陳露

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女子 フィギュアスケート
銅	1994	シングル
銅	1998	シングル

陳露（ちん ろ、Lu Chen（ルー・チェン）, 1976年11月24日 - ）は中国のフィギュアスケート選手。現在はプロに転向している。

[編集] 来歴

1976年生まれ。母は卓球選手、父はアイスホッケーコーチという家庭で育つ。

早くから才能を開花し、1990年には世界のトップスケーターに数えられていた。5種類7回の3回転、3トゥ+3トゥのコンビネーション（当時の女子としては難度が高い）を持っていた。競技人生前半は技術派として評価を受けるが次第に芸術性豊かなスタイルに移行していく。

90-91シーズンの世界選手権では3回転が5つしか決まらずに12位。 91-92シーズン、アルベールビルオリンピックでは6位。この時、陳はショートで当時難しいとされていたトリプルルッツを含むコンビネーションを行い、またフリーでも6回の3回転を成功させたにも関わらず、上位にランクすることはできなかった。技術点に比べると、芸術点ではまだ高い評価を得ることができなかったのだ。

92-93、93-94シーズンの世界選手権で2回とも3位銅メダルを獲得、彼女の実力は次第に評価されていく。 93-94シーズンのリレハンメルオリンピックではまだ3回転3回転のジャンプを飛べる力はあったが、安全策をとり、3回転2回転のコンビネーションを行い、3位銅メダルを獲得した。この頃から、ジャンプ偏重から表現力重視のスタイルへと変わり、3回転3回転を試合でやらなくなる。

94リレハンメルオリンピック直後の幕張世界選手権では、足の疲労骨折による体調不良のため欠場。

94-95シーズン、陳はラストエンペラーをフリープログラムに選び、NHK杯1位、世界選手権でも念願の1位となる。しかしこれは陳にとっても非常にラッキーな組み合わせであった。ショートで1位ボベック、2位マルコワ、3位陳、4位ボナリー、5位クワンとなり、上位2人が崩れて実質の争いは陳、ボナリー、クワンの3者に絞られた。フリーではボナリーが5種類7回の3回転ジャンプ（しかも3+3を2回）に成功するも点数が伸びず。陳は2回目の3ルッツを失敗して点数が伸び悩むがなんとかボナリーを振り切って暫定1位。クワンは5種類7回＋2アクセル2回の全てのジャンプを決めるものの、まだ15歳という若さのため点数が伸びない。結局　陳が世界選手権1位となった。

95-96シーズン、再び陳は頂点を目指す。フリーにラフマニノフの曲をいれ、抒情性を前面に押し出したプログラムでNHK杯1位、しかしながらグランプリファイナルでは　信じられない程調子を崩し、ほとんど全てのジャンプを失敗して4位に終わる。その直後の世界選手権ではグランプリファイナルでの不調が嘘のように全ての要素をショート、フリーを完璧にこなして暫定1位、6.0の評価も得た。3回転ジャンプは5種類6回成功（ルッツが2回）次の滑走者クワンは前半の3トゥ+3トゥのコンビネーションを3+2にしてしまう。しかしながら若さで勝るクワンはなんとプログラム一番最後に用意していた2アクセルを即席で3トゥに変更して成功させて会場を驚かせた。これでクワンが成功した3回転は5種類7回。この僅かな差で陳は2位銀メダルに終わる。

[編集] 引退か復帰か

96年世界選手権で全力を出し切り、芸術点で6.0満点の評価を得たにも関わらず銀メダルに終わったことは少なからず陳にショックを与え、また足の怪我とあいまって、96-97シーズンは不調のまま過ごしてしまい、97年の世界選手権ではショート25位で予選落ち、フリーに進めなくなるという信じられない事態となる。

そのため彼女は中国選手としての翌年のオリンピック参加資格を獲得するために他の大会に出なければならなかった。97年の夏、ウイーンでのオリンピック参加資格を得るための指定試合であるカールシェーファー杯で優勝、ISU国際大会でもフランス大会4位、NHK杯3位と少しずつ復調を審査員に印象付けながらオリンピックを待つ。

98年の長野オリンピックのショートプログラムでは、苦手としていたジャンプもなんとかきめて4位に入り、フリーでの逆転メダル獲得に望みをかける。フリースケーティングでは、僅かながら回転不足をおかしつつも5種類の3回転を決め、プログラムの最後に3トウループ+3トウループ（実際は2つ目のジャンプは明らかに1回転ちかく回転不足）をいれ、メダルへの執念を見せた。演技が終わるな否や、リンクに覆いかぶさるように顔を伏せ、あふれんばかりの涙を流した姿は印象的であった。

最終的にライバルの不調もあり、陳は僅差で3位銅メダルを獲得する。表彰式では流れる涙をぬぐおうともせず、銅メダルの喜びを表現した。この長野五輪を最後にアマチュア選手としての引退を表明、プロ選手へと転向した。