メタルギアソリッド
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ジャンル | タクティカル・エスピオナージ・アクション |
対応機種 | プレイステーション ゲームキューブ |
開発元 | コナミコンピュータエンタテインメントジャパン TTS:コナミコンピュータエンタテインメントジャパン・シリコンナイツ |
発売元 | コナミ |
人数 | 1人 |
メディア | CD-ROM2枚組み CD-ROM3枚組み(インテグラル) GC用光ディスク2枚組み(ツインスネークス) |
発売日 | 1998年9月3日 インテグラル:1999年6月24日 ザ ツインスネークス:2004年3月11日 |
その他 | メタルギアソリッド: 限定版あり ザ ツインスネークス: ゲームキューブ同梱版あり |
『メタルギアソリッド』は、1998年9月3日に発売されたプレイステーション用ゲームソフト、メタルギアシリーズの3作目となる作品である。
目次 |
[編集] 概要
MSX2用として発売された前2作品とは異なりポリゴンを用いた3次元描写によるステルスゲーム(かくれんぼアクション)。「メタルギアソリッド(MGS)」シリーズ三部作の第一作にあたる。
テーマはGENE。遺伝子を絡めた話へと結絡する。
本作品のシナリオは世界中のユーザー等から絶賛され、米フォーチュン誌にて「20世紀最高のシナリオ」と称されている。ハード性能を極限まで生かした映像の他、極寒のアラスカへの潜入を意識させる重圧感や緊張感を見事に演出。兵士の吐く白い息等、抜かりの無い周到な描写や秀逸な人物設定にも定評がある。
[編集] 発売年表
1998年9月3日の発売日、秋葉原のゲームショップでは限定版を求めて100人近い行列ができ、昼過ぎには限定版が完売。すべての店に完売の文字が並んだ。
1999年6月24日にはプレイステーション用ゲームソフト『メタルギアソリッド インテグラル』が発売。音声が全て英語吹き替えになり、難易度設定が追加され、全300ステージのVRトレーニングを収録した「VRディスク」が新たに追加されCD3枚組になった。「ゴジラ」を模したと思われる遺伝子怪獣ゲノラが登場。ポケットステーションにも対応している。VRディスクではMGSのトレーラー映像を見ることも出来る。
2004年3月11日には今作のシステムや演出(高いアクション性等)を『メタルギアソリッド2』と同じレベルにまでクオリティアップしたゲームキューブ用ソフト『メタルギアソリッド ザ ツインスネークス』が発売された。『~ツインスネークス』には『メタルギアソリッド2』から登場した麻酔銃なども存在するが、サイコ・マンティスなどに対して麻酔銃でのスタミナキルを行ってもストーリーの関係上、殺害したことになる。GCの本体同梱版にはFC版『メタルギア』が収録されたディスクが付属していた。
尚、『メタルギアソリッド ザ ツインスネークス』が英語音声となった理由には塩沢兼人の逝去があるとみられる。 この作品において塩沢兼人が演じたサイボーグ忍者は、MGS2におけるそれと違い物語の重要な部分を握る一員である事、また音質の向上及びリメイクに際しての内容追加で、生前に収録した音声の使用では限界がある事等が主な理由。しかし実際のところは日本語音声を期待していたユーザーは多い。
メタルギアシリーズの解説についてはメタルギア項を参照。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] ストーリー
[編集] シャドー・モセス島事件
AD2005年アラスカ・フォックス諸島沖の孤島、シャドーモセス島に於いて、ハイテク特殊部隊「FOXHOUND」と彼等率いる次世代特殊部隊が突如として蜂起、同島の核兵器廃棄所を占拠した。彼等は「ビッグボスの息子達」を名乗り、米政府に対して10億ドルとビッグボスの遺体の引き渡しを要求。それが24時間以内に受け入れられない場合、核を発射すると通告した。
政府は、元FOXHOUND司令官ロイ・キャンベル退役大佐をこの鎮圧作戦の司令官として招集。それに従い、キャンベルは元FOXHOUND隊員ソリッド・スネークを呼び戻した。スネークに依頼された任務は二つ。核兵器廃棄所に単身潜入し、国防省付属機関先進研究局、通称DARPAの局長ドナルド・アンダーソンとアームズ・テック社社長のケネス・ベイカーの2名を救出。そして、テロリストの核発射能力の有無を調査し、事実ならばそれを阻止する事。伝えられた任務内容にきな臭いものを感じつつも、スネークは渋々任務を承諾する。アラスカ上空では強烈なブリザードが吹き荒れる為、パラシュートでの降下は不可能。潜水艦で廃棄所付近まで接近した後、小型潜水艇(SDV)を射出。島に最接近した所で潜水艇を破棄し、後は泳ぎで島に上陸する。スネークはいつものように単独でのスニーキング・ミッション(潜入任務)を開始する―。
[編集] 登場人物
- ソリッド・スネーク(声 : 大塚明夫)
- 本作の主人公。元FOXHOUND隊員。過去二度に渡り世界をメタルギアの脅威から守った伝説の英雄。1995年、武装要塞国家「OUTER HEAVEN」に単身潜入し壊滅させる。FOXHOUND除隊後はCIAのスカウトにより秘匿工作員(ディープ・カヴァー・エージェント)の非公式身分(ノンオフィシャル・カバー)として働くが、局の体制に反発し、約半年でCIAを去る。その後、カナダの奥地で療養生活を送るが「ザンジバーランド蜂起」に際して再び潜入任務を遂行、武装要塞国家ザンジバーランドを陥落させる。ザンジバーランド騒乱後はアラスカ山脈ツイン・レイクスの湖畔で孤独な隠遁生活を送っていたが、今回のシャドーモセス事件解決の為にキャンベルに半ば強引に呼び戻される。尚、ダンボール箱に異様なまでの愛着を持っている。愛用の煙草は先折り煙草。
- メリル・シルバーバーグ(声 : 寺瀬今日子)
- キャンベルの弟夫婦の娘で姪にあたるが、実際には湾岸戦争で両親を失った為キャンベルの保護を受けている。祖父母の代からの軍人一家に育ち、物心ついた頃から軍人を目指していた。FOXHOUNDとともに蜂起した次世代特殊部隊の補欠隊員だったが、蜂起への参加を拒んだために人質となる。元々素質はあるのだが、勝ち気な性格の為窮地に立たされ易い。通信塔入り口でウルフの狙撃により重傷を負い、その後、彼等に監禁される。プレイヤーの行動で生死が分かれる。
- ハル・エメリッヒ(オタコン)(声 : 田中秀幸)
- アームズ・テック社の技術者で、メタルギアの開発チーフ。学校に通わず、インターネットによる独学でMITに入学。若くして博士号を授与された。プリンストン大学でも学士号、修士号を取得している。学生の頃、FBIにスカウトされ、ERF(エンジニアリング・リサーチ・ファシリティ)技術開発研究所に所属していたが、覗きとハッキングが発覚し、FBIを追われてアームズテック社に入社した経緯を持つ。和製アニメ(ジャパニメーション)のファンで、彼が技術者の道を選んだのもアニメのようなロボットを創りたかったから。「科学は人の生活を助ける」を信条としている。そのためか、捕虜になったスネークから「見張りを倒してくれ」と頼まれても拒む態度をとった。高いところも苦手。メタルギアの演習参加中にFOXHOUNDの蜂起に巻き込まれ、最終調整のために協力を強いられていた。スネークと合流後は、無線で彼をサポートするようになる。ちなみに愛称のオタコンは、オタク・コンベンションの略であり、彼がその常連であることに由来する。スナイパー・ウルフに好意を抱いている(スネーク曰く「ストックホルム症候群か」)。
- ロイ・キャンベル(声 : 青野武)
- ナオミ・ハンター(声 : 鶴ひろみ)
- スネークの作戦サポート要員の一人。FOXHOUNDのメディカルスタッフを務める遺伝子治療の専門家で、ATGC社社員の民間人だが、FOXHOUND隊員やゲノム兵の遺伝子治療を担当している。ベクターとなる転移遺伝子を発見し、遺伝子ターゲット法を考案。遺伝子治療の分野に貢献した功績がある。敵情に最も詳しい人物として作戦に参加するが、実はFOXHOUND側のスパイでもある。後にグレイ・フォックスの義妹だと明かされる。作戦前にグレイ・フォックスに由来する怨恨で、不凍液注射の際に遺伝子指定殺害ウィルスFOX-DIEをスネークに注射していた事も分かる。
- メイ・リン(声 : 桑島法子)
- スネークの作戦サポート要員の一人である中国系アメリカ人。マサチューセッツ工科大学の現役学生。画像・データ処理の専門家で、スネークが使用するソリトンレーダーや無線機の開発者でもある。キャンパス・ライフの傍らでフォートミードのNRO(国際偵察局)、ENPIC(国際写真解析センター)の技術者と共に画像処理や人工衛星によるエリント(電子諜報)やシギント(通信諜報)に携わる。ゲーム中ではセーブを担当。諺に詳しい。元はパイロット志望であったが視力が低かった為、断念。MGS2でも活躍する数少ない人物。また、外伝のゴーストバベルにも出演している。
- マクドネル・ミラー(マスター・ミラー)(声 : 銀河万丈)
- ナスターシャ・ロマネンコ(声 : 山田栄子)
- スネークの作戦サポート要員の一人。フリーの軍事アナリスト。ウクライナ共和国出身で、チェルノブイリ原子力発電所事故での被爆を経験している。その逆境故に、核兵器や武器について詳しい。核廃絶を願い国防省に入る。START等の戦略核削減案を否定し、一貫して核兵器廃絶を訴える。その後、DIA(米国国防総省国防情報局)担当官を経てNSA(国家安全保障局)にも身を置くが、冷戦後は役割を失い退局し、フリーの軍事評論家となる。現在は各種情報専門誌、米海軍雑誌等に執筆。1996年には非核世界へ向けての現実的な方策を提言したキャンベラ委員会にアドバイザーとして参加した。スネーク同様タバコを愛する。因みに、「メタルギアソリッド2」に登場するエイムズの元妻である。シャドーモセス事件後、『シャドーモセスの真実』を執筆し、「メタルギアソリッド2」に内容が収録され、内容は200ページ超というボリュームである。その口調、喫煙が様になっていることから女の匂いはこれっぽっちも感じられないが、スネークが女子トイレに入った時だけは怒ってくる。
- サイボーグ忍者(声 : 塩沢兼人)
- スネークの前に度々現れる謎の人物。全身に強化骨格を纏い、高周波ブレードと超人的な運動能力を持っており、弾丸をも刀で切り落としてしまう。また、ステルス迷彩で姿を消すことができる。無線通信では「ディープ・スロート」と名乗りスネークに助言を与えるが、一方では彼に決闘を挑むなど、その目的は不明であった。終盤に『メタルギア2』でスネークとの死闘の末死んだはずのグレイ・フォックスことフランク・イェーガーである事が明らかになる。REXと対峙していたスネークを支援すべく戦闘に乱入。当初、優勢だったがREXに装備されたレーザーで左腕を切断され形勢が逆転。突進を喰らい身動きが取れなくなるも最期の抗いでREXのレドーム(レーダー)を破壊。最期は、REXに踏み潰されて「サイボーグ忍者」としての「人生」を終える。だが、彼の功績によってスネークは勝利を果たした。
- ビッグ・ボス
- FOXHOUND初代司令官にして、同部隊の創設者。20世紀史上、最強と謳われた伝説の戦士。ザンジバーランド騒乱で既に死亡しており、本作では遺伝子治療の研究のための細胞標本としてその名が登場するのみである。テロリストは彼の遺体の引渡しを要求した。
- ドナルド・アンダーソン(DARPA局長)(声 : 佐藤正治)
- DARPA(国防省付属機関先進研究局)の局長。メタルギア開発計画の関係者の一人。メタルギアの演習に参加していたが、FOXHOUNDの蜂起により人質となる。スネークの作戦開始前に既に死亡している。オセロットの拷問が行き過ぎたというのは表向きの話であり、真実はオセロットが自分の正体を隠す為に殺害した。
- ケネス・ベイカー(声 : 藤本譲)
- メタルギアの開発元である軍需産業トップ企業、アームズ・テック社の社長。メタルギアの演習に参加していたが、FOXHOUNDの蜂起により人質となる。彼の近くにあるワイヤーに触れると爆発するというC4トラップと共にオセロットに捕まっていた。忍者がオセロットの腕を切ったと同時に彼をしばっていたC4トラップを解除した為に助かるが、スネークに演習データの入った光ディスクを渡して少し語った後、FOX-DIEにより絶命する。
- ジム・ハウスマン(声 : 麻生智久)
- 国防長官。作戦終盤、キャンベルの身柄を拘束して自ら作戦指揮に乗り出す。しかし、それは失敗し、結局は首謀者として逮捕される。『シャドーモセスの真実』によると、事件数日後に自殺。
- ジョニー佐々木(声 : 今村直樹)
- FOXHOUNDとともに蜂起した次世代特殊部隊の隊員。独房の看守を務める。下痢気味で、度々トイレに立つ。名前がゲーム内で出たのは、インテグラルからである(名前自体はインテグラル以前に攻略本の小ネタコーナーに紹介されていた)。
[編集] 登場人物(フォックスハウンド)
- リキッド・スネーク(声 : 銀河万丈)
- FOXHOUND実戦部隊リーダー。今回のテロ事件の首謀者。スネークと同じ暗号名を持つ男。声は違うが容姿はソリッド・スネークと瓜二つ。元SIS出身で、10代で英空軍特殊部隊SASとして湾岸戦争に参加。スカッドミサイルの移動発射台を破壊する特殊任務に就く。一時はイラクの捕虜となるが、救出された後、FOXHOUNDに入隊する。戦士としてずば抜けた素質と能力を持っており、それはソリッド・スネークに勝るとも劣らない。劇中ではハインドでF-16戦闘機を2機、撃ち落とすなどの離れ業をやってのける。ソリッド・スネークを「兄弟」と呼ぶ。REXの上での格闘の末、REXから落下するも生還。ジープでスネークを追跡し、あと一歩の場所まで追い詰めるが、スネークとの接触により感染したFOX-DIEにより絶命。(実際はFOX-DIEではないことがメタルギアソリッド2のタンカー編で語られている)本人はビッグ・ボスの劣性遺伝子を受け継いでいると思い込んだまま息絶えるが、真相はリキッドが優性遺伝子を受け継ぎ、ソリッド・スネークは劣性であった。
- リボルバー・オセロット(別名 : シャラシャーシカ)(声 : 戸谷公次)
- FOXHOUND隊員。元スペツナズ所属。跳弾を自在に操る拳銃の名手であり、強制収容所の拷問特別顧問として参加したことがある程の拷問マニア。リキッドの補佐的存在。ソ連崩壊後、オモン特別任務民警支隊を経てロシア税務警察の突撃隊に身を置く。後にKGB第一管理本部を前身とするSVR(ロシア対外情報本部=スルージバ・ヴェネシュニイ・ラズウトキ)の特殊作戦部門に入るが、旧KGB体制に適応できずアメリカFOXHOUNDにスカウトされた。ソ連のアフガニスタン侵攻にも参加したことがあり、当時のアフガンゲリラからは「シャラシャーシカ」の通り名で恐れられる。西部劇やマカロニ・ウェスタンをこよなく愛すガンマニアであり、愛丁は西部劇でおなじみのコルト・シングル・アクション・アーミーである。スネークと対決するも、乱入したサイボーグ忍者によって利き腕の右手を切り落とされて逃亡。今回の事件の実質的首謀者(MGS2のリボルバー・オセロット項を参照)である彼も、この事態は予想外だった様だ。
- バルカン・レイブン(声 : 堀之紀)
- FOXHOUND隊員。ネイティブ・アメリカンとイヌイットの混血で、アラスカ大出身の巨漢のインテリ。バルカン砲をも振り回す怪力、それを背負ったまま走れる体力、シャーマンとしての超自然的能力を有する。アラスカのブルックス山脈等、人跡未踏の奥地で罠漁師(トラッパー)として狩りをするのが趣味。旧ソ連時代に極秘特殊部隊ヴィンペル部隊と共に特殊任務を行った経験があるが、93年のモスクワ騒乱事件で、大統領に左遷された多くのヴィンペル隊員と同じくロシアに見切りを付ける。その後OUTER HEAVENに参加しオセロットの紹介でFOXHOUNDにスカウトされる。額にワタリガラス(レイブン)の痣があり、全身にペトログリフィス(二千年前からネイティヴ・アメリカンの文化として残されている模様)の入墨を施している。本来、戦闘機に搭載されるM61A1を個人携行用に改造したものを武器とする。M1戦車戦では戦車を破壊され、部下の機銃主も全滅後逃亡。地下倉庫の戦闘でもスネークには敵わず、真実の断片を語った後、自らの部下であるカラス達に亡骸を食わせた。
- サイコ・マンティス(声 : 曽我部和恭)
- FOXHOUND隊員。ソ連時代のロシアにて生まれるが、出産時に母親を失う。強力な念動能力と読心能力、対象の視界を操作する能力を持つ。元はKGBの超能力諜報部員で、ソ連崩壊後はアメリカに渡り、FBIに籍を置いてサイコメトラーとして幾つかの事件を担当していたが、捜査中に連続殺人者の精神に没入・同化し、その結果、猟奇殺人を犯してしまい、以降はフリーの諜報専門エージェントに転向、後にFOXHOUNDにスカウトされた。初めて他人の心にダイブした相手は実の父親だった。しかしその中には彼の出産が原因で妻を失ったという思いから、彼に対する殺意しかなかった。その後、殺意への恐怖から衝動的に父親を殺して村を焼き払ってしまう。ザンジバーランドでの経験からスネークも彼と同じトラウマを持つ。他人の思念が入り込むのを防ぐ為、常時、マスクを着用している。特殊な音楽でメリルにダイブ(乗り移り)して、スネークと対峙させた。しかし、超能力が優れている半面、肉体的には鍛えられていない為、弱点を見切ったスネークに敗れ、静かに息を引き取った。
- スナイパー・ウルフ(声 : 中村尚子)
- FOXHOUND隊員。隊の紅一点で、ネパール出身のグルカ兵に学んだ超人的な狙撃技術と持久力を持つ天才スナイパー。実に一週間もの間、狙撃姿勢を保ち続けることができる。北方アーリア系の血を引く金髪碧眼の美女。クルド人。弾丸に水銀を詰めた特製マーキュリーチップを使用、抗不安薬を服用している。紛争地帯で生まれ、ビッグボスに拾われてアメリカへ。その後、FOXHOUNDへと入隊する。狼犬(ウルフドッグ)を家族とみなし、世話している。初戦である通信塔での狙撃戦には敗退するも、間もなく背後を取ってスネークを捕らえる。二度目の戦いとなった雪原で肺を狙撃され致命傷を負う。敵ながらメリルを丁重に扱う彼女に対して、スネークも最期まで優しく接した。また、オタコンから愛されていた。プライドからゆっくりと死んでいくことより一瞬で死ぬことを望み、スネークもこれを了承した。頭部をSOCOM MK23で撃ち抜かれ最期を迎える。
- デコイ・オクトパス
- FOXHOUND隊員。経歴は不明。変装の達人で、その徹底ぶりは声や姿はおろか、血液までも変装目標のそれに偽装してしまうほど。スネークから情報を引き出すべく、死亡したDARPA局長に化けていたが、独房にてスネークと接触したことにより、FOX-DIEに感染して絶命した。
[編集] リキッドの目的・理由
1970年代、政府は遺伝子を使ったクローンベビーを作りだした。計画名は「恐るべき子供達(レス=エンファントス=テリブレス)」、遺伝子提供は「伝説の英雄・ビッグボス」。8つの受精卵を2つに間引きし、その受精卵の遺伝子の能力発芽に更に手を加えた。劣性遺伝子はリキッド、優性遺伝子はソリッド。こうして犠牲の元にビッグ・ボスの遺伝子を受け継ぐ二人が生まれた。事実を知ったリキッドは優性のソリッドを妬んだ。ビッグボスは自分の後継者に、劣性遺伝子を持つリキッドを選んだ。その父をソリッドが殺した。ソリッドに対する憎悪は頂点に達する。リキッドは父親の遺志を継ぎ「アウターヘブン」を作る事を決意。そして近年、ビッグボスの遺伝子を投与されたゲノム兵士たちが奇病に倒れる兆候が出始めた。調べにより、ビッグボスの遺伝子を受け継いだ人間は、絶滅傾向にある事が判明した。自分達も長くは生きられない。その原因と対処法を調べる為、ビッグボスの遺体を要求した。リキッドは、若い頃から戦士として各地を転戦し、自分が生かされる場所は戦場にしかないと思っている。そして、冷戦が終わり紛争が減り、自分達戦士が生かされる場所、存在意義が失われ、戦士に対する敬意が失われていくことが許せない。そこで戦士達が真に活躍できる「戦場」を生み出すこと、即ち世界を再び戦火が吹き荒れる場所とすることがリキッドの目的になった。これは真に兵士が充足できる戦場を作り出そうとアウターヘブン、ザンジバーランドを作ったビッグボスの意志でもある。リキッドは、自分が劣性であるにも関らず、父親が自分を選んだことに憤慨し、ビッグボスを恨み、ビッグボスが成し遂げられなかったことを達成することで、父への恨みを晴らそうとする。
[編集] 驚異の造り込み
製作者の執念とも思えるような造り込みが、作品内で多く確認される。これらは小島作品名物の『隠しイベント』であり、本作品において完全に昇華したと言えるほど秀逸なものである。 また、ゲームならではの遊び心満載な悪戯も多い。
主なものに
- 『ケネス・ベイカー』の捕らわれている部屋に入らず、外から拳銃を撃ち込む』
- 『狙撃され倒れたメリルをスネークが撃つ』
- 『音声設定をモノラルに設定し、ハインドと戦うイベントに入ったら、大佐達に無線を入れる』
- 『マスター・ミラーと頻繁に通信していると、「死を懇願したとき、勝敗は決まる」という言葉を聞ける。実はこの言葉がとあるトリックの伏線になっている』
- 『地下通路の地雷原でメリルの忠告を無視する』
- 『ポリゴンデモ中に装備が反映される。例えばサーマルゴーグルを装備していると、真赤な画面のままイベントが進行する。』
- 『SOCOMをわざと入手せずに進むと、デモシーンでいつもと違ったスネークが見られる。』
- 『ダクトからメリルの独房を覗く時、出入りする度にトレーニングメニューが変化する。』
- 『机上の雑誌等、主観モードでのみ発見可能な小ネタが多数存在する。』
- 『マップ上には壁に張り付いた時のビハインドでしか見られないアングルが大量に存在する。』
- 『トラックの荷台等でダンボール箱を被ると、ダンボール箱に書かれている行先へ搬送される。』
- 『核保存棟B1で変装をしたメリルと合流する際、素早くメリルの後を追うとメリルの着替えが間に合わず下着姿に。』
- 『サイコマンティスの「ブラック・アウト」。画面が暗くなるが、その際右上に表示される文字はビデオでなく、実はヒデオである。』
- 『サイコマンティスが自己紹介する際にメモリーカードへアクセスし、何のゲームが好きか答える。小島秀夫作品が入っていると、小島秀夫の声で感謝を述べる。』
- 『カラスや鼠等の小動物も射程枠であるが、何度も狙撃すると大佐から無線が入り怒られる事も。』
- 『戦車格納庫2階ダクトではゲノム兵の殺害状況により情報が変化する。』
- 『2週目以降使用可能なステルス迷彩だが、嗅覚の鋭いウルフドッグを欺く事は出来ない。』
- 『2週目以降使用可能なカメラでは、時折心霊写真が撮れる。撮影可能なスポットは数十ヶ所に上る。』
- 『3周目クリア時にはスタッフロールの曲が変わる。』
- 『ウルフと決闘イベントがある雪原で、イベントが始まる位置まで行かずにニキータミサイルを発射し、雪原の奥にまで誘導すると、イベントが始まっていないのに既に狙撃体勢をとって待ち構えるウルフを確認できる』
- 『ウルフを倒した後、イベントが始まる位置まで行かずにニキータを撃ち、雪原の奥まで誘導すると、斃れて息も絶え絶えなウルフを確認できる』
- 『最初にメタルギアが格納されている場所に行った時、メタルギアの上部に登ってコントロール室の方を双眼鏡で見てみると…』
他にも多数存在が確認されている。
余談だが、ソリッド・スネークの本名は「デビッド※」、オタコンの本名は「ハル」。スネークが「まるで木星に行けそうなコンビだな。」と語るが、これは『2001年宇宙の旅』から来ている。(船長が「デビッド・ボウマン」、コンピュータが「HAL9000」、そして目的地が木星。)
※「デビット」とは、スネークが本名と「名乗った名前」であり、彼に「名付けられた名前」とは断定は出来ない。ちなみに今作以降この名前は出ていない。
尚、シリーズお馴染みのダンボールを被るという行動は、安部公房著の『箱男』のオマージュになっている。
[編集] コラボレーション
- マリオとヨッシー(任天堂から)……人形で登場。撃つとボイスが聞ける。(TTSのみ)
- ゲームキューブ本体とウェーブバード・・・・・上記のマリオの人形と同じ部屋にある。(TTSのみ)
- 任天堂のWii向けに開発中のゲームソフト大乱闘スマッシュブラザーズXにソリッド・スネークが参戦。
[編集] ラジオドラマ
文化放送系のアニラジ番組CLUB dbの枠にて、本作のラジオドラマ版が1998年10月24日から1999年1月9日にかけて放送された。監督は小島組の村田周陽が担当している。
脚本はゲーム本編の軍事アドバイザーを担当した毛利元貞が手がけた。スネークやメイ・リン、メリル、キャンベル大佐といったおなじみのキャラクターは登場するものの、ゲーム本編のストーリーとはほとんど関係ないうえ、メタルギアシリーズの特徴である「無線で指令や補佐を受けつつ、単独で潜入任務をこなす」というシチュエーションにもあまりこだわっておらず、毛利氏個人による軍事フィクションとしての色合いが強い。
[編集] スタッフ
- 製作:池田孝治(コナミ)
- 監督:村田周陽(コナミ)
- 脚本:毛利元貞(モリインターナショナル)
- 演出:岩浪美和
[編集] 独自の登場人物
[編集] 関連項目
- 核兵器
- ヒトゲノム
- 戦略兵器削減条約
- 新川洋司 - シリーズにおけるキャラクター及びメカニックのデザインを担当
- 北村龍平 - 『メタルギアソリッド ツインスネーク』のポリゴンデモパートの演出を担当
- ソリダス・スネーク
- リキッド・スネーク
- ネイキッド・スネーク
- 小島秀夫 (ゲームデザイナー)
- コナミ
- 自由の息子達 - アメリカ独立戦争以前の史実。愛国者(Patriot)が自由の息子達(Sons of Liberty)と名乗った。
- ニューヨーク1997 本作の原案とされている作品。
[編集] 外部リンク
- METAL GEAR SOLID 公式サイト
- METAL GEAR SOLID INTEGRAL 公式サイト
- METAL GEAR SOLID THE TWIN SNAKES 公式サイト
- 小島プロダクション公式サイト
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メタルギア | MG - MG2 |
メタルギアソリッド | MGS - MGS2 - MGS3 - MPO - MGS4 |
メタルギアアシッド | MGA - MGA2 |
その他の作品 | SR - GB - DCMofMGS2 - MGO - BD |
関連項目 | 架空の兵器 - 登場人物 - 装備一覧 - 用語一覧 |
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