷者80名 |
被害地域: | 宮古島(沖縄県) |
第3宮古島台風(だい2みやこじまたいふう)は、1968年9月に宮古島付近を通過して大きな影響を与え、その後鹿児島県に上陸して西日本に大雨をもたらした台風である。宮古島では、1966年に第2宮古島台風に襲われたばかりであった。正式名称は台風196816号、国際名はDELLA。
目次 |
[編集] 概要
- 1968年9月12日、サイパン島の東海上で熱帯低気圧発生。
- 9月17日、沖ノ鳥島の南南東の海上で台風16号となった。
- 9月22日、宮古島付近を通過した。この日、宮古島の南南東約250kmの海上で最も発達し、中心気圧930ヘクトパスカル、最大風速55m/sに達した。
- 宮古島では、最低海面気圧942.5ヘクトパスカル、最大風速54.3m/s、最大瞬間風速79.8m/s(日本の観測史上3位)を観測した。
- 9月24日、鹿児島県串木野市付近に上陸した。上陸直前の中心気圧は955ヘクトパスカルであった。
- 台風は、上陸後急速に勢力が衰え、長崎県西方海上で熱帯低気圧に変わった。上陸後は、佐賀県から長崎県にループ状に向きを変えるといった、9月下旬の台風としては異常経路であった。
- 台風の北上に伴って、西日本の南海上にあった前線の活動が活発となった。停滞前線の活動は、台風が衰えた後も活発だった。九州・四国地方では、9月23日から27日にかけて記録的な大雨となった。三重県尾鷲市では806.0mmの日降水量を観測したが、これは、従来の記録684mm(1945年6月6日)を更新する記録であった。
気象庁は、台風16号を「第3宮古島台風」と命名した。
最大瞬間風速 | ||||||
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順位 | 正式名称 | 国際名 | 最大 瞬間 風速 (m/s) |
風向 | 観測年月日 | 観測地点 |
1 | 196618号 (第2宮古島台風) |
CORA | 85.3 | 北東 | 1966年9月5日 | 宮古島 (沖縄県・気象官署) |
2 | 196118号 (第2室戸台風) |
NANCY | 84.5 | 西南西 | 1961年9月16日 | 室戸岬 (高知県・気象官署) |
3 | 196816号 (第3宮古島台風) |
DELLA | 79.8 | 北東 | 1968年9月22日 | 宮古島 (沖縄県・気象官署) |
4 | 197009号 | WILDA | 78.9 | 東南東 | 1970年8月13日 | 名瀬 (鹿児島県・気象官署) |
5 | 196523号 | SHIRLEY | 77.1 | 西南西 | 1965年9月10日 | 室戸岬 (高知県・気象官署) |
6 | 194516号 (枕崎台風) |
- | 75.5 | 南南東 | 1945年9月17日 | 細島 (宮崎県・燈台) |
7 | 200314号 | MAEMI | 74.1 | 北 | 2003年9月11日 | 宮古島 (沖縄県・気象官署) |
8 | 195612号 | EMMA | 73.6 | 南 | 1956年9月8日 | 那覇 (沖縄県・気象官署) |
9 | 196420号 | WILDA | > 72.3 | 西 | 1964年9月25日 | 宇和島 (愛媛県・気象官署) |
10 | 199413号 | DOUG | 70.2 | 南東 | 1994年8月7日 | 与那国島 (沖縄県・気象官署) |
気象庁命名台風 | ||
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気象庁命名 | 正式名称 | 国際名 |
洞爺丸台風 | 台風195415号 | MARIE |
狩野川台風 | 台風195822号 | IDA |
宮古島台風 | 台風195914号 | SARAH |
伊勢湾台風 | 台風195915号 | VERA |
第2室戸台風 | 台風196118号 | NANCY |
第2宮古島台風 | 台風196618号 | CORA |
第3宮古島台風 | 台風196816号 | DELLA |
沖永良部台風 | 台風197709号 | BABE |
[編集] 被害状況
- 死者11名、負傷者80名
- 住家損壊5,715棟
- 住家浸水15,322棟
- 耕地被害2,747ha
- 船舶被害85隻