西村キヌ
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西村 キヌ (にしむら きぬ、1969年 - )は、日本のイラストレーター・キャラクターデザイナー・ゲームクリエイター。株式会社カプコン専属のデザイナーである。兵庫県出身。血液型A型。女性。
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[編集] 人物
中学1年生のとき、湖川友謙が描いた『戦闘メカ ザブングル』の水彩タッチのイラストに影響を受け、中学2年で「何かしら絵に関する仕事がしたい」と志す。京都造形芸術短期大学芸術学部日本画科在学中に、安田朗が描いた『ファイナルファイト』や『マジックソード』のイラストに感銘を受け、ゲーム業界に興味を持つことになる。
大学卒業後の1991年に株式会社カプコンに入社。同社デザイン室発足時から数々のタイトルに関わっており、ゲームの販促用イラストおよびキャラクターデザインを担当。特にストリートファイターシリーズは西村にとって印象深い作品であるという。女性画家とは思えぬ力強い筋肉描写と、フォトショップを使った透明水彩を思わせるタッチが定評を得ている。ペンネームの由来は祖母の名前から。愛称はキヌ先生。
カプコン専属のデザイナーであるが、最近では他社の作品も手掛けており、幅広いデザイナー活動を行っている。
[編集] 来歴
- 4月、株式会社カプコン入社。アーケード制作部オブジェ課に配属。(※主にプレイヤーキャラクターを制作する部署。これに対し背景を制作するのがスクロール課)
- 『ザ・キングオブドラゴンズ』のモンスターイラストを担当。のちにSFC版取扱説明書に掲載された。
- 『マッスルボマー』に登場するラッキー・コルト(プレイヤーキャラ)のドット画を制作。
- 1月、同社デザイン室に転属。
- 『バース』でキャラクターデザインを担当。(※ただし同キャラクターは販促用イラストのみで、ゲーム中には登場しない)
- 『ストリートファイターIIダッシュ』の販促用イラストを担当。月刊ゲーメストに掲載され、アーケードゲーマーの間で話題になる。
- 『ストリートファイターIIダッシュターボ』のメインイラストを担当。のちにSFC版のパッケージにも使用された。
- 『スーパーストリートファイターII』のメインイラストを担当。
- 『スーパーストリートファイターIIX』の販促用イラストを担当。鉛筆画によるタッチが定評を得た。
- 『パワードギア』でキャラクターデザインを担当。ゲーム中に登場するキャラクターとしては初のデザインとなった。(※ただしメカは他のデザイナーによる)
- 『パワードギア』の続編となる『サイバーボッツ』でキャラクターデザインを担当。ゲーム中に登場する全キャラクターをデザインした。のちに発売されたセガサターン版限定BOXには西村キヌによるオリジナル漫画も同梱された。
- 『ストリートファイターIII』の販促用イラストおよびゲーム中デモイラストを担当。月刊ゲーメストムックVol.81「ストリートファイターIIIファンブック」で寺田克也と対談。
- 「ゲーメストワールドVol.24」にて[カプコンデザインチーム・特別集中講座]が掲載。講師を務めた。
- 恋愛シミュレーションゲーム『ときめきレクイエム(仮)』を原案企画するが没となり、幻の作品となった。同企画は「主人公の女の子となり、お目当ての彼氏をゲットする」という、コナミ『ときめきメモリアル』のいわゆる女版であった。
- 『ガイアマスター~神々のボードゲーム』のキャラクターデザインを担当。ゲーム中に登場するキャラクターバストアップのドット絵も制作した。
- メーカー間の壁を越えたプロジェクト『CAPCOM VS. SNK MILLENNIUM FIGHT 2000』のメインイラストを担当。SNKのイラストレーター森気楼(当時)と合作イラストを発表。SNKのゲームキャラクターを描き話題となった。
- 社外の仕事として初めてサンライズのアニメ『OVERMANキングゲイナー』に参加。ゲイン、コナ、ミイヤなどのキャラクターおよび衣装デザイン、販促用イラストなどを担当した。
- 月刊ニュータイプ誌2002年9月号にて小説「OVERMAN KING GAINER」(富野由悠季著)が連載開始され、挿絵を担当した。(※2003年2月号まで全6話)
- 東京、大阪、名古屋、広島の4会場でストリートファイター原画展を開催。大阪会場では森気楼、イケノ、水戸椎土らカプコンデザインチームの面々がトークショーに出演する中、西村キヌだけ声のみで出演した。同イベントで版画『Girl-Fighting』を発表。版画の即売会も行われた。
- シースリー2003にて版画『歴史の天使』を発表。
- イラストレーターで大学教授でもある井上直久に誘われ成安造形大学で特別講演を行う。
- 講談社ノベルス『新本格魔法少女りすか』(著:西尾維新)の連載開始。キャラクターデザインおよび小説挿絵を担当。
- YAMATO社から『カプコンフィギュアコレクション:西村キヌ』が発売(オリジナルカラー6種&リペイントカラー6種、計12種)。
- マックスファクトリー社から『西村キヌコレクション:GIRL-FIGHTING』が発売(春麗、さくら、キャミィ、計3種)。
- キャラクターデザインを担当していたアーケードゲーム『WAR of the GRAIL』の開発が中止され、幻の作品となった。尚、開発中止される直前に月刊アルカディアにキャラクターイラストが掲載された。
- アイディアファクトリー『カオスウォーズ -CHAOS WARS-』の描き下ろしポスターを担当。同ゲームはアイディアファクトリー、アトラス、アルゼなどのゲームキャラクターが登場するシミュレーションRPG。
- マックスファクトリー社から『西村キヌコレクション』シリーズとして、「カプコン vs SNK 2版・不知火舞」をリリース。
[編集] 作品リスト
※特に出版社名などが表記されていないものは株式会社カプコンから発売されたものです。
- 1992年 『ストリートファイターIIダッシュ』(販促用イラスト)
- 1992年 『バース』(販促用イラスト)
- 1992年 『ストリートファイターIIダッシュターボ』(メインイラスト、販促用イラスト)
- 1993年 『マッスルボマー』(プレイヤーキャラクターのドット画制作)
- 1993年 『スーパーストリートファイターII』(メインイラスト)
- 1994年 『スーパーストリートファイターIIX』(販促用イラスト)
- 1994年 『パワードギア』(キャラクターデザイン、販促用イラスト)
- 1995年 『サイバーボッツ』(キャラクターデザイン、販促用イラスト)
- 1996年 『ダンジョンズ&ドラゴンズ2 シャドーオーバーミスタラ』(キャラクターデザイン、販促用イラスト)
- 1997年 『ストリートファイターIII』(メインイラスト、販促用イラスト、ゲーム中デモ原画)
- 1997年 『ストリートファイターIII 2nd IMPACT』(メインイラスト、販促用イラスト、ゲーム中デモ原画)
- 2000年 『ガイアマスター~神々のボードゲーム』(キャラクターデザイン、メインイラスト、販促用イラスト)
- 2000年 『CAPCOM VS. SNK MILLENNIUM FIGHT 2000』(メインイラスト、販促用イラスト)
- 2000年 『ガンスパイク』(キャラクターデザイン、販促用イラスト)
- 2000年 スタジオベントスタッフ『ALL ABOUTカプコン対戦格闘ゲーム1987‐2000』(表紙イラスト)
- 2001年 『CAPCOM VS. SNK 2 MILLIONAIRE FIGHTING 2001』(販促用イラスト)
- 2001年 エンターブレイン『カプコンデザインワークス』(表紙イラスト)
- 2002年 サンライズ『OVERMANキングゲイナー』(キャラクター衣装デザイン、販促用イラスト)
- 2003年 『Girl-Fighting』(版画)
- 2003年 『歴史の天使』(版画)
- 2003年 角川書店『ガンダムエース特別号 5月号増刊 - アムロ・ホワイトベースクルー』(折込イラスト)
- 2004年 講談社MOOK『ファウスト Vol.3』(表紙イラスト)
- 2004年 講談社MOOK『ファウスト Vol.4』(表紙イラスト)
- 2004年 講談社ノベルス『新本格魔法少女りすか1』(キャラクターデザイン、小説挿絵)
- 2004年 角川書店『特撮エースNo.005 - 救急戦隊ゴーゴーファイブ』(ピンナップ用イラスト)
- 2004年 『ヴァンパイア クロニクル ザ カオスタワー』(パッケージイラスト)
- 2005年 講談社ノベルス『新本格魔法少女りすか2』(キャラクターデザイン、小説挿絵)
- 2006年 『WAR of the GRAIL』(キャラクターデザイン、販促用イラスト)※開発中止
- 2006年 アイディアファクトリー『カオスウォーズ -CHAOS WARS-』(描き下ろしポスター)
- 2007年 講談社ノベルス『新本格魔法少女りすか3』(キャラクターデザイン、小説挿絵)
- 2007年 『ヴァンパイア グラフィックファイル』(表紙イラスト)
[編集] 関連
[編集] 外部リンク
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