箱根登山鉄道1000形電車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
箱根登山鉄道1000形電車(はこねとざんてつどう1000がたでんしゃ)は、箱根登山鉄道が保有する直流電車である。箱根登山鉄道と姉妹提携を結ぶスイスのレーティシェ鉄道のベルニナ線にちなんで、ベルニナ号の愛称がある。
1982年(昭和57年)に鉄道友の会ブルーリボン賞を受賞した。
目次 |
[編集] 概要
46年ぶりの新車として1981年(昭和56年)に第1編成(クモハ1001-クモハ1002)が川崎重工業で落成した。路線の条件から抵抗器を屋根上部に搭載した関係で、冷房装置は搭載されず、代わりに客室内に横流ファン(ラインデリア)を設置した。電気指令式ブレーキを採用し、客用ドア間の座席に転換クロスシートを装備したカルダン駆動の高性能車である。1983年(昭和58年)に老朽車の置き換えとして第2編成(クモハ1003-クモハ1004)が増備された。
当初は小田急電鉄ロマンスカー3000形 (SE) ・3100形 (NSE) に合わせた塗装(モハ1形・2形は現在もこの塗装)であったが、1989年(平成元年)に10000形 (HiSE) に合わせた塗装に変更された。さらに2002年(平成14年)には第2編成が2000系と同様にスイス・レーティシェ鉄道の車両風の塗装に変更され、第1編成も後述する冷房改造時に変更されたので、現在の塗装は3代目である。
2004年(平成16年)2月に第1編成、4月に第2編成が以下の改造を受けた。
- 2000系と同様の床置き式冷房装置を搭載した。冷房電源を供給するために中間にモハ2200形を組み込んだ。
- 連結面側は2枚窓非貫通構造だったが、2000系同様の非常用貫通扉を設置した。
- 正面の行先表示器を幕式からLED式に交換した。
- 客用扉の室内側上部にドアチャイムとLED式車内案内表示器を設置した。
- 客用ドア間座席の固定クロスシート化および内装の更新。
[編集] 運用
従来は小田原駅~箱根湯本駅間でも使用されていたが、2006年(平成18年)3月18日改正より営業運転で箱根湯本駅以東に乗り入れることがなくなった。ただし、鉄道線の車両基地への入出庫の関係で入生田駅~箱根湯本駅間は回送運転で走行する。
[編集] 車両諸元
- 車体 全鋼製 2軸ボギー電車 片側2扉
- 全長 14,660mm
- 全幅 2,580mm
- 全高 3,953mm
- 制御方式 抵抗制御
- 駆動方式 中空軸撓み接手 平行カルダン
- 座席 セミクロスシート
[編集] 在籍車両
2007年(平成19年)現在は1001,1002,1003,1004の4両が在籍し、以下の編成で運行される。
- 1001-2201-1002
- 1003-2202-1004
カテゴリ: ブルーリボン賞 (鉄道車両) | 鉄道関連のスタブ項目 | 日本の電車 | 箱根登山鉄道