FRONT MISSION2
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ジャンル | ドラマティックシミュレーションRPG |
対応機種 | プレイステーション(PS) |
開発元 | スクウェア |
発売元 | スクウェア |
人数 | 1人 |
メディア | CD-ROM1枚 |
発売日 | 通常版:1997年9月25日 アルティメットヒッツ:2006年10月5日 |
価格 | 通常版:6,800円(税抜) アルティメットヒッツ:1,500円(税抜) |
対象年齢 | CERO A(全年齢対象) |
『FRONT MISSION2』(-フロントミッション セカンド)は、1997年スクウェア(現スクウェア・エニックス)より発売されたゲームソフト。ジャンルはシミュレーションRPG。
目次 |
[編集] 概要
フロントミッションシリーズ初のプレイステーション用ソフト。前作がドット絵による2Dだったのに対し、本作ではマップ、ヴァンツァー、戦闘シーンなどがフルポリゴンによる3Dとなっている。正史のフロントミッションシリーズでは2作目となる(『ガンハザード』を含めると3作目)。 キャラクターデザインは前作までの天野喜孝に変わり末弥純が担当している。
その後、2003年に『フロントミッション ヒストリー』(『1ST』、『2nd』、『3rd』を同梱したもの)が発売。2006年には廉価版アルティメットヒッツとして再発売。これらは通常版とは異なり簡略戦闘モード追加されたバージョンとなってる。
西暦2102年、南アジアのアロルデシュ人民共和国(現バングラデシュ人民共和国)で発生したクーデターとその裏で起こった出来事を描いた物語。
[編集] ストーリー
西暦2102年6月、O.C.U.アロルデシュ人民共和国において、アロルデシュ陸軍中佐ヴェンを中心とした「革命軍」がO.C.Uからの独立を宣言しクーデターが勃発。
クーデターに巻き込まれ国外脱出を試みる主人公アッシュらであったが、トマスやリーザやサリバシュらと出会い、やがてこのクーデターの裏に隠された真実を知ることになる。
[編集] 長い読み込み時間
本作で一番問題となったのが読み込み時間の長さである。とくにヴァンツァーのセットアップ時と戦闘開始前の読み込みは非常に長く、後者はゲームシステム上頻繁に起こるものであり、ゲーム進行のストレスとなった。これらはヴァンツァーが3D化されたことでデータ量が膨大になったことと、それぞれのパーツを一気に読み込んでいたことが原因であったと後のスタッフインタビューなどで明らかにあった。また、1回の戦闘そのものの演出時間も長いことも批判の的となった。
これらの反省から、次回作の『FRONT MISSION3』ではユニット数の減少、戦闘演出の短縮化といった対策をとることで読み込み時間が短縮されている。
後に、戦闘前の読み込み時間および戦闘演出の長さの問題を解消するため戦闘演出をカットできる「簡略戦闘モード」を搭載したバージョンが、2003年に『フロントミッションヒストリー』として発売された。さらに2006年にはアルティメットヒッツとなって単独で発売された。ただし、これらはあくまで戦闘をカットできる機能が追加されただけで、カットしない場合の読み込み時間が短くなっているわけではない。
[編集] 評価
世界観やストーリーに関しては衰退していった国家を上手く表現できていると評価は高い。主人公アッシュとクーデターの中心人物ヴェンの関係や、個性的な「ダル・スタッグス」のメンバー、密輸組織の大物など登場キャラクターの描写なども非常に多彩である。
また、登場するヴァンツァーの数やその種類は多種多様で、いろいろなセットアップを楽しむことができ好評である。とくに内蔵武器、脚パーツのバリエーションはシリーズ一バラエティ豊かである。前述した戦闘演出に関しては、ファンの間ではシリーズ1迫力あるバトルシーンを見ることができるということで評価は意外と高い。
良くも悪しくも前作の正統進化系であるだけあり、難易度はシリーズ中最高難度とされている。
[編集] ゲームの特徴・システム
- ネットワーク
- 各国のニュースや個人のパーソナルデータなど多様な情報を入手することが可能。これは世界観の演出に大いに貢献する要素であり、舞台裏もわかって良いと概ね好評のようだ。これは後の『3rd』に受け継がれる。
- ヘリ・装甲車・航空機・支援ポッド
- 前作の敵はWAPと大型機動兵器のみであったが、今作からは多様な種類の敵ユニットが存在する。特にヘリ・航空機の出現により対空攻撃の概念が生まれ、特に今作では対空専用武器まで登場した。
[編集] 戦闘システム
- AP(アクティブポイント)システム
- APとは戦闘時にどれだけの行動をとれるかを示すポイントで、移動や攻撃、回避行動などを取ると減少する。消費したAPは毎ターン全回復するものの、敵が隣接すると回復量が一定量落ちてしまう。さらに、行動時にAPに余剰があると攻撃/回避・反撃時に有利。
- よって、今作ではこれを利用した戦略が生まれる。基本的に集団で行動し、敵を取り囲んでしまえばこちらの損害を最小限に抑えることが出来る。これは前作の反省点を踏まえ、集団対集団の要素を入れるためである。また、今作から遠距離攻撃はAPを大量に消費するため、(特に前半)非常に扱いづらくなっている。
- 今作特有の性質を除いても、以後のナンバリングタイトルには必ず入る重要要素である。
- スキル
- 今作のスキルはバトル・オーナー・コンピュータの三種が存在する。
- バトルスキルは戦闘中ランダムに発動するスキルで敵に与えるダメージを増加させたり、回避率を上昇させることができる。その中でも、各キャラは強力な固有のスキルを持ち、特にこれをスーパースキルという。バトルスキルは連続して発動することもあり、これをスキルチェーンと言う。これにより強大な敵も一回の戦闘で倒すことが出来るなど爽快で、今作の目玉はココに存在するといっても過言ではない。
- オーナースキルとは装備した本人を除いた周囲の敵・味方に影響を与えるスキル。その効果は味方のステータスを上げたり、敵の移動力を制限したりと様々であり、高位のものほどより強力になる。ちなみにこれを取得するためには敵のパーツを破壊した時、一定量獲得できるオーナーポイントを貯めなければならない。有意なオーナースキルを獲得するキャラは限られており、また登場する敵の数も限られているためプレイヤーは頭を悩ませることになる。ちなみに今作に登場する闘技場は資金とパーツ・武器を稼ぐ場で、経験値・オーナーポイントを稼ぐ場はミッションをおいて他に存在しない。
- コンピュータスキルは機体のコンピュータに組み込まれているスキルで、常時効果を発揮する。また、クロックアップ(強化)することによって、スキルの効果を引き上げることも可能。
- 弾数制限と重量
- 前作は遠距離武器のみに弾数が設定されていたが、今作では格闘を除いたすべての武器に弾数が設定されている。よって、弾切れにならないようなセットアップを求められる。この際、予備弾及び武装と重量の兼ね合いが重要。
- 特に今作の重量は回避・命中・移動に直結する重要要素であるため、重装備と軽装備の使い分けも求められる。なお、今作の武器は戦闘中に投棄することも可能。
- 属性
- 今作より、パーツや武器にはそれぞれ属性が設定される。属性は衝撃・貫通・炎熱の三種で、攻撃側の武器属性と防御側のパーツ属性が合致した時ダメージを軽減することが出来る。
- ステータス異常
- 本作から、次のステータス異常が新たに登場した。
-
- 混乱
- 攻撃、回避の双方でAP消費量が高くなるステータス。
-
- 戦意喪失・投降
- 敵機のみに発動するもので、戦意を喪失し一切行動しなくなる。さらに攻撃を加えることで投降させることもできるが、システム上の制限からこの状態に持ち込むことは非常に困難。その反省からか次回作『3rd』ではかなり簡単に戦意喪失・投降を起こすことが可能となった。
[編集] 主要人物
- 詳細はフロントミッションの登場人物を参照
[編集] スタッフ
- ディレクション :土田俊郎、岩崎秀雄、篠宮淳一、松田一宏、佐藤泰弘、佐藤光、米坂典彦
- シナリオ :岩崎秀雄
- キャラクターデザイン :末弥純
- メイングラフィック :堂本篤史
- メインマップデザイン 浜坂真一郎、望月伸一
- バトルBGデザイン :窪洋一、高須雄二
- 音楽 :松枝賀子
[編集] その他
今作の隠し要素のひとつ「嫌なヴァンツァー」ならびに対空ミサイル「おたけさん」は作品のファンでもある吉田戦車氏が「ゴッドボンボン」という作品に描いた4コマが元となっている。
[編集] 関連項目
- アロルデシュ・クーデター
- フェンリル
[編集] 外部リンク
- フロントミッションシリーズ公式サイト
- 天網/Worldwide Network System- ファンサイト/設定資料サイト/ネットワーク再現サイト
|
|
---|---|
本編 | 1ST - 2nd - 3rd - 4th - 5th - HISTORY |
派生 | ガンハザード - FMA - FMO - 2089 - 2089-II |
コミック | THE DRIVE - DOG LIFE & DOG STYLE |
WAP(OCU) | ゼニス - ゾラ - ザイゴート - ギザ - 90式 - 月弓 - 春陽 - 法春 - レイブン - ブルータルウルフ |
WAP(USN) | フロスト - ガスト - レクソン |
WAP(その他) | シケイダ - グリレゼクス - デスマッツ - テラーン - ヴィーザフ - 冷河 - 克黒 |
大型機動兵器 | TCK - ゴールトン - レトリーバー - シーキング - クリントン - ジウーク |
WAP企業 | JM - サカタ/イグチ - 霧島 - DA - トロー - ドミトーリ公社 |
歴史(21世紀) | アフリカ紛争 - ハフマン島 - ラーカス事件 - サカタインダストリィ事件 - E.C.ドイツ軍基地襲撃事件 |
歴史(22世紀) | アロルデシュ・クーデター - 日防軍クーデター - 沖縄海洋都市 |
用語解説 | 登場人物 - WAP - 大型機動兵器 - BD-B - フェンリル - IN - M.I.D.A.S. - ハフマン条約 |