音声通話定額制
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
音声通話定額制(おんせいつうわていがくせい)とは、電話の本来の機能である音声通話の際に、従量制によらず、いくら話しても同額(話し放題)になる料金制度である。日本国内では長い間もっぱら通話時間による従量課金であったので、注目された。日本以外の国では、市内通話については基本料金に含まれるとする国も多く、たとえばアメリカ合衆国ではそのことがブロードバンドの必要性を低くし、その普及を遅らせたと言われる。
日本国内では、2006年11月現在、IP電話および携帯電話・PHSの一部事業者においてのみ提供中である。
なお、この記事においては電気通信事業としての電話についてのみ扱う。元来通話料が適用されないインターネット電話等(VoIP)は、それらの項目を参照のこと。
また、一部携帯電話におけるプッシュ・ツー・トークによる定額制についても同項を参照のこと。
目次 |
[編集] 日本国内でのサービス
[編集] 固定電話
2006年10月時点で、日本国内の固定電話サービス(IP電話を除く)のうち、音声通話定額制サービスを提供していたのは、ソフトバンクテレコム(平成電電から事業譲渡)の直収電話サービス・CHOKKAのみであったが、同年10月31日をもって廃止された。[1]
CHOKKAの場合、一定額のオプション料金(追加料金)により定額制サービス「かけ放題」が利用できた。ただし、定額制が適用されるのは、CHOKKAユーザー同士の通話に限られていた。
(なお以前は、1ヶ月合計60時間まで、相手先が事前登録済の5番号まで(それ以上はさらに追加料金必要)などの制限があったが、2004年3月5日以降はこれらの制限が解除された新サービスが提供されていた。)
平成電電の経営破綻、ソフトバンクテレコムへの事業譲渡により、CHOKKAサービスは新規申込停止となり、2006年10月31日でサービス終了した。[2]
CHOKKA契約者はソフトバンクテレコムの「おとくライン」に契約移行されるが、「かけ放題」サービスは廃止された。[3] 直収電話の項目も参照。
[編集] IP電話
IP電話の記事を参照。
[編集] 携帯電話・PHS
ウィルコムは連続通話時間に、KDDIは連続通話時間および月間の合計通話時間に制限がある[要出典]が、ソフトバンクモバイルにおいてはいくつかの種類の通話定額サービスがあり、それぞれにおいて制限が異なる。
なお、国際ローミング等による通話は定額制の対象外である事が多いため要注意である。
[編集] ウィルコム
ウィルコムの場合、「基本料金プラン」の一つである「ウィルコム定額プラン」としての音声通話定額制サービスが2005年5月1日より提供されている。なお、ウィルコム定額プランのためのパケット定額オプションも存在する[4]。
定額制の適用対象通話は、当初、ウィルコム(ウィルコム沖縄を含む。以下同)のPHSユーザー同士の通話に限られていたが、2006年10月20日より、ウィルコムから他社PHSに掛けた場合も定額対象に加えられた。これにより、全PHS・070番号への通話が全て定額制対象となった。
ウィルコムは公式発表で、定額制適用対象への2時間45分以上の連続通話に関しては「従量課金」対象とし、また16時間以上の通話に関しては「ネットワーク側で切断」を行う可能性があるとしている。ただし、これは連続通話時間であるので、一度切ってかけ直せばよい。また、定額制適用対象に関して、合計通話時間の制限や、通話相手を限定すると言う制限はない。
ウィルコムドメインでのメール送受信は定額で行え、ウィルコムドメイン以外のメールアドレスでの送受信はパケット課金対象となる。
- ウィルコム定額プラン
- 月額2,900円(基本使用料含む)で、全PHSへの通話が定額で利用できる。
- ウィルコムビジネスタイム定額トリプルプラン (仮称) 2007年6月1日開始予定。
- 月額1,900円(基本使用料含む)で、1時~21時の全PHSへの通話が定額で利用できる。3回線以上の契約が必要。
[編集] ソフトバンクモバイル
ソフトバンクモバイルにおいて、音声通話定額制が適用されるのは、ソフトバンクモバイルユーザー同士の通話である条件のほかに、種々の条件(オプション)がある。
- ソフトバンクモバイル以降のプラン
-
- ゴールドプラン
- 2006年10月26日開始。月額9600円のプランで、ソフトバンク回線への通話が午前0時59分から午後9時まで全て無料となる。午後9時から翌午前0時59分までは月間合計200分まで無料、以降30秒21円で課金される。テレビ電話サービスおよび国際ローミングサービスによる通話は対象外となる。それに付随してスーパー安心パックとスーパー便利パックが契約されるなど、いくつか留意すべき点がある。継続割引、家族割引との併用可。
- ホワイトプラン
- 2007年1月16日開始。月額980円のプランで、ソフトバンク回線への通話が午前0時59分から午後9時まで全て無料で、それ以外の通話(他社への通話、無料時間帯以外の通話)は30秒21円で課金される。テレビ電話サービスおよび国際ローミングサービスによる通話は対象外となる。このプランに継続割引は存在しない代わり、いつ解約しても違約金は発生しない。
- ボーダフォン時のプラン
- 前述のゴールドプラン、ホワイトプランが登場したため、後述のオプションは広告されなくなった。現在でも契約可能ではあるが、2006年10月の料金改訂以前のプランにする必要がある。
- 家族通話定額
- 「家族割引」加入者で且つ月額315円のオプション加入者を対象に、同一の家族割引サービス対象回線への発信が定額となる。プリペイド以外のすべての携帯電話において加入できる。ただし、SoftBank 3G対応機種でのテレビ電話サービスおよび国際ローミングサービスによる通話は対象外となる。
- LOVE定額
- 月額315円のオプション加入によって、ソフトバンク回線の1つの電話番号に対する通話が定額となる。なお、テレビ電話による通話は定額制が適用されず、半額になるのみである。また、指定した相手へのメール送信・相手からのメール受信についてもスーパーメール以外のメールサービスは定額の対象になる。LOVE定額の新規申込は2007年2月28日、既存ユーザーの申込は5月31日をもって終了となる。
- 法人向け
-
- ソフトバンクモバイルオフィス(通称:社員間通話定額)
- 2004年12月1日開始。登録した特定グループ(オンネットグループ)の第三世代携帯電話(SoftBank 3G)に限り、同社携帯電話間や、携帯電話→固定電話について音声通話定額制を適用。
[編集] NTTドコモ
- OFFICEED
- NTTドコモでは2007年2月より、法人向けに音声通話定額制「OFFICEED」(オフィシード)を開始する。ユーザー企業のビル内に屋内基地局とアンテナを設置すると、登録した端末同士のエリア内での通話が定額となる。
[編集] KDDI
au by KDDIにおいては、法人向けの定額通話制を提供している。
- OFFICE WISE
- 登録した特定の携帯電話に限り、同社携帯電話間による法人等内での内線通話に通話定額制を適用。
- ビジネス通話定額
- 2006年11月1日にサービスを開始した法人向けの音声通話定額制。
[編集] 各キャリア別トータルコストの比較
[編集] 一般向けプラン
キャリア | 料金プラン | 基本料金 | 割引適用後(初年度) | 無料通話分 | 基本料金 - 無料通話分 | 定額通話の対象 | パケット通信料 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
ウィルコム | ウィルコム定額プラン | 2,900円 | 2,900円 各種割引の対象外 |
0円 | 2,900円 | 全てのPHS回線 | 0.021円/パケット |
ソフトバンクモバイル | ホワイトプラン | 980円 | 980円 各種割引の対象外 |
0円 | 980円 | すべてのソフトバンクモバイル携帯電話回線(1:00~20:59までが対象。21:00~翌0:59は従量課金) | 0.21円/パケット (SoftBank 3G) S!ベーシックパック等月額315円が別途必要。 |
ゴールドプラン | 9,600円 | 6,048円 (継続割引/家族割引) |
0円 | 6,048円 | すべてのソフトバンクモバイル携帯電話回線(21:00~翌0:59の時間帯は1ヶ月に累計200分まで) | ||
ライトコールパック+LOVE定額 | 3,990円 | 3,438.75円 ((旧)スーパーボーナス) |
1050円 (最大通話25分) |
2,388.75円 | ソフトバンクモバイルの設定1回線 ボーダフォン時代の料金プランにのみ適用。 |
- ウィルコム定額プランは2台目以降の料金が2,200円、ライトコールパックの2台目以降(副回線)は基本料金と無料通話が半額となる。
- ホワイトプランにおいてウェブやS!メールの利用には、「S!ベーシックパック」(月額315円)への加入が必要となる。なお、加入しなくても、ソフトバンク同士のメールの送受信は終日無料、他社からのメールは128字以内は無料、それ以上でも全文受信しない限り受信無料となる。
[編集] 法人向けプラン
キャリア | 料金プラン | 基本料金 | 割引適用後(初年度) | 無料通話分 | 基本料金 - 無料通話分 | 定額通話の対象 | パケット通信料 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
ウィルコム | ウィルコム定額プラン | 2,900円 | 2,200円 (法人割引) |
0円 | 2,200円 | 全てのPHS回線 | 0.021円/パケット |
ウィルコムビジネスタイム定額トリプルプラン (仮称) | 1,900円 | 1,900円 各種割引の対象外 |
1,900円 | 全てのPHS回線(1:00~20:59までが対象。21:00~翌0:59は従量課金) 2007年6月1日開始予定。 |
|||
ソフトバンクモバイル | ソフトバンクモバイルオフィス | 5,460円 | 3,822円 (法人特別割引+法人割引) |
0円 | 3,822円 | オンネットグループに指定した回線(2回線以上) | 0.21円/パケット S!ベーシックパック月額315円が別途必要。 |
au(CDMA 1X WINの場合) | ビジネス通話定額 プランM | 9,765円 | 7,547円 (グループディスカウント+年割) |
4,252円 (最大通話約144分) |
3,295円 | グループに指定した回線(10~299回線) | 0.21円/パケット Ezweb基本料月額315円が別途必要。 |
[編集] 日本国外でのサービス
北米を中心にプッシュ・ツー・トークサービスで通話定額制が導入されている。
[編集] 脚注
- ^ なお、NTT東西においても「テレホーダイ」と言う、深夜時間帯に限った定額制サービスが以前から提供されてはいるが、本項目においては対象外とする。
- ^ 参照
- ^ 参照
- ^ 音声通話定額制サービス対象の「ウィルコム定額プラン」でパケット定額制となるオプション「リアルインターネットプラス」が2005年7月1日より開始された。
[編集] 関連項目
- Fixed Mobile Convergence
- 平成電電
- 直収電話
- IP電話
- ウィルコム
- ゴールドプラン
- ホワイトプラン
- しまクリーズ(ボーダフォン4つの定額)
- ソフトバンクモバイルオフィス
- 携帯電話・PHSの定額制サービス
[編集] 外部リンク
カテゴリ: 出典を必要とする記事 | 予定 | 書きかけの節のある項目 | 電話 | 携帯電話の料金システム | 携帯電話関連のスタブ項目