音速
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音速(おんそく)は、物質(媒質)中を伝わる音の速さのこと。物質の種類や状態(固体、液体、気体)、温度、気圧などによってその速さは異なる。
国際標準大気(ISA)海面上気温での音速約 340 m/s ( = 1225 km/h)は航空機などの大気との相対速度の基準(マッハ数)になっている。
ちなみに 1 気圧中の音速の計算方法は 331.5 + 0.61t (t は摂氏温度)である。これは以下に示される気体中の音速の式の摂氏0度における接線をとった近似式である。
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[編集] 定義
[編集] 気体
気体において、音速は比熱比と気体定数、温度に依存する。 ここで κ を気体の比熱比、R を気体定数、T を気体温度、"M"を気体の平均分子量とすると音速 c は
と表される。 もしくは、気圧 p [N/m2] と密度 ρ [kg/m3] を用いて
とも表せる。
[編集] 固体
固体においては、弾性率を M とすると通常、
となる。媒質としての固体が等方的で無限に広がっているとすると、固体中の音速は縦波のものと、横波のものが存在する。それぞれの音速は、縦波のものを cl 、横波のものを ct とすると、
となる。E が縦波に対する弾性率、G が剛性率である。
[編集] 音速飛行の記録
- 1947 年 10 月 14 日に公式記録として世界で初めて有人の航空機 (X-1) が音速を越えた。
- 2004 年 3 月 27 日に空気取込み式(エア・ブリージング)エンジン搭載の無人実験機 (X-43A) が音速の 7 倍をマーク(7,700 km/h)。