高千穂町
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
|
高千穂町(たかちほちょう)は、宮崎県の北端部にある町で、西臼杵郡に属している。
目次 |
[編集] 地理
宮崎県の北端部、九州山地の中に位置しており、町域の西北部から北部にかけては熊本県に接し、北部から北東部にかけては祖母山(標高1,756m)を挟んで大分県と接する。町域西部から南東部に向かって五ヶ瀬川(ごかせがわ、全長106km)が流れる。町の中央部にある高千穂駅(現在営業休止中)および宮崎交通高千穂営業所の周辺地域が町の中心部となっている。町中心部からやや南側の高千穂峡(たかちほきょう、正式には五ヶ瀬川渓谷)は観光地として有名。
位置は県庁所在地である宮崎市から北西へ約120km、熊本市から南東へ約80kmの場所にあたる。県都・宮崎市へは直通する交通機関もなく、また高速道路もまったく整備されていないため片道3時間以上かかるのに対し、熊本市へは阿蘇方面へ抜ける国道218号線・国道325号線が整備され通行が容易で、所要時間も約1時間半程度で到達できるため、熊本県との関係が年々深くなりつつある。
これは今に始まったことではなく、阿蘇山麓との方が交通の便が良かったのは古代からであった。すなわち馬で五ヶ瀬町の馬見原、鞍岡に抜ける218号線が旧街道で、高千穂鉄道(日の影線)が出来るまでの幹線だった。自動車で325号線方面に向かうルートは、九州山地をダイレクトに横断する必要があるため、通行が容易ではなかったし、日之影から高千穂を抜けて阿蘇の外輪山を下る高森峠に抜ける道は今でもヘアピンカーブが多く、台風による土砂崩れが2006年に起きている。
空港も熊本空港利用が一般化しているだけでなく、熊本市の繁華街や郊外ショッピングモールに買い物に向かう町民も増加。また、高千穂町など西臼杵郡が地盤の宮崎県北部信用組合も県境の壁を越えて熊本県信用組合への合併統合を選んだ。
[編集] 隣接している自治体
[編集] 行政
- 町長 内倉信吾(2007年1月~ 1期目)
[編集] 歴史
[編集] 神話~古代
日本神話においては、ニニギの天孫降臨の地とされている。またアマテラスがこもったとされる天岩戸が町内にある(もっとも、他地域にも天岩戸とされる岩は存在しており、必ずしもその岩が天岩戸と特定されているわけではない)。
なお古代においては、この臼杵群の高千穂町一帯を上高千穂と呼び、外輪山を含む阿蘇山全てを下高千穂と呼び、千穂は「ちお」と読んだことが、阿蘇神社縁起や宇佐八幡託宣集などの古文書、あるいは平安時代に書かれた和名鈔で確認できる。
[編集] 中世・近世
中世の九州では阿蘇神官家の菊池氏が最大守護大名であって、その分家の甲斐氏の所領が高千穂一帯の二上山から鞍岡にかけての五ヶ瀬方面の山岳部にあった。このため高千穂町は、常に、阿蘇山と連動した歴史を歩んでいる。三田井氏が、現在の高千穂峡谷付近の三田井の領主だったのに対し、甲斐氏は、菊池氏の外戚の国人で、菊池氏が足利時代に内紛を起こした南北朝以後熊本に進出した。このため16世紀の甲斐親宣から甲斐宗運の時代、この地域の人々は戦国大名となって、大分の大友宗麟とある時は結び、ある時は戦闘しながら、熊本県南部の島津氏と火縄銃を用いた全面戦争をしており、九州における真田幸村のような立場になっていた。
大友氏が島津と争う中、秀吉の介入を招き、熊本方面に加藤清正が入って以後は、延岡に三河 出身の内藤家が居城を構えるようになり、江戸時代になってから、高千穂町は始めて延岡と結びつくようになった。以後、内藤藩の下で戦国時代以来の宿敵島津氏のお目付け役になっていったという経緯がある。
[編集] 近現代
1920年から町北部の土呂久(とろく)地区で硫砒鉄鉱が採掘され、町の経済を支えたが、1962年に閉山している。この鉱山から亜ヒ酸が流出し、鉱毒事件を引き起こした。 1970年に国道325号線が出来て以後、阿蘇のやまなみハイウウェィに至る観光ルートに組み込まれている。主な現在の産業は林業である。
[編集] 産業
[編集] 農産品
[編集] 地域
[編集] 教育
[編集] 高等学校
[編集] 中学校
- 町立
- 高千穂中学校
- 向山中学校
- 田原中学校
- 岩戸中学校
- 上野中学校
[編集] 小学校
- 町立
- 高千穂小学校
- 押方小学校
- 向山北小学校
- 向山南小学校
- 田原小学校
- 岩戸小学校
- 上岩戸小学校
- 上野小学校
- 五ヶ所小学校
[編集] 交通
![]()
夜神楽が行われる高千穂神社
|
- 最寄り空港は熊本空港。
[編集] 鉄道
[編集] 道路
[編集] 一般国道
[編集] 県道
- 主要地方道
- 宮崎県道7号緒方高千穂線
- 宮崎県道8号竹田五ヶ瀬線
- 宮崎県道50号諸塚高千穂線
[編集] バス
宮崎交通が運行している。
- 一般路線
- 高千穂バスセンター=高千穂駅=延岡(延岡駅前バスセンター)
- 高千穂バスセンター=五ヶ瀬町役場=鞍岡=波帰
- 特急:延岡市~北方町~日之影町~高千穂町
- 特急「あそ号」:熊本市~熊本空港~西原村~南阿蘇村~高森町~山都町~高千穂町
- 高速「ごかせ号」:福岡市~久留米市~八女市~高千穂町
[編集] 名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
日本神話を骨子とした観光展開を行っており、宮崎県全体に広がる「ひむか神話街道」の中心を担っている。
[編集] 名所・旧跡・観光スポット
[編集] 伝統芸能
[編集] 高千穂町出身の有名人
[編集] 高千穂町を舞台とした作品
- 高千穂伝説殺人事件(内田康夫著)
- テレビドラマ