鴨川源二
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鴨川 源二(かもがわ げんじ)は、森川ジョージの漫画作品及びそれを原作とするアニメ『はじめの一歩』に登場する架空の人物。アニメ版での声優は内海賢二。
[編集] 人物
鴨川ボクシングジム会長。頑固一徹で根性論を説きながらも科学的根拠に基づいたボクシング理論や厳しい指導から現役の世界ミドル級王者鷹村守や、東洋太平洋王者であった宮田一郎の父親など、数多くの優秀なボクサーを育て上げた名伯楽。試合ではセコンドも務める。主人公・幕之内一歩が最も尊敬し強い信頼を寄せるボクシングの師である。
現役時代は「鉄の拳」を武器に戦中・戦後のボクシング界で活躍したインファイターであったが、時代に恵まれず世界に出ることはかなわなかった。猫田銀八、浜団吉とは戦中当時からの拳闘仲間でありライバル。拳友である猫田・浜の敵討ちとなった対ラルフ・アンダーソン戦の前には、体格差を克服する策として、自らの拳で丸太を川の土手に打ち付ける荒行を行い、無類のハードパンチ「鉄拳」を手に入れる。
試合では大苦戦しKO寸前まで追い込まれるが、敗戦後の負傷を押してセコンドに現れた猫田のアドバイスを元に、ついに「鉄拳」をボディーにめり込ませ勝利。そのエピソードの際に出逢った被爆者の娘・ユキとつかの間心を通わせるが、その一方で猫田のユキへの想いに気付き、生涯を拳闘に捧げる事を宣言して、その旅立ちを見送った。昭和初期に生きた男の尊厳と男気を体現した好漢として描かれている。なお、鴨川の妻子に関する言及は作中では全くないため、この宣言どおり独身を貫いてきたと思われる。
戦争で全盛期を逸した、科学的なボクシングを追及したなど現役時代の姿には日本人初の世界チャンピオンである白井義男の姿が投影されているとも考えられる(同様にライバルの猫田には当時のボクサーの代表格であるピストン堀口の姿が投影されている)。
70歳をとうに過ぎてなおその秘めたセンスと実力は錆びついておらず、スパーリングでは毎回鷹村や一歩のハードパンチャー相手にパンチングミットを持ち(さすがに最近は息切れするようになったが)、酒の勢いで始まった鷹村との取っ組み合いでタイミングバッチリのカウンターをジャストミートしたり、猫田との挨拶代わりの打ち合いが周囲には「不覚にも見えなかった」り、と老人とは思えない機敏な動きを見せることがある。モデルはアベジムの会長、阿部幸四郎。また、リング上でのセコンドぶりやそのトレーナーとしての姿勢はカス・ダマトのそれも投影されていると思われる。
ジムの練習以外で外を出歩く時は必ずカンカン帽とステッキを愛用している。ステッキは足腰が悪いからというより、鷹村たちの馬鹿騒ぎをブッ叩いて一喝したり、一歩たち門下生に説教する為に持ち歩いているようである。
一歩のことは名前で呼ぶことはせず常に「小僧」と呼び(ごく初期のみ「幕之内」と呼んでいた)、厳しい練習を課し叱咤激励しながらも、己の教えを体現し成長していく一歩の姿に現役時代の自分を重ね合わせて温かく見守っている。
言語力があり名言も数多く残している。その代表作で、初めての世界戦に望む鷹村に贈った言葉「努力したものが全て報われるとは限らん。しかし! 成功した者は皆すべからく努力しておる!!」は作品の掲載元である講談社週刊少年マガジン編集部にも張り紙されているらしい。名言ではあるが、よくある『すべからく』の誤用の一例にもなってしまっている。
[編集] 得意技(現役時代)
- 鉄拳(その威力はウェルター級のアンダーソンの肋骨をたった一撃で粉砕骨折させる程だった。ちなみに鴨川はバンタム級。)