警察庁長官
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警察庁長官(けいさつちょうちょうかん 英語Commissioner General)は警察庁の長たる警察官である。その地位については警察法(昭和29年6月8日法律第162号)第16条第2項に規定があり、国家公安委員会の管理に服し、警察庁の庁務を統括し、所部の職員を任免し、及びその服務についてこれを統督し、並びに警察庁の所掌事務について、都道府県警察を指揮監督する。
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[編集] 地位
警察庁長官は、警察庁の庁務を統括する国家公務員の警察官であり、警察法第62条では例外的に警察官の階級制度を適用されていない。任免は、同法第16条第1項で、国家公安委員会が内閣総理大臣の承認を経て行うという特殊な形態となっている。
警察庁長官は、行政官僚の実質的な最高意思決定機関である事務次官等会議のメンバーであり、また同法第76条第2項で検事総長と常に緊密な連絡を保つものとされる。
[編集] 国家公安委員会の管理権
警察法第15条により、警察庁は国家公安委員会に設置され、その管理下に置かれている。これは、中央行政機関でありながらも、国家の治安維持に関わる責務を負う警察の中立性を保つためとされ、通常、国家公安委員会以外の機関から監督を受けることはない。司法警察活動に際し、個別の警察官は刑事訴訟法の規定に基づき一定の指揮を検察官から受けることがあるが、警察官は正当な理由がある場合には、この検察官の指揮に従う必要はない。この時、検事総長、検事長又は検事正は、国家公安委員会が懲戒権限を持つ者、つまり国家公務員たる警察庁警察官に対する懲戒の訴追を国家公安委員会に行うことが認められている(刑事訴訟法第194条)が、検事総長、検事長又は検事正自身には懲戒権限はないため、この正当性の判断や必要性等は国家公安委員会が独自に判断することとなっている。これも警察庁を他の機関からの不必要な干渉を避けるためのものとも解せる。
[編集] 緊急事態の特別措置
平時において、警察庁は、国家公安委員会以外の管理監督は受けないが、警察法第71条の規定により内閣総理大臣が国家公安委員会の勧告に基づき、全国または一部の区域について緊急事態の布告を発した場合、同法第72条により内閣総理大臣は一時的に警察を統制し、その緊急事態を収拾するため必要な限度において、長官を直接に指揮監督する。 これは、実力を持つ治安維持機関である警察をその民主主義的コントロール下におきながら、速やかな事案収拾を図るためのものである。
緊急事態の布告が発せられたときは、警察庁長官は布告に記載された区域を管轄する都道府県警察の警視総監又は警察本部長に対し、管区警察局長は布告区域を管轄する府県警察の警察本部長に対し、必要な命令をし、又は指揮をするものとすされ、布告区域を管轄する都道府県警察以外の都道府県警察に対して布告区域その他必要な区域に警察官を派遣することを命ずることができる旨が、同法第73条に規定されている。
[編集] 歴代の警察庁長官
- 内務省警保局長、国家地方警察本部長官(警察庁長官の前身)は含めない。
代 | 氏名 | 任命年月日 | 退任後の主な公職・役職 |
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1 | 齋藤昇 | 1954年7月1日 | 厚生大臣、運輸大臣 |
2 | 石井榮三 | 1955年7月1日 | (社)全日本指定自動車教習所協会連合会会長 |
3 | 柏村信雄 | 1958年8月29日 | 海外移住事業団理事長 |
4 | 江口俊男 | 1963年5月10日 | 公害防止事業団理事長 |
5 | 新井裕 | 1965年5月19日 | 財団法人警察協会会長 |
6 | 後藤田正晴 | 1969年8月12日 | 内閣官房長官・副総理・法務大臣 |
7 | 高橋幹夫 | 1972年6月24日 | 社団法人日本自動車連盟会長 |
8 | 淺沼清太郎 | 1974年10月9日 | 阪神高速道路公団理事長 |
9 | 山本鎭彦 | 1978年6月1日 | 特命全権大使(ベルギー駐箚) |
10 | 三井脩 | 1981年6月2日 | 日本道路交通情報センター理事長 |
11 | 鈴木貞敏 | 1984年9月25日 | 参議院農林水産委員長 |
12 | 山田英雄 | 1985年8月27日 | 公共政策調査会理事長 |
13 | 金澤昭雄 | 1988年1月22日 | (社)全日本指定自動車教習所協会連合会会長 |
14 | 鈴木良一 | 1990年12月7日 | 警察共済組合理事長 |
15 | 城内康光 | 1992年9月18日 | 特命全権大使(ギリシャ駐箚) |
16 | 國松孝次 | 1994年7月12日 | 特命全権大使(スイス駐箚) |
17 | 関口祐弘 | 1997年3月31日 | 警察共済組合理事長 |
18 | 田中節夫 | 2000年1月11日 | 社団法人日本自動車連盟副会長 |
19 | 佐藤英彦 | 2002年8月2日 | 警察共済組合理事長・警察庁顧問 |
20 | 漆間巖 | 2004年8月13日 |
[編集] 警察庁長官表彰
警察庁長官表彰は、警察庁及び都道府県警察を含める警察全体の表彰制度において最高位の表彰であり、警察庁の定める警察表彰規則に規定されている。警察庁長官の表彰は警察官を対象とした表彰と、犯罪の予防や捜査への協力等で功績のあった国民に対する表彰がある。
- 警察庁の定めるもの(警察官を対象とした表彰)
- 制服に付ける事が許されているものの、佩用している警察官はあまり見られない。
- 警察庁の定めるもの(民間人対象:犯人逮捕などに協力した者に対する表彰)
- 警察庁長官が公益法人の長と連名で授与するもの(全国の功労ある者に対する表彰)
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- 防犯栄誉金章(財団法人全国防犯連合会)
- 暴力追放栄誉金章(財団法人全国防犯協会全国暴力追放推進センター)
- 交通安全栄誉章緑十字金章(社団法人全国交通安全協会)
[編集] 関連項目
日本の警察官の階級・序列 - | ||||||||||
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階級外 | 第1位 | 第2位 | 第3位 | 第4位 | 第5位 | 第6位 | 第7位 | 第8位 | - | 第9位 |
警察庁長官 | 警視総監 | 警視監 | 警視長 | 警視正 | 警視 | 警部 | 警部補 | 巡査部長 | (巡査長) | 巡査 |