FOMAカード
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FOMAカード(フォーマカード)は、NTTドコモの第三世代携帯電話サービス『FOMA』で使われているUIMカードの一種。
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[編集] 概要
FOMAカードは、電話番号情報が記録されているICカードである。 電話帳、ショートメール (SMS) 、ユーザー証明書 (FirstPass) を保存することができる。
FOMAでは、FOMAカードを差し替えることで、別の携帯電話機でも自分の電話番号で利用することができる。 よって、いわゆる「機種変更」を行う場合でも、旧来のmova端末のように使用中の機種をショップに預けて手続きしてもらう必要はなく、単に新しい機種を購入して自分でFOMAカードを差し替えるだけでよい。 また、古い機種も手元に置いておけば、必要に応じてFOMAカードを差し替えて使い分けることも可能である。 このことにより、FOMAには「機種変更」という手続きは存在せず、新機種への切り替えは「端末買い増し」などと表現される(ただし、一般ユーザーに分かりづらいことからから機種変更とアナウンスするショップもある。)。
同様に、中古でFOMAを入手したり、友人から譲り受けたりした場合でも、手続きを行わずにFOMAカードを差し替えるだけで使用可能である。ちなみに、電話番号のない(FOMAカードのない)端末は、俗に白ロムと呼ばれる。
海外などで通信方式の違う国際ローミングの場合でも、対応電話機へFOMAカードを入れ換える(チップローミング、プラスティックローミング)ことで利用できる。
なお、N2102V、F2102V、900iシリーズ以降は、iアプリや着信メロディや待ち受け画像等はダウンロードしたときと異なるFOMAカードでは使用できないロックが掛けられている。
[編集] FOMAカードのバージョン
- 青カード(第一世代)- 初期のFOMAカード。製造番号の4桁目が1番。
- 緑カード(第二世代)- 二代目のFOMAカード、FastPassと海外ローミングに対応した。製造番号の4桁目が2番。
- 白カード(第三世代)- 現行のFOMAカード、OTAに対応した。製造番号の4桁目が3番。
[編集] FOMAカード不正通話事件
2006年11月23日、NTTドコモは解約された携帯電話から抜き出したFOMAカードを別の携帯電話に差し込んで通話するという不正利用があることを明らかにした。23日現在6件が確認されており、通話料は計26万円に上るという。
[編集] 事件の概要
2005年9月から06年2月までに、すでに解約された利用者から「解約した携帯からの請求がくる」「知人が電話をかけたら外国人が出た」との問い合わせがあり。調べたところ合計6人、不正利用場所は中国、フィリピン、ガーナの3カ国であることがわかった。被害額は計約26万円、事件発覚後被害額を返還している。
[編集] 事件の原因
通常FOMAで通話する場合、ネットワーク側が端末の電話番号と、FOMAカードに割り当てられた15ケタのUID(識別番号)・暗号情報の計3点を認証する必要があるが、今回はドコモと相互接続の契約を結んでいた3カ国の電話会社が、識別番号一点のみだけで認証する設定だったために、解約済みのFOMAカードでも通話ができたという。
またドコモでは、解約されたUID(識別番号)は2年程度で再利用されているためこのようなこととなった。
[編集] クローン携帯
これまで、ドコモ・au・ソフトバンクモバイルは、ユーザーが使う携帯以外に他の者が同一番号を使ういわゆる「クローン携帯」の製作に関して、「技術的には可能だが、現実には不可能」というのが公式の見解であり、今回「他者が同一番号を使用する」という事実はあったが今後もこの見解を変える予定はない。
なお、ドコモは同年2月国内システムを改修しており、当面の間は解約されたカードのUID(識別番号)は再利用せず使い捨てにする方針にするとのアナウンスがされている。
[編集] 製造元
- アクサルト(製造番号の先頭2桁がAXで、端子の中央が骨盤のような形状をしている)
- 大日本印刷(製造番号の先頭2桁がDNで、端子の筋が直線上になっている)
- ジェムプラス(製造番号の先頭2桁がGEで、端子全体が樽のような形状をしている)
[編集] 関連項目
[編集] 関連リンク
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