聖マッスル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
![]() |
ウィキポータル |
日本の漫画作品 |
日本の漫画家 |
漫画原作者 |
漫画雑誌 |
カテゴリ |
漫画作品 |
漫画 - 漫画家 |
プロジェクト |
漫画作品 - 漫画家 |
『聖マッスル』(せんとまっする)はふくしま政美画、宮崎惇原作の肉体をテーマにした少年漫画である。
目次 |
[編集] 概要
1976年32号-1977年1号迄少年マガジンに連載された。
荒廃した世界で記憶をなくした主人公が旅をしながら悪と戦う、格闘漫画の原典とも言える作品。
少年誌において、劇画が主役の時代が幕を閉じようとしていた1976年に本作の連載は始まった(本作の連載が始まって程なくして『愛と誠』の連載は終了する)。「漫画エロトピア」に連載していた『女犯坊』の絵に魅せられた編集者の情熱により鳴り物入りで本作の連載が始まった。荒廃した世界、そこに君臨する黒の帝王、人物の描写など、某漫画に共通する点が多く、その後の格闘漫画に本作が与えた影響は連載当時の人気や今日の知名度に比べて多大とされる。
[編集] ストーリー
本作はふくしまの描きたい絵に重きをおいており、ふくしまのイメージを編集者に口伝えで伝えられた原作者がそれに沿ったストーリーを考えるという斬新な手法によって描かれている。本作のハイライトシーンは全てふくしまが初めからイメージしていたものである。
暖かな日差しの中蝶の舞う美しい花畑で目覚めた主人公は自分の記憶が失われていることに気付き、自分を知る者を探し辺りを彷徨う。そしてある都市にたどり着くが、そこは人間を模った像のみで作られた街や城が聳える都市だった。
[編集] 評価
通常、数度の読み切りの後、読者の支持を得た作家の連載を始めるという習わしが漫画雑誌にある。だが、本作については、一足飛びに連載が始まっている。2週に渡りインパクトのある(主人公の尻のアップなど)予告を載せ、編集部、作者とも意欲満々だったが、いざ始まってみると人気は最下位、その後、軌道修正を余儀なくされるも人気の上がる兆しのないまま作者の意向により連載は未完のまま終了することとなった。しかしながら知る人ぞ知る怪作として長らく不遇の時代を過ごしてきた本作は、サブカルチャー誌「クイックジャパン」での大泉実成によるレポート等を経た復刻により(3万部のヒットを記録)その評価を一変することになる。今日では本作が劇画から格闘漫画にいたるミッシングリンクにあたり、格闘漫画の原点とする声もある。さらに現在読むとギャグのように見られる本作の過剰な演出が主人公の主観を通して描かれているためのものであり、その手法はその後の格闘漫画のみならずギャグ漫画に受け継がれているとも言える。
太田出版による復刊の後、講談社より文庫版が発売され、現在ゴマブックスより上下巻に分かれた単行本が出ている。
[編集] 登場人物
主人公(聖マッスル)
記憶を無くし旅を続ける筋骨隆々の男。第1話より物語中盤まで全裸である。
巨人王
聖マッスルのライバルであり友でもある本作最強の人物。サルでも描けるまんが教室の登場人物のモデルである。