金平糖
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金平糖(こんぺいとう)は、砂糖で作られる 表面に角状の突起による凹凸をもつ直径1cmほどの小球形をしている菓子である。
表記は金米糖、金餅糖、糖花とも。語源はポルトガル語のコンフェイト(confeito) で、初めて日本に金平糖が伝わった時期については諸説あるが、1550年にカステラ・有平糖などとともに南蛮菓子として伝えられたとされる(詳しくは南蛮菓子の項を参照のこと)。 この特徴的な突起がなぜ、またいくつ形成されるのかについてはまだ定説がない。
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[編集] 製法
作り方は以下の通り。
- 氷砂糖に水を加えて煮詰め、蜜をつくる。
- 回転鍋(その形から銅鑼と呼ばれる)を熱しながら、金平糖の核となるケシ粒(現在はザラメ糖が用いられることが多い)を入れる。
- ケシ粒に熱い蜜を少量ずつかけ、回転させながら1週間から2週間以上の時間をかけて粒をゆっくり成長させていく。
現在では、色付きやさまざまな味が付いたものも作られている。
[編集] 菓子以外の利用方法
- これは活動に必要なカロリー摂取と、乾パンを食べやすくするために唾液の分泌を促進する効果もさる事ながら、カラフルで楽しげな金平糖を配する事により、非常食が必要と成るような災害時に被るであろうストレスを軽減させる効果が期待されての採用である。同様の理由により、自衛隊の戦闘糧食(レーション)にもこれを含むメニューが見受けられる。
- これは引き出物に菓子器が供される際に、中がカラだと体裁が悪いとして、日持ちの長さを買われて採用された。
この小さく奇妙な形の菓子は、様々な色に着色可能である事から、その大きさに関わらず極めて目を引きやすい。加えて高熱で焼き固める事から保存性が良く、湿気さえ気を付ければ2~30年経っても同じ味をしている(ただし伝統的製法に拠る物のみ・一般には賞味期限は1年と設定されている)とすら言われている。喫茶店で客へのサービスとして使用するにせよ、保存性の高さは重要な要素といえよう。
なお一般的に飴玉は夏場などを経て高い室温に晒されたり吸湿すると表面が柔らかくなり、味も損なわれるが、金平糖ではそのような事は無い。
[編集] 発展形
本来砂糖は湿気を嫌う事から、金平糖自体の水分含有量は極めて低くなるように作られているが、近年ではボンボンのように焼酎を含む物も開発・発売されている。厳密には金平糖とはやや違う菓子と成ってはいる模様だが、金平糖は皇室の引き出物にも利用されたという事もあり、これにあやかって「おめでたいお菓子」と製造元では銘打っている模様で、九州方面の土産物として販売されている。
他社からもウイスキーや日本酒・梅酒等で風味を付けたものもあり、その他にも色々な風味で変化を持たせた物も存在している。
[編集] 数え歌
昔から子供には人気のある菓子で、いわゆる「数え歌」の1番目の品物として登場する。金平糖は「甘い」と連想され、それ以降は砂糖・雪・ウサギ・カエル・葉っぱ・・と味・色・行動・形状などの要素をもとにした連想が続く。
[編集] 参考文献
- 『椿の花に宇宙を見る』(寺田寅彦著、池内了編集)ISBN 4931391370
- 『おーい、コンペートー』(中田友一著)ISBN 4251039025