雷電 (メタルギアシリーズ)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
雷電(らいでん)はコナミ(現、コナミデジタルエンタテインメント)のゲーム、『メタルギアソリッド2』『メタルギアソリッド4』に登場する架空の人物である。声優は堀内賢雄。英語版の声優はQuinton Flynn、ただし『MGS3サブシスタンス』に収録された「メタルギアライデン」ではCharles Schlatterが担当していた。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] 概要
本名はジャック。年齢は2009年の時点で推定20代。少年時にソリダス・スネークにより両親を殺害され、その後ソリダスの元で少年兵として育てられて内戦を戦い抜き、『ジャック・ザ・リッパー』及び『白い悪魔』の名で呼ばれる。2009年に海上除染施設「ビッグ・シェル」がサンズ・オブ・リバティと名乗る武装集団(テロリスト)に占拠された際に、大統領を救出すべく新生FOXHOUND隊員として単独潜入する。しかしこの時に埋め込まれたナノマシンにより記憶を操作され、自身はFORCE21時代のVR訓練の経験しかなく、実戦は初めてで人を殺害したことがない新兵であるという記憶を植え付けられていたと思われていたが、実際は「自分が傷付きたくないから」という理由で、意図的に過去の記憶を忘れようとしていた。
ビッグ・シェル潜入までのコードネームは「スネーク」であったが、サンズ・オブ・リバティのリーダーの名が「ソリッド・スネーク」であることを考慮して「雷電」に変更された。コードネームの名付け親はG.W(詳細は後述)のAIであり、コードネームの由来は第二次世界大戦中の日本帝国海軍の雷電局地戦闘機の名称で、彼が愛国者たちにとって唯の兵器に過ぎないという意図が込められている。ちなみに雷電局地戦闘機の連合国側のコードネームはJackで今作での本名とコードネームの関係と逆になっており、制作者の遊び心の一端を伺うことができる。
映画についてある程度詳しいのか、「キングコングが破壊したビルはエンパイアステートビルかクライスラービルか」という口論をきっかけとして恋人であるローズと出会う。少年兵時代には暗示をかける為として「マッチョな男たち(おそらくシュワルツェネッガーやスタローンなど)の登場する映画」を観させられていた。
彼の登場に賛否両論あったためか(主人公への批判を参照)、以後彼がプロモーション映像などで登場する際には何かと不幸な立場に回されてしまい、開発者の自虐的キャラとしての立場を強くしている。しかし、股間を掴まれる、カツラ疑惑、全裸で走り回るといった行為はすでに初登場である『メタルギアソリッド2』の時点で描かれている為、評判だけが自虐的キャラとしての立場を強くしているわけでもないようだ。
最新作『メタルギアソリッド4』においてサイボーグ忍者らしき姿として再び登場することが決定している。今回の雷電は今までのような頼りない存在ではないらしい。
1964年が舞台である『メタルギアソリッド3』には、彼と容姿がそっくりなイワン・ライデノヴィッチ・ライコフという人物が登場する。この名前はロシア語で「ライコフは雷電の親」という意味だが血縁かどうかは不明である。
[編集] 劇中での活躍
[編集] メタルギアソリッド2
前述のようにビッグ・シェル潜入の際には人を殺めた事のないFOXHOUNDの新兵という記憶を植え付けられており、本人は大佐やローズ、NAVY SEALSの隊員プリスキンやスティルマン、ミスターXなどの助言に従いビッグ・シェルに仕掛けられた爆弾の凍結作業を行う。テロリストのメンバーであるファットマンの罠によりスティルマンを失い、プリスキンとも音信が途絶えるが、ファットマンを倒すに至る。
その後、プリスキンとの連絡が回復し、ミスターXことサイボーグ忍者の助けを得て大統領救出のため、人質となっていたシークレットサービスであるエイムズと接触するが、彼は謎の死を遂げる。大統領の居場所に向かう途中にて、育ての父であり、今回の事件の首謀者であるソリダスと出会うが、この時は記憶を操作されていた為にソリダスの顔を思い出すことはなかった。ハリアーとの戦闘を経て、プリスキンが本物のソリッド・スネークであることを知る。
大統領と接触し、彼は「愛国者達」と「アーセナルギア」の存在を知るが、直後に大統領はオセロットにより射殺される。アーセナルギアの中枢「G.W」を破壊することの出来るウィルスを持つ技術者、エマ・エメリッヒの救助に向かい、その途上でテロリストのメンバー、ヴァンプと戦闘、これを退ける。エマを救出して電算室へ向かうものの、ヴァンプの妨害によりエマは重傷を負ってしまう。スネーク、オタコンらと合流し、電算室にてウィルスを注入するも失敗し、エマは息を引き取る。アーセナルギアが起動する直前に現れたサイボーグ忍者の正体が、テロリストのメンバー、オルガ・ゴルルコビッチであることを知るが、そのまま彼女に気絶させられてしまう。
アーセナルギアの中で囚われた状態となってソリダスと再会し、自身の過去の記憶を徐々に取り戻すが、それにより現在の自分の存在と自分を取り巻く状況を疑い始める。オルガが愛国者達のスパイであることを知り、彼女の協力を得て脱出、彼を囮としてアーセナルギアに潜入していたスネークと合流するが、エマの注入したウィルスの影響により、それまでアドバイスを出してくれていた大佐とローズがG.WのAIであったことを知る(ローズはAIと実在の人物とが混在している)と、彼は自身の存在の疑念に拍車を掛ける。それでも目の前の敵を倒さねばならぬ故に、アーセナルギアの護衛であるメタルギアRAYを複数撃破する。
ソリダスによりオルガは殺害されるが、ウィルスの影響によりアーセナルギアは機能を失われ、更にソリダスもまた愛国者達の掌で動かされていた事実、リキッドの覚醒など、事態が混乱していく中で、アーセナルギアはニューヨークの街(フェデラルホール)に突っ込む。これまでの一連の自分の行動が「情報管理の中での無意識的な人間の支配」のための演習の駒であったことと、その最後の穴を埋めてしまう事を知りつつも、目の前の敵であるソリダスを倒すために刀を取り、これを斬り捨てる。自分の存在に疑念を残しつつも、スネークの意思を聞き、実在するローズと連れ添って、崩壊したニューヨークの街へと消えていった。
[編集] メタルギアソリッド4
プラント事件の数年後の出来事。舞台は中東の戦場。雷電は『メタルギアソリッド』のニンジャ(グレイ・フォックス)、『メタルギアソリッド2』の忍者(オルガ・ゴルルコビッチ)同様の強化骨格スーツを身に付けて登場する。 『メタルギアソリッド2』のように頼りない存在ではないらしい(トレイラー映像で量産型メタルギア「月光」を難なく破壊していた)。ちなみにプレイヤーが操作することは不可能。
[編集] 関連項目
- メタルギア
- メタルギアソリッド
- メタルギアソリッド2主人公でプレイヤーが唯一操作可能
- メタルギアソリッド4スネークを助けるサポートキャラとして登場
- 小島秀夫