麻雀格闘倶楽部
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
麻雀格闘倶楽部(マージャンファイトクラブ MAH-JONG FIGHT CLUB)はコナミが発売したアーケード用麻雀ゲーム。ネットワークを使用して全国のプレイヤーと対戦できる。
また、2004年12月12日に同名のプレイステーションポータブル用ソフト、2006年11月11日にプレイステーション3用ソフト、2006年12月7日にニンテンドーDS用ソフトが発売された他、携帯電話用サイトで一部の機種向けにも配信されている。
目次 |
[編集] アーケード版
[編集] 概要
麻雀格闘倶楽部の筐体は、サーバとしての機能を持つセンターモニターと、プレイに使用されるクライアントから構成される。4まではこれらと別にエントリーカード(後述)の販売機が設置されている(5ではエントリーカードがe-AMUSEMENT PASSに変更されているため(e-AMUSEMENT PASSのリーダーは4までにおいて指紋センサーがあった部分に、それと置き換える形で存在する)、販売機ではなくBASEBALL HEROESのセンターユニットで購入するケースもある)。
センターモニターにはプレイヤーの全国ランキング等が表示される。
クライアントにはタッチパネルがついており、これに触れることで捨牌などの操作を行う。
[編集] ゲームモード
アーケード版のゲームモードは以下の通り。
- CPU戦
- 1人でCPU3人との東風戦を行う。4以降ではプロ雀士を模したCPU3人と対戦できるモードに変更された。
- 店内対戦
- 同じ店内のプレイヤーと東風戦を行う。人間4人での対戦はできない。CPUが必ず1人は入る。
- 全国段位別戦(東風・半荘)
- ネットワークを介して4人で東風戦、または半荘戦を行う。対戦相手は「10級から1級」「初段から参段」「参段から六段」「七段以上(黄龍も含む)」同士の対戦となる。足りない場合はCPUが代打ちする。
- 全国東風リーグ・全国半荘リーグ
- ゲーム内の有段者が参加できるモード。4人で東風戦もしくは半荘戦を行う。足りない場合はCPUが代打ちする。定期的に成績が集計され、それによってリーグの移動がある。
- 日本プロ麻雀連盟公認 段位認定
- ゲーム内の有段者は日本プロ麻雀連盟公認の段位認定試験に挑戦できる(なお、ここでは申し込みのみであり実際の認定はリーグ戦での戦績で合否が決定する。全国トーナメントリーグでは受験不可)。初段以上に認定されたプレイヤーは日本プロ麻雀連盟の段位免状の発行を受けることができる(有料。また、KONAMI IDへの登録が必要)。
- 全国オンライントーナメント
- 3で追加された、新モード。上段A,Cブロック、下段B,Dブロックに各4名、計16名が入り、1回戦、2回戦は12分間の時間制で行なわれ、決勝戦のみ普通の東風戦とされた。1,2回戦は親連荘無しで東1局からいける所までいった。流れが速い時は、西局まで入ることもあった。流れとしては、A,Bブロックの上位2名とC,Dブロックの上位2名が準決勝を行い、準決勝勝者各2名が決勝戦。決勝戦で優勝するとオーブ1個とトーナメントメダルが1個もらえた。10個で勲章1個に変わる。この数が4の新モード全国トーナメントリーグの最初のリーグ割り振りの参考にされた。(CⅠ~CⅢに割り振られた。尚4から始めた者は段位関係なく全員CⅢから始まる)ロケテスト当初1,2回戦の12分間時間制は、12分ジャスト経った時点での1,2位を決めていたが、1分切ると1位や2位の打ち手がタイムオーバーを狙い意図的に遅く切ったり、長考を押し時間稼ぎをしたので、12分間経った時のその局が終了するまでと改定された。例えば、南3局開始直後に12分過ぎた場合は南3局終了までとされた。ロケテスト時は人が少なかった為、ほぼ全ブロックにプロCPUが入り、3から初めて1つの卓に複数、プロCPUが参戦することになった。当初製品版では、プロCPUが足りない場合A~D各ブロックに1人入っていたが、勝ち星が取りやすくなり、東風リーグと較べて不公平だという意見が相次ぎ、A,Cブロックには普通のCPU、B,DにはプロCPUが入った。
- 全国トーナメントリーグ
- 4で追加された有段者限定のモード。全3回戦制のトーナメント形式で実力を競う。(予選では上位二名勝ち抜き形式、一回戦上位二名+他の一回戦上位二名が二回戦を行なう、決勝戦も同様)。なお、全国トーナメントリーグのみ、順位点が他のモードと異なる。全国東風リーグ・全国半荘リーグと同様に定期的に成績が集計され、それによってリーグの移動がある。足りない場合はCPUが代打ちする。
- 麻雀初心者専用卓
- 4から追加された。級位者限定のモード(初段から級位に転落した者は参加できない)。通常のゲームモードよりも思考時間が長くなっているほか、ドラ牌、役牌にマークが付いたり、捨てると聴牌になる牌のナビが標示される。
- 全国三人打ち麻雀
- 5で追加された。ネットワークを介して3人で半荘戦を行なう。足りない場合はCPUが代打ちする。
- 日本プロ麻雀連盟公認「競技麻雀卓」
- 6で追加された新モード。30000点持ちの半荘戦で、赤無し、一発無し、裏ドラ、カンドラ、カン裏ドラ一切無しの実力重視麻雀モード。ロケテスト当初黒い麻雀牌であったが、余りの見難さにすぐ普通の牌に変更された。足りない場合は、CPUが代打ちする。点数の動きが少ない為、3900点以上満貫未満の和了で固有のエフェクトが追加された。(ロケテストでは3900点以上で稲妻が落ちた。)ウマ(順位点)に関しては、トップが原点(3万点)を超えているか、いないかなどにより変化する。
[編集] ゲームプレイの流れ
- クレジットを投入し、エントリーカードを挿入する(逆でも可)
- エントリーカードを挿入した後、指紋照合とパスワード入力による認証が行われる(5では指紋認証はない)。新しいカードの場合は指紋・パスワード・名前の登録を行う。
- ゲームモードを選ぶ
- 前述したゲームモードの中から参加したいモードを選び、ライフ制か買い取りかを選択する。
- ライフ制の場合は、点棒とは別にライフが設定されており、それが0になってしまうとコンティニューしなければならない。対局中にライフ0になりコンテニューしなかった場合、そのプレイヤーと同レベルのCPUがプレイを引き継ぐ(他のプレイヤーの画面上ではそのプレイヤーのところがCPUになる。なお、対局途中終了者が出た場合も同等)。
- 買い取りを選びたい場合はモードに応じた追加クレジットが必要になる場合がある。
- 対局
- 画面上の牌に2回タッチすることで捨牌を行う。また、ポン・チー・槓・立直・和了が可能な状況では対応するボタンが光り、それにタッチすることでその動作を行う。
- 採用されているローカルルールは以下の通り。
- ありあり(後付け及び喰い断あり)。
- 喰い替えは3まではリーグ戦においてはなしであったが、4以降一律でなしとなった。
- 二飜縛りなし、八連荘あり。
- ドラは基本4種(ドラ、裏ドラ、槓ドラ、槓裏)と赤ドラ(五筒2枚、五萬と五索各1枚。5の3人麻雀では五筒と五索が2枚ずつ)。花牌なし。
- 1,000点未満での立直は不可。
- 流局時は親の聴牌・ノーテンにかかわらず輪荘、四人立直は流局せず続行。流し満貫はあるが流局として扱う。
- 四風子連打、四開槓、九種九牌倒の成立は途中流局となり輪荘(4以降は九種九牌倒のみ連荘、5の3人麻雀は四風子連打なし)。
- 包は大四喜・大三元・四槓子に適用(四槓子への適用は5から)。
- 大車輪は純正(2~8の筒子)のみ。
- 国士無双13面待ちにフリテンあり。
- 国士無双の場合のみ暗槓に対する槍槓が成立。
- 九連宝燈は4までは萬子のみ、5では全種で成立。
- 人和は役満。
- ぶっとびあり(誰か1人が0点以下になったら即終了)。
- 両家和・三家和ともにあり。
- ゲーム終了後
- ゲーム終了後、点棒により継続プレイに必要なクレジットが変化する。
[編集] イベント卓
5より登場した5日ごとに開催される特別ルール。
- クラブスコア2倍卓
- クラブスコアの収入と支出が2倍になる。ルールは東風戦と同じ。
- ドラドラ卓
- 開始時、表ドラが2枚になっている。
- 導火線卓
- 最後の自模を行った山がある面子の収支が2倍になる。割れ目ルールのようなもの。
- 黄龍闘技場
- 黄龍限定参加。黄龍オーブの移動が増えるルール。
[編集] クラブシステム
一ヶ月ごとにクラブスコア集計をして店内雀士を決定する。その中でTOP10入りを果たすと店内称号が授与される。
更にクラブスコア全国一位の店舗には全国総本部。都道府県一位の店舗には本部の称号が手に入る。
6ではクラブリーグシステムが導入され、上位のリーグに所属する店舗の店内称号所有者にはドラゴンメーター加算時にボーナスが追加される。
[編集] ドラゴンジャックポットシステム
6より採用。店内のプレーヤーがあがった点数により、加算されていく。ある一定値をこえるとドラゴンジャックポットが発動。発動中に店内で一番最初に3個オーブを獲得した人(連勝でなくても良い)にその溜まった分のポイントをドラゴンメーターに加算できる。20万で勝ち星1つなので、ロケテの基準(100万超えで発動)通りであれば大体勝ち星5個分となる。誰かが獲得すると又ゼロに戻る。
[編集] 雀指数
6からの新モード「競技麻雀卓」において採用された。黄龍レベルや段位レベルに応じて決められた指数からスタート。自分より強い相手に勝てば大幅プラス。自分より弱い(低い)相手に負けると大幅ダウンする。相手の実力を把握する指標。プロ本人にも数値が決められている。
[編集] エントリーカード
コナミのe-AMUSEMENT対応のカードを使用することができる。なお5以降ではe-AMUSEMENT PASSになっている。
カードを使用すると段位や戦績、役ごとの和了回数などの情報が保存できる。
カードの有効期限は60日であったが、3以降では180日になった。(最後に使った日から)
[編集] 段位システム
カードを使用しているプレイヤーにはそれぞれ段位が設定されている。初回プレイ時は10級から始まり、初段に上がるまでは獲得点棒や損失点棒等により算出される経験値により昇格・降格が発生する。
初段になった時点でプレイヤーにファイトオーブが与えられ、対局時にオーブを獲得することで昇格、オーブを失うことで降格となる。
[編集] 四神
初段になった際(一度四神から降格したプレイヤーが再び初段にあがった場合も含む)にそれまでのプレイの傾向から以下の4つのいずれかの称号が与えられる。
なお、有段者はゲーム中の画面でも自分の称号を確認することができる。また、先述したとおり段位については所持するファイトオーブの数が基準となり、基本的にはファイトオーブが減ると降格となるが、一度一定以上のファイトオーブを獲得すると四神マスターとなり、それ以降降格はしない(後述する黄龍からの降格を除く)。
初段になるまでに一度以上役満を和がると、必ず青龍となる。
[編集] 黄龍
四神マスターになった状態で3連勝すると黄龍という特別な階級となる。黄龍になったプレイヤーにはファイトオーブの他に黄龍オーブが与えられ、黄龍同士の対戦ではファイトオーブではなく黄龍オーブが移動することになる(それ以外の対戦ではファイトオーブが移動することになる)。この黄龍オーブの所持数による称号も存在する。
黄龍オーブがなくなった場合、所有するファイトオーブに応じた四神に降格となる。もしこのときにファイトオーブもなくなっていれば1級に降格してしまう。
[編集] プロ雀士
麻雀格闘倶楽部の大きな目玉となっており、日本プロ麻雀連盟のプロが多数参戦している。カミソリ灘の灘麻太郎、ミスター麻雀小島武夫、姉妹女流雀士二階堂瑠美・亜樹他、「ムツゴロウ」でおなじみの畑正憲も連盟トッププロである。段位は灘、小島両氏と同じ最高段位九段である。ちなみに「亜空間殺法」でおなじみであり、2004年3月27日に食道癌によりこの世を去ってしまった故安藤満プロ九段も2には参戦していた。CPUは2の顔写真を使用し、3まで参戦。麻雀格闘倶楽部の監修などもプロ連盟が行っており、いまや連盟無しには成り立たない。プロ本人は2から参戦することになるが、企画当初はプロCPUのみで本人は参戦しないという風になっていたようだが、製品版ではプロが参戦していた。しかし今のようにプロが毎日多数参戦していたわけではなく、1日に参戦するプロの数が東風BⅠとCⅢに1人、半荘AⅡに1人などと非常に少なくプロ本人と対戦する確率は今の比ではないほど低かった。しかも各プロの連盟段位に応じてAⅠ~CⅢまで決められていたので、トッププロと対戦するには、AⅠ、AⅡリーグにいないとほぼ不可能であった。しかし3の全国オンライントーナメントによりプロがリーグに関係なく参戦することになり、誰でもトッププロ、新悦プロ、女流プロと対戦する機会が一気に増えた。プロ参戦率も激増。4になるとロケテストにプロが多数参戦するようになった。5になるとムツゴロウこと畑正憲プロ九段も参戦し、更には外国人雀士のガースプロ初段(米)、ジェンプロ初段(米)、王政芳プロ初段(中)の3氏が参戦し、更にグレードアップすることになる。6では、2006年10月に土田浩翔プロを初めとして連盟のプロ数名が連盟を脱退した為に、彼らが去り代わりに新プロが参戦する事になった。
[編集] プロ雀士参加の歴史
- 麻雀格闘倶楽部2:21名でスタート
- 麻雀格闘倶楽部3:安藤満プロ九段、佐々木慶太プロ六段が去る。(両氏ともCPUは3まで残った)新規参加プロ:土田浩翔プロ・阿部孝則プロ・吉田幸雄プロ・藤原隆弘プロ・朝武雅晴プロ・室生述成プロ・藤崎智プロ・今里邦彦プロ・斉藤智子プロ・佐野たか子プロ・渡辺郁江プロ・高橋葵プロが新規参加。
- 麻雀格闘倶楽部4:山井弘プロ・山田ヒロプロ・紺野真太郎プロ・黒沢咲プロ・相田夏奈プロ・田村りんかプロが参加。
- 麻雀格闘倶楽部5:畑正憲プロ・藤中慎一郎プロ・ガースプロ・さくらプロ・北野由実プロ・水原千春プロ・ジェンプロ・王政芳プロが参加
- 麻雀格闘倶楽部6:土田浩翔プロ他数名が離脱。新規参加プロとして佐々木寿人プロ初段・優木美智プロ初段他多数参戦。
[編集] プロ雀士と格闘倶楽部所属リーグ
先ほど上にも軽く触れたが、2,3まではプロの段位別にリーグが割り振られていたが、4からは毎月プロ全員のリーグをAⅠ~CⅢまで割り振った。(トーナメント、東風、半荘が全てAⅠ、全てCⅠなど揃えて割り振られる)と同時に3まではAⅠであればAⅠの面子と、CⅢであればCⅢの面子としか当たらなかったが、4以降は、AⅠ・AⅡ/BⅠ・BⅡ/CⅠ・CⅡ・CⅢとABCの3つに分けられたので、Cリーグであれば、CⅠ~Ⅲと当たることになった。プロがCⅡであれば、CⅠ~Ⅲの人は対戦できる可能性が出来た。トーナメントリーグ、東風リーグ、半荘リーグ共通。ちなみにプロにも当然一般プレーヤーと同じく昇格・降格がある。麻雀格闘倶楽部参戦率NO1の沢崎誠プロ七段はオールBⅠリーグからスタートしたにも関わらず一ヶ月の間に東風リーグ、トーナメントリーグをAⅠリーグまで押し上げていた。
[編集] プレイステーションポータブル版
[編集] 麻雀格闘倶楽部
2004年12月12日発売。アーケード版に準拠している格闘倶楽部モードとルールが自由に変更できる自由ルールモードの2種類の対局モードがある。Wi-Fiアドホック通信を利用し、最大4人まで通信対戦ができる(ゲームシェアリング非対応)。その他、麻雀の基礎や得点計算などのクイズも収録されている。
[編集] 麻雀格闘倶楽部全国対戦版
2006年12月07日発売。アーケード版に準拠している格闘倶楽部モード・プロCPUモード、ルールが自由に変更できる自由ルールモードの3種類の対局モードがある。ルール、システム等はアーケード版の『5』にほぼ準拠しているが、「ソウルオーブシステム」など一部省略された部分もある。アドホック通信を利用し最大4人まで通信対戦ができる、またゲームシェアリングに対応しその場合はソフト1本で対戦ができる。
インフラストラクチャー通信を利用すれば全国の離れたPSPまたはPS3ユーザーと通信対戦ができる(DSとは不可)。
e-amusementspotにてデータの閲覧および、通信対戦を行うサービスがありそれぞれ月額300円の有料サービスである。
[編集] 携帯電話版
携帯電話用サイトにおいて、FOMA・EZweb(BREW)・SoftBank 3Gで配信されている。こちらではサイトの会員登録の他に全国対戦においては専用のクレジットを購入する必要がある(1ヶ月につき3回まで無料)。
[編集] ニンテンドーDS版
2006年12月7日発売。DSワイアレス通信、DSダウンロードプレイ対応。また、ニンテンドーWi-Fiコネクションに対応していて無料で全国対戦ができる。通常の対戦の他にも与えられた条件をクリアするミッションモードがある。一定の条件をクリアすると、背景やグラディウスやがんばれゴエモン等のBGMを手に入れることができる。
[編集] プレイステーション3版
「麻雀格闘倶楽部 全国対戦版」が2006年11月11日に発売されている。Wi-Fi、または有線LANを利用し、プレイステーション3版同士、またはPSP版とのオンライン対戦が行える。