赤の広場
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
![]() |
モスクワのクレムリンと赤の広場 (ロシア) |
---|---|
![]() |
|
モスクワのクレムリンと赤の広場 | |
(英名) | Kremlin and Red Square, Moscow |
(仏名) | Le Kremlin et la place Rouge, Moscou |
登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | 文化遺産(1),(2),(4),(6) |
登録年 | 1990年 |
拡張年 | |
備考 | |
公式サイト | ユネスコ本部(英語) |
地図 | |
[[画像:|275px|赤の広場の位置]] |
ソビエト連邦![]() |
---|
思想 最高指導者 場所 組織 |
赤の広場(あかのひろば、露:Красная площадьクラースナヤ・プローシシャチ)は、ロシアの首都モスクワの都心部にある広場である。
「赤」はソビエト連邦の社会主義に起因するものではなく、元々は古いロシア語で「美しい」という意味であり、広場の名前は「美しい広場」というものであった。広場は東西に長く、南にはスターリンや片山潜などが眠るクレムリンの城壁とその中の大統領官邸、城壁に接しているレーニンの遺体が保存展示されているレーニン廟、北には国立百貨店・ГУМ(グーム)、西には国立歴史博物館、東には葱坊主の屋根の聖ヴァシーリー寺院と処刑場・布告台だったロブノエ・メストがある。
1493年、モスクワ大公国の統治者イヴァン3世が、自らの居城であるクレムリンの前の市街地を広場として整理させたのが起源とされる。以後、商業地域のキタイゴロドと区別され、モスクワ大公国やロシア帝国(ロマノフ朝)の重要な国家行事がここで行われるようになった。
ロシア革命後に成立したソ連の首都がモスクワに定められると、クレムリンには最高指導者が居住したため、赤の広場の重要性は更に増した。ソ連時代には、革命記念日である毎年11月7日にここで閲兵式(軍事パレード)が行われた。西側諸国のジャーナリスト達は、閲兵式のためにクレムリンの城壁の上に並ぶソ連共産党指導者たちの並び順を見て、公式には明らかにされない共産党内の序列を確認し、権力闘争のゆくえを観測する「クレムリノロジー」の手法を採用していた。また、独ソ戦によるナチス・ドイツの侵攻でモスクワが危機にさらされた1941年のパレードでは、参加した軍隊がそのまま郊外の防衛最前線に直行する事態になった。そして1945年には対独戦勝記念の記念パレードが盛大に行われた。
1987年5月28日に西ドイツの青年マチアス・ルスト(当時19歳)の操縦するセスナ機がヘルシンキから飛び立ち、赤の広場に強行着陸する事件が起きた。ルストは自由剥奪4年の実刑判決を受けるが翌年国外退去処分となる。小型機の侵入を防げなかったことでソビエト軍は防空体制の甘さを糾弾され、セルゲイ・ソコロフ国防相はじめ防空軍総司令官らが更迭された。この事件は、当時のゴルバチョフ政権にとっては改革に反対する軍部の保守強硬派幹部を更迭する理由として、むしろプラスに働いた。ソ連末期の1990年には、クレムリンと共にユネスコから世界遺産に文化遺産として指定され、1991年に登録された。
かつてはレーニン廟とともに社会主義体制の聖地とされたが、ソ連からロシアに政治体制が変わった現在では商業的利用もなされる。2003年にはイギリス人のロック音楽家で元ビートルズのポール・マッカートニーがコンサートを開いた。2004年には日本の食品会社、日清食品のカップヌードルのCM(NO BORDER シリーズ)で赤の広場が撮影場所となった。外国人の観光客も多く、モスクワで結婚式を挙げたロシア人カップルが挙式後に訪れる定番地としても知られている。
ロシアの世界遺産
World Heritage Sites in the Russian Federation |
|
---|---|
文化遺産 | |
サンクト・ペテルブルク歴史地区と関連する建造物群 | キジー・ポゴスト | モスクワのクレムリンと赤の広場 | ノヴゴロドと周辺の文化財 | ソロヴェツキー諸島の文化的・歴史的遺産群 | ウラジーミルとスーズダリの白亜の建造物群 | セルギエフ・パサドの至聖三者セルギー・ラヴラの建築的遺産群 | コローメンスコエの主の昇天教会 | クルシュー砂州 | フェラポントヴォ修道院の遺産群 | カザン・クレムリンの歴史的・建築的遺産群 | ノヴォデヴィチ修道院の建造物群 | ヤロスラヴリ市街の歴史地区 | シュトルーヴェの測地弧 | |
自然遺産 | |
コミの原始森林 | バイカル湖 | カムチャツカの火山群 | アルタイの黄金山地 | 西コーカサス | 中部シホテ-アリン |ウヴス・ヌール盆地 | ウランゲル島保護区の自然体系 | |
世界遺産 | ヨーロッパの世界遺産 | ロシアの世界遺産 | 五十音順 | | |