9K37M1-2
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9K37M1-2「ブークM1-2」(ロシア語:9К37М1-2 «Бук-М1-2»ヂェーヴャチ・カー・トリーッツァチ・スィェーミ・ブーク・エーム・アヂーン・ドヴァー)は、ロシア連邦で開発された地対空ミサイルシステムである。9K37「ブークM1-2」とも呼ばれる。北大西洋条約機構(NATO)の用いたNATOコードネームでは、SA-17「グリズリー」("Grizzly")と呼ばれた。
なお、このミサイルシステムの名称については、9K38「ブークM1-2」とする資料もある。英語圏を中心にロシア語圏でも若干は見られるものの、このシステムで運用されるミサイルが9M38であることから誤って伝えられた情報であると考えられる。従って、このページでは9K37M1-2「ブークM1-2」を使用することとする。
[編集] 概要
9K37M1-2「ブークM1-2」は、2K12「クープ」から始まり9K37「ブーク」、9K37M1「ブークM1」を経て開発が進められた地対空ミサイルシステムのシリーズ最新型である。1995年に完成し1998年に就役した。すくなくとも9M38M1と9M317の2種類のミサイルがこのシステムに装備されている。
9K37システムからの最大の変更は、9S18M1(NATOコードネームでは「スノードリフト」)監視レーダーが発射機とレーダー装置を兼ねるTELARに取り付けられたことであると考えられている。これにより各ランチャーの独立性がさらに増し、より多数の異なる地点にいる目標を同時に追跡することが可能になった。また、9K37より迎撃可能範囲が30km→50km、高度が22km→25kmと強化されており、最大マッハ4で飛行する目標も対応可能になった。
搭載されるミサイル弾体は当初は9M38(9М38)が使用されていたが、のちに新しい9M317(9М317)が開発された。
運用は限られた国で行われている。ロシア連邦軍での運用の他、ロシアによってベラルーシの9K37もこの仕様に改修されている。加えて、中華人民共和国でも海軍型が運用されているといわれる。
[編集] バリエーション
- 「ウラール」(Уралウラール:9K37M1-2「ブークM1-2」の輸出型名称。名称はウラル山脈またはウラル川の意味。
- 「ヨーシュ」(«Еж»ヨーシュ):艦船発射に改造されたもの。9M317を運用する。NATOコードネームではSA-N-12。中国の広州級駆逐艦、同国がロシアより注文したソブレメンヌイ級駆逐艦(EM型)に装備されている。中国が購入した前期分のソブレメンヌイ級駆逐艦2隻(初期型)には9M38ミサイルを運用する9K37「ブーク」の艦船発射型の輸出型「ウラガーン」(SA-N-7)が装備されている。
- HQ-16(紅旗-16):現在中国とロシアが共同開発中の9K37「ブークM1-2」の改良型。