釣りバカ日誌
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『釣りバカ日誌』(つりバカにっし)は作やまさき十三、画北見けんいちの釣り漫画で、1980年から小学館「ビッグコミックオリジナル」で連載されている漫画作品である。
目次 |
[編集] 概要
万年ヒラのサラリーマンであるハマちゃんこと浜崎伝助は、上司の佐々木課長に教わった釣りにすっかりハマってしまい自他共に認める「釣りバカ」に。ある日ハマちゃんはひょんなことから知り合った「スーさん」という初老の男性を釣りに誘う。しかしこのスーさん、他ならぬハマちゃんが勤める会社「鈴木建設」の社長・鈴木一之助だったのである。この2人の奇妙な友情を中心に、ハマちゃんの釣りバカぶりがもたらす珍騒動(に振り回される佐々木課長ほか)を描く人気シリーズである。
番外編も多数描かれており、佐々木課長の日常や青年時代、ゲストキャラクターながら妙な人気を博した佐々山さん(佐々木課長のそっくりさんでライバル会社の課長)やみち子さんが主役となっている。
漫画版を原作とした映画版やアニメ版もあり、そちらの方の認識度・人気も高い。(両者とも若干漫画と設定等に違いがある)
第28回(昭和57年度)小学館漫画賞受賞。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] 登場人物
- 浜崎伝助(はまさきでんすけ)
- 主人公。通称「ハマちゃん」。釣りバカである。上司の佐々木には「ハマザキ」と呼ばれるが正しくは「ハマサキ」である。会社では万年ヒラであるが課長代理と社長秘書を務めたことがある。無能な趣味に生きるグータラ社員というわけではなく、キーマンと直接交渉したり、反目しあってる両人を交渉のテーブルにつかせたり(といっても釣り勝負だったりするが)するなどして膠着状態を打破し、折衝・調整能力が高く会社業務に関わることで大活躍をしているが、本人の昇進したくないという意思により、他の社員に花を持たせたり、功績を隠したりするので、ヒラのままである。
- 浜崎みち子(はまさきみちこ)
- 主人公の妻。
- 浜崎鯉太郎(はまさきこいたろう)
- ハマちゃんの息子。名前の由来は、鯉太郎の出産時にハマちゃんが自宅付近の池で鯉を釣り上げたことから。
- 鈴木一之助(すずきいちのすけ)
- ハマちゃんと偶然知り合い、ハマちゃんの釣りの弟子になった。その後ハマちゃんの勤める「鈴木建設」の社長であることが明らかになったが、その前後でハマチャンの態度がまったく変わらなかったため、驚くとともに改めて感心したようである。工学博士。
- 佐々木和男(ささきかずお)
- ハマちゃんの万年上司。ハマちゃんに釣りを教えた張本人。左遷されては昇進して戻ってくるので、ハーレー佐々木の異名を持つ。連載開始当時は直属の上司(営業三課課長)であったが、子会社の社長になったり、鈴木建設の社長代行になったことがあるなど紆余曲折を経て2006年12月現在は常務取締役である。主要登場人物の中では唯一、ハマちゃんと鈴木社長の関係を知らず、ハマちゃんを単なるグータラ社員だと思っている。この人の昇進には少なからずハマちゃんが貢献していて、むしろ代わりに出世しているともいえるが本人はまったく知らない。
- 多胡賢一郎(たごけんいちろう)
- 鈴木建設の常務。鈴木一之助の甥に当たる人物で、鈴木建設の次期社長と目されている。浜崎と鈴木の仲を知る数少ない人物の1人。浜崎夫妻の協力により結婚を果たしたこともあり、伝助には恩義を感じている。
[編集] 映画版
釣りバカ日誌 | |
監督 | 栗山富夫 |
---|---|
製作 | 山内静夫 |
脚本 | 山田洋次 桃井章 |
出演者 | 西田敏行 三國連太郎 |
音楽 | 三木敏悟 |
撮影 | 安田浩助 |
編集 | 鶴田益一 |
配給 | 松竹 |
公開 | 1988年12月24日 |
上映時間 | 93分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
次作 | 釣りバカ日誌2 |
1988年12月24日には松竹系にて実写映画化され、以降毎年1本新作が公開されている。「男はつらいよ」シリーズと並び松竹を代表する国民的映画シリーズでもある。シリーズ第1作/レギュラー第1作
原作より「釣り」に対する描写は薄められ、西田敏行演ずる浜崎伝助のベタなキャラクターと三國連太郎の渋めの鈴木社長とのやり取りがいい味を出している。
当初は「男はつらいよ」の同時上映作品として公開され、松竹もそれ程力を入れてはいなかったが、公開後の評判も良く、渥美清の逝去により「男はつらいよ」シリーズの製作が不可能となってからは、松竹の看板映画として国民的映画シリーズとして現在も製作されている。1995年と1999年のみ公開されていない。(95年の未公開は男はつらいよ 寅次郎紅の花を単独上映するためとの説もある)
地上波によるテレビ放送は民放の5系列全てで放送されているが、最新作(地上波初登場)はTBS系列が優先的に放送権を持つ。
[編集] 釣りバカ日誌シリーズ
- 1988年12月 第1作 釣りバカ日誌
- 1989年12月 第2作 釣りバカ日誌2
- 1990年12月 第3作 釣りバカ日誌3
- 1991年12月 第4作 釣りバカ日誌4
- 1992年12月 第5作 釣りバカ日誌5
- 1993年12月 第6作 釣りバカ日誌6
- 1994年7月 第7作 釣りバカ日誌スペシャル
- 1994年12月 第8作 釣りバカ日誌7
- 1996年8月 第9作 釣りバカ日誌8
- 1997年9月 第10作 釣りバカ日誌9
- 1998年8月 第11作 釣りバカ日誌10
- 1998年12月 第12作 花のお江戸の釣りバカ日誌
- 2000年2月 第13作 釣りバカ日誌イレブン
- 2001年8月 第14作 釣りバカ日誌12 史上最大の有給休暇
- 2002年8月 第15作 釣りバカ日誌13 ハマちゃん危機一髪!
- 2003年9月 第16作 釣りバカ日誌14 お遍路大パニック!
- 2004年8月 第17作 釣りバカ日誌15 ハマちゃんに明日はない!?
- 2005年8月 第18作 釣りバカ日誌16 浜崎は今日もダメだった♪♪
- 2006年8月 第19作 釣りバカ日誌17 あとは能登なれハマとなれ!
- 2007年8月 第20作 釣りバカ日誌18
[編集] 主題歌
- とりあえずは元気で行こうぜ(2001年)
- 歌:西田敏行、作詞/作曲:青島幸男、編曲:小林信吾(レーベル・ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズ)
- 青島幸男が出演したシリーズ14作目(史上最大の有給休暇)から主題歌として使用。
[編集] 現在のレギュラーキャスト
- 浜崎伝助:西田敏行(1~)
- 鈴木一之助:三國連太郎(1~)
- 浜崎みち子:浅田美代子(7~)
- 浜崎鯉太郎:持丸加賀(14~)
- 佐々木和男:谷啓(1~)
- 太田八郎:中本賢(2~)
- 鈴木久江:奈良岡朋子(9~)
- 秋山専務:加藤武(3~)
- 堀田常務:鶴田忍(9~10、12~)
- 原口人事部長:小野武彦(14~)
- 草森秘書:中村梅雀(10~13、15~)
- 舟木課長:益岡徹(15~)
- 蛸島係長:加藤満(11~12、16~)
- 前原運転手:笹野高史(1~)
[編集] 以前のレギュラーキャスト
- 浜崎みち子:石田えり(1~スペシャル)
- 浜崎鯉太郎:上野友(10~11)→菅原隆一(12~13)
- 鈴木久江:丹阿弥谷津子(1~6)
- 秋山専務:前田武彦(1)
- 堀田常務:前田武彦(3~8)→森山周一郎(11)
- 草森秘書:園田裕久(2~6)→角野卓造(7~9)→斉藤洋介(14)
- 原口人事部長:竜雷太(7~10)→柴俊夫(11~13)
- 川島営業本部長:小野寺昭(8~11)→荻島真一(12)→小野寺昭(13)→國村準(14)
- 蛸島係長:岩崎ひろし(13)
- 恵:戸川純(1~スペシャル)
- 香織:野澤あや(2)→TARAKO(3)→内海和子(4)
- ひとみ:細川ふみえ(9~10)
- 鯛子:さとう珠緒(13~15)→平山あや(16)
- 海老名:濱口優(14~16)
[編集] 第1作
[編集] スタッフ
- 監督:栗山富夫
- 製作:山内静夫
- プロデューサー:瀬島光雄、中川滋弘
- 原作:やまさき十三(作)、北見けんいち(画)(小学館「ビッグコミックオリジナル」連載)
- 脚本:山田洋次、桃井章
- 撮影:安田浩助
- 美術:重田重盛
- 編集:鶴田益一
- 音楽:三木敏悟
- 助監督:梶浦政男
[編集] キャスト
[編集] テレビアニメ版
2002年11月から2003年9月までテレビ朝日系にて同原作のテレビアニメが放映された(放送時間 毎週土曜19:30~20:00)。 釣りバカの作品の映像化権は劇場版映画を制作する松竹が既に押さえていたため東映アニメーション制作でありながら協力として松竹の名もクレジットされた。
[編集] スタッフ
- 企画:木村純一(tv asahi)、森下孝三(東映)、亀井修(小学館)
- プロデューサー:岩本太郎→梶淳(tv asahi)、片寄聰(小学館)、鷲尾天(東映)
- アシスタントプロデューサー:西口なおみ(tv asahi)、油井卓也(小学館)、柴田宏明(東映)
- スーパーバイザー:久保雅一、安齋進(小学館)
- 脚本:隅沢克之、山田健一、大橋志吉、川崎良、清水東、成田良美、影山由美、羽原大介
- シリーズ構成:隅沢克之→川崎良
- キャラクターデザイン:直井正博
- 製作担当:野田由紀夫
- 作画監督:志田直俊、佐伯哲也、アベ正己、進藤満尾、石川修、梨澤孝司
- 美術デザイン:中村光毅
- 美術:阿久津美千代、鹿野良行、三宅昌和、駒田寛、中村光毅
- 音楽:丸山和範
- シリーズディレクター:今沢哲男
- 演出:今沢哲男、小山賢、ひろしまひでき、上田芳裕、立仙俊裕、橋本光夫、門由利子、小坂春女、織本まきこ
- 協力:電通、東映、松竹、小学館
- 製作:tv asahi、東映アニメーション
[編集] キャスト
- 浜崎伝助:山寺宏一
- 鈴木一之助:大塚周夫
- 浜崎みち子:渡辺美佐
- 浜崎鯉太郎:佐藤朱
- ハゼタロウ:進藤尚美(2代目)
- 佐々木和男:龍田直樹
- 佐々木の妻:佐藤智恵
- 鈴木円子:棚田恵美子
- 多胡賢一郎:関智一
- 中村礼子:大本眞基子
- 宗優介:小西克幸
- ナレーション・秋山部長・ハゼタロウ(浜崎家の飼い犬。当初はハゼタロウが狂言回しをしていく設定だったため初代):川津泰彦
[編集] 主題歌
オープニングテーマ
エンディングテーマ
- 愛内里菜「風のない海で抱きしめて」
- Retro G-Style「Freemen」
[編集] アニメの評価
当初は原作読者層や映画観覧層であるサラリーマン世代以上をメインに狙って、浜崎が最初から釣りバカである他はほぼ原作に沿ったりイメージを壊さない形で進んでいたが、時間帯の絡みも有り作品の名物シーンでもある「合体」の表現ができないなど制約も多かった事から子供を中心としたファミリーアニメ路線に軌道修正。飼い犬ハゼタロウの声を川津泰彦から進藤尚美に変更し子供に馴染み易い声にしたり、本編開始前に魚扁漢字の読みを当てさせる「おさかな漢字クイズ」を設けたり、本編内容も浜崎の仕事風景よりは釣りにうつつを抜かしながらも妻と子供を大事にする浜崎の姿や浜崎一家の仲の良さをメインにしたオリジナルの単発ストーリーが中心となった。 当時放送されていた同じ東映の特撮作品「爆竜戦隊アバレンジャー」とのコラボレーションストーリーもある。イアン・ソープやアザラシのタマちゃんも登場させた。
視聴率自体は土曜のゴールデンタイムにしてはさほど酷いものではなかった(平均9%程度)。同枠午後7時から放送されていた「クレヨンしんちゃん」とほぼ同格、良いときは超えることもあった。しかし、当時「週刊少年ジャンプ」に連載されていた「ボボボーボ・ボーボボ」をアニメ化するために集英社に放送枠を買収された。しかし、ボーボボの視聴率は平均5~6%程度しかとれなかったため、釣りバカを打ち切ったテレビ朝日の決断を疑問視する声もあった。
[編集] 原作・映画・アニメの異なる設定
- ハマちゃんの性格→原作では仕事一筋真面目一辺倒の無趣味人間が、釣りという趣味にハマってしまい変わっていくという設定だが、アニメ版・映画版では初めから豪快でハチャメチャな性格になっている。
- ハマちゃんが釣りバカになった切っ掛け→原作では佐々木課長に釣りを薦められ、ハマってしまうという設定だが、映画版・アニメ版では最初から釣りバカという設定で切っ掛けは不明。
- キャラクターの年齢設定→原作では何年かに一度、年を重ねる。現在の設定はハマちゃんは30代半ば。スーさんは60代。鯉太郎は小学一年生。映画では、年に一度、ちゃんと年を重ねる…が、鯉太郎だけ何故か年をとるペースが遅い。現在の設定ではハマちゃんは50代前半。スーさんは80代。鯉太郎は中学生。
- ハマちゃんの住所→原作では初期は「ひばりヶ丘」の表記が随所に見られることから東京都西東京市周辺と思われるが後にみち子さんの実家である神奈川県横浜市に移った。映画版は設定が固まっておらず、度々住所が変わるが、おそらく都内と思われる。アニメ版は不明。
- ハマちゃんの家族構成→原作では、ハマちゃん・みち子さん・鯉太郎・みち子さんの両親の5人家族。映画版・アニメ版ではみち子さんの両親とは同居していない。
- ハマちゃんのペット→浜崎家には愛犬ハゼタロー(アニメ版ではハゼタロウ)がいるが、映画版には登場しない。
- 映画版には、浜崎家の隣人として「八郎(通称ハチ)」というオリジナルキャラクターが主要人物として登場する。
テレビ朝日系 土曜19時台後半 | ||
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[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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