警告試合
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警告試合(けいこくじあい)は野球用語の一つ。特に日本プロ野球において報復行為、またはそれによる乱闘行為などを未然に防ぐため、死球など危険なプレーを行った選手とそのチームの監督を退場させることが出来る試合を指す。
[編集] 概説
試合中のプレーによって乱闘、または乱闘に至らなくても両チームの選手による睨み合いなどが起こる、または危険球を投じたことにより、その後相手球団による報復行為が行われる可能性があるときなどに、審判団が宣言する。警告試合の宣言後は、報復行為だと審判が判断したら理由の有無問わず対象選手、または該当球団の監督に退場を宣告することができる。特に死球の場合は回数や当たった場所に関わらず退場させることができる。
なお、これはプロ野球のルールブックには記載されておらず、セントラル・リーグとパシフィック・リーグのアグリーメント(いわゆる申し合わせ事項)にそれぞれ記載されている。
[編集] 事例
- 1998年8月2日 阪神タイガース-読売ジャイアンツ(阪神甲子園球場)
- 8月2日の試合は3連戦の3試合目であったが、7月31日の初戦では巨人のバルビーノ・ガルベスが球審の橘高淳にボールを投げつけて翌日にシーズン残り試合の出場停止処分を受け、すでに波乱含みの展開になっていた。この試合でも阪神の吉田豊彦が巨人・高橋由伸へ死球を与え、巨人打撃コーチの武上四郎が阪神・矢野輝弘を突き飛ばすなどして乱闘になり武上が退場。その後巨人・槙原寛己が矢野に死球を与え、再び乱闘となった。これを報復行為と受け取った阪神守備走塁コーチの大熊忠義が槙原に飛び蹴りを浴びせ退場となった時点で、「セ・リーグ アグリーメント」に基づき警告試合を宣告した。なお、巨人監督の長嶋茂雄は次の日に頭を丸めたが、これはガルベスの暴挙と相次いだ乱闘の責任を取ったとされている。
- 2005年5月15日 西武ライオンズ-読売ジャイアンツ(インボイスSEIBUドーム・セ・パ交流戦)
- 5月13日・14日の同カードの試合では、2戦合わせて6個の死球を出した。特に2戦目では最後に西武・和田一浩への死球で巨人のタフィ・ローズと西武のホセ・フェルナンデスが睨み合うなど、険悪なムードを残して試合を終えたため、審判団が15日の試合を「パ・リーグ アグリーメント」に基づいて警告試合とした。