L⇔R
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1991年にミニアルバム「L」でデビュー。以後13枚のシングル、7枚のアルバムを発表するが、1997年に活動休止を宣言。以来L⇔Rとしての活動はないが、メンバーが個々にソロ活動をしている。全ての作品を四人囃子のドラムスだった岡井大二がプロデュースを手がけ、代表曲は「KNOCKIN' ON YOUR DOOR」、「Hello, It's Me」など。
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[編集] メンバー
- 黒沢健一(くろさわけんいち、1968年8月11日 -)茨城県日立市出身。(ボーカル&ギター,作曲・作詞)
- 黒沢秀樹(くろさわひでき、1970年8月28日 -)茨城県日立市出身。(ギター&ボーカル)
- 木下裕晴(きのした ひろはる、1967年10月11日 -)東京都出身。(ベース)
- 嶺川貴子(みねかわ たかこ、1969年6月3日 -)東京都出身。(キーボード) (1994年1月15日脱退)
[編集] 略歴
- 黒沢健一、秀樹の兄弟らによって結成されたバンド、「ラギーズ」(「ラギース」説もあり)が前身
- 1991年、黒沢健一、黒沢秀樹の兄弟と木下裕晴の3人でL⇔Rを結成
- 1992年 ファーストアルバムをレコーディング中、コーラスで参加した嶺川貴子が正式加入
- 1993年10月 第一回服部良一音楽賞を受賞
- 1994年1月 レコード会社移籍に伴い、嶺川貴子が脱退
- 1995年5月 シングル『KNOCKIN' ON YOUR DOOR』がフジテレビ系ドラマ『僕らに愛を!』の主題歌に起用され、オリコン1位を獲得。10月 シングル『BYE』がオリコン6位を獲得。『BYE』までの売り上げは好調であった。
- 1996年初の武道館公演
- 1997年に活動休止を宣言。以後、メンバーそれぞれがソロ活動をしている。(ソロ活動については各メンバーの項目を参照)
- 2002年にもベストアルバム発売。ポニーキャニオン版のタイトルが「Last Roll」であったため、関係者の間では少なからず「これをもって解散した」という意識があると察せられるが(なおメンバーはこのアルバムに関わっていない)、これまでメンバー自身の口から明確に解散が宣言されたことはない。そのため、主にファンの間では現在も「活動休止中」と語られる。
[編集] グループ名の由来
諸説あり、どれが正しいものかはわからないが、メンバーとプロデューサーの間で記号っぽい物が良いという発想から産まれた物らしい。その会話をしていたスタジオで、ミキサーのコンソールを見て、オーディオの左右のチャンネルを表す「L」と「R」が目に入ったから、という説が有力。
その他、自分たちの幅広い音楽性を表すためであるとか、結成当時の黒沢兄弟の髪の分け目が左と右だったからなどがある。
[編集] ディスコグラフィ
[編集] シングル
- 『LAZY GIRL / BYE BYE POPSCILE』(1992/05/25)
- 『(I WANNA)BE WITH YOU』(1992/09/26)
- 1996年正月ドラマ「家族の食卓」の主題歌になった経緯有。
- 『恋のタンブリングダウン/君に虹が降りた』(1993/06/25)
- アサヒビールのCMタイアップ
- 『君と夏と僕のブルー・ジーン』(1993/12/20)
- ボーナストラックの「BOTH SIDES NOW」は東京商科学院CMテーマ曲。
- 『REMEMBER』(1994/07/21)
- 移籍後第1弾シングル。カシオのCMタイアップ。
- 『HELLO,IT'S ME』(1994/10/21)
- ポッキーCM曲に。また「四姉妹物語」映画の主題歌にも。
- シングル曲で唯一、カラオケバージョン(Instrumentarl version)が入っている。
- 『KNOCKIN' ON YOUR DOOR』(1995/05/03)
- 『BYE』(1995/10/20)
- 『DAY BY DAY』(1995/11/17)
- 『GAME』(1996/01/19)
- 「CDTV」月間主題歌
- 『Nice to meet you』(1996/06/21)
- 『アイネ・クライネ・ナハト・ミュージック』(1997/02/19)
- 藤木直人がアルバム『夏歌ウ者ハ冬泣ク』でカバー
- モーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク」とは無関係である。
- 『STAND』(1997/03/19)
[編集] アルバム
- タイトルの頭文字はLとRから始まるため、ファンはアルバム名を予測することが楽しみでもあった。この法則は『Doubt』まで続く。
[編集] オリジナルアルバム
- 『L』 (1991/11/25/ミニアルバム(限定版))
- 『Lefty in the Right』 (1992/04/25)
- 『LAUGH + ROUGH』 (1992/11/16)
- 『LOST RARITIES』 (1993/06/25)
- 『L』+レアトラック集
- 『Land of Riches』 (1993/12/20)
- 初回盤は2枚組仕様
- 『LAND OF RICHES Reverse』 (1994/04/25)
- 『Land of Riches』のアウトテイク集
- 『LACK OF REASON』 (1994/10/21)
- 初回盤は2枚組仕様
- 通常盤は1枚仕様なので曲順が入れ替わっている。
- 『Let me Roll it!』 (1995/12/16)
- 『Doubt』 (1997/04/16)
[編集] ベストアルバム
- 『Singles&More』(1994/12/01)
- 『Singles&More Vol.2』(1997/12/03)
- 『L + R』 (1997/07/25)
- 『L』+プロモ盤『R』
- 『TREASURE COLLECTION』 (1999/06/30)
- 『Last Roll - 11Years Of L⇔R -』(2002/09/19)
- 『Looking Back - 11 years of L⇔R -』(2002/10/30)
[編集] ライブアルバム
- 『LIVE RECORDINGS 1994-1997』 (1997/09/19)
- 4枚組ライブアルバム
[編集] ライブツアー
- 「Back To Mono」(1993.02.10 - 02.18/全国4都市4公演)
- 「Back To Mono 2」(1993.07.24 - 08.27/全国3都市3公演)
- 「Back To Mono 3 -Psychedelic Beauty- "L" Night」(1993.12.20 - 1992.12.21/全国1都市2公演)
- 「Back To Mono 3 -Psychedelic Beauty- "R" Night」(1993.12.23 - 1992.12.24/全国1都市2公演)
- 「Back To Mono 3 -Psychedelic Beauty- "?" Night」(1993.12.25/全国1都市1公演)
- 「Equinox」(1994.03.14 - 03.30/全国7都市7公演)
- 「Lack of Reason」(1994.10.28 - 11.30/全国10都市10公演)
- 「Lack of Reason -Return-」(1995.01.06 - 0.10/全国3都市4公演)
- 「Rock'n Roll Jet Set -Back To Mono 4 You-」(1995.07.29 - 08.04/全国3都市3公演)
- 「Let me Roll it!」(1996.01.14 - 02.24/全国17都市18公演)
- 「Let me Roll it! Surplus」(1996.03.09 - 03.20/全国2都市3公演)
- 「Doubt - Preview- 」(1997.04.26 - 04.27/全国1都市2公演)
- 「Doubt」(1997.05.15 - 06.29/全国10都市13公演)
[編集] ラジオ番組
- SFロックステーション(東海ラジオ 1992/04 - 1993/06)
- L⇔R STEREO MAGIC(FM横浜 1992/07 - 1993/03)
- L⇔R MONDAY STEREO MAGIC(FM横浜 1993/04 - 1993/09)
- L⇔R ジャンブル タンブル(α-Station 1993/10 - 1993/12)
- L⇔R Hi-Fi STEREO MAGIC(FM横浜 1993/10 - 1994/03)
- アップタウンスクウェア「浦和より愛をこめて」(NACK5 1995/01 - 1995/03)
- Music Gambo(FM802 1995/10 - 1997/01 ※黒沢健一のみ)
- L⇔Rのドライビン・ア・ゴー・ゴー(TOKYO FM 1996/03 - 1996/09)
[編集] L⇔Rにまつわるエピソード
[編集] シングルにまつわるエピソード
- 『(IWANNA)BE WITH YOU』
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- 黒沢健一はこの曲ができたとき「この曲で一生メシを喰っていける!」と確信したらしい。
- 『君と夏と僕のブルー・ジーン』
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- 発売当初は、音楽雑誌の曲紹介で『ブルー・ジーンズ』と間違えて表記されることがあった。
- 『REMEMBER』
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- 『HELLO,IT'S ME』とジャケットの構図が似ており、『REMEMBER』のジャケットは昼の砂漠と穏やかな海の前に3人が立っているもの。
- 『HELLO,IT'S ME』
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- 『REMEMBER』とジャケットの構図が似ており、『HELLO,IT'S ME』のジャケットは夕暮れの砂漠と緑色のドアの前に3人が立っているもの。
- 『REMEMBER』『HELLO,IT'S ME』のジャケットで3人が着ている衣装・ポーズは全く一緒である。
- 黒沢健一曰く「最初から最後まで一気にできた曲」で、わずか5分で作った。
- 『KNOCKIN' ON YOUR DOOR』
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- この曲でオリコン初登場1位を獲得。その前までの1位の曲は「H Jungle with t」の「WOW WAR TONIGHT ~時には起こせよムーヴメント」で、それまで7週連続1位を記録していた。その為、後に番組で黒沢健一が小室哲哉と対談したとき、小室は「H Jungleの8週連続1位記録を止めたのがL⇔Rということで、ここらへんスタッフみんな、それが引っ掛かってるんですよ。」と語っていた。(フジテレビ「TK MUSIC CLAMP」1995年7月5日放送分)
- カップリングのインストルメント曲「MUSIC JAMBOREE '95」は別名「岩しぶき」と呼ばれている。
- 理由は以前に「HEY!HEY!HEY!」の出演時にダウンタウンの浜田雅功から「彼らが今までどんな曲を出しているか知っているか?」と質問された松本人志が「岩しぶき」と答えたのを受けて作曲したから。実際、この曲の最後は穏やかな岩しぶきの音で終っている。そのことを「HEY!HEY!HEY!」で松本に話すと感謝されつつも「ただ、A面じゃないのが残念ですねぇ」と言われた。
- 『BYE』
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- 「L⇔Rに16ビートの曲ってないよね。」というプロデューサーの岡井大二氏の一言がもとになってできた。まず黒沢健一が最初に作っていた「BYE BYE~」の部分を16ビートにアレンジし直し、「『A』と『B』という2つのタイプがあります。どっちをつなげますか?」と黒沢が問い、それを岡井大二が選ぶ。「じゃ、次はこういうのがありますがどっちがいいですか?」・・・というように、別々のメロディーをつなぎあわせて1曲に仕上げていくという手法がとられた。
- 『Nice to meet you』
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- 元々CM用として作った為、いわゆる「サビ」部分しか作っていなかった。
- その当時、黒沢健一が特にインドの音楽に興味を持っていた為、曲のイントロには「シタール」というインド楽器を使用している。またレコーディングの際、「これは本来座って弾くものだ。」というこだわりから、座って弾いていた。
- 「HEY!HEY!HEY!」出演時に浜田雅功から「『Nice to meet you』ってどんな意味なんですか?」と訊かれて黒沢健一は「こんにちは…」と答えた。
- 『アイネ・クライネ・ナハト・ミュージック』
- 『STAND』
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- 『アイネ・クライネ・ナハト・ミュージック』『STAND』のジャケットのイラストは黒沢健一がファックス用紙の裏に描いたもの。
[編集] アルバムにまつわるエピソード
- 『L』
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- 若い新人とは思えない玄人臭いサウンドに加え、アートワークにメンバーの顔写真が一切無かったこともあり、チェッカーズを含む様々なバンドの覆面バンド説がささやかれた。
- このアルバム制作当時、ベースの木下裕晴は某大手生命保険会社の社員として働いていた為プロデューサーの岡井大二氏に会社をとるかプロとしてこの業界でやっていくのかの決断をせまられた。
- 『Land of Riches』
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- アメリカレコーディング版と日本レコーディング版との2枚組として発売された。また「月刊カドカワ」で特集を組まれた際に「これ以上のモノは作れない。仮に『L』と『R』が『左』と『右』だとすればその両方の振幅の限界まで突き詰めて出来たアルバム。」であると黒沢健一はコメントしている。
- 『LACK OF REASON』
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- 「「LP」を聴くときのように「A面」と「B面」をイメージして曲を収録した。」ために初回盤のみ2枚仕様になった。その為、CDはレコードをイメージした柄になっている。
- 『Let Me Roll It!』
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- 「全曲シングルカットできる。」をコンセプトにできたアルバム。実際L⇔Rのアルバムで最もセールス的には成功したアルバムとなった。
- このアルバムのタイトルを決める会議上で「『L』と『R』の文字をとっちゃおうか。」という意見が出て、実際にその方向で進みかけたが、木下裕晴が提案したこのタイトルに落ち着いた。「俺たちのことを知りたいならとにかくこれを回して聴いてくれ!」という想いがこめられている。
- 『Doubt』
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- 制作途中のアルバムを放棄し、紆余曲折を得て新たなコンセプトのもとに作り上げられた。
- 売れてしまったことで環境が変わってしまい、黒沢健一本来のポップマニア振りを発揮出来なくなったために自分の作品を客観的に見ることが出来なくなった時期があったらしい。一時期ヒゲを伸ばしたり、カレーライスを食べるときにも「オレの箸がない!」と言ってしまったほど悩んでいたらしい。
- お笑いコンビ「デンジャラス」のノッチは「日経エンタテイメント(XX年XX月号)」のインタビューで「最近買ったCDは?」の質問に「L⇔R『Doubt』」と答えていた。
- ジャケットのイラストは『アイネ・クライネ・ナハト・ミュージック』『STAND』同様、黒沢健一がファックス用紙の裏に描いたもの。
- このアルバムのプロモーションに関するインタビューやコメントに黒沢健一は一切でてきていない。すべて黒沢秀樹・木下裕晴の2人が行っている。のちに「今までと違って2人が中心となって作ってきたアルバムだから。」という旨のコメントを黒沢健一が残しているが真意のほどは定かではない。また、この作品のみ黒沢健一のクレジットが「黒澤健一」になっている。
- WOWOWで「Doubt Previwew」ライブの生中継後にインタビューの様子が放送された(ライブではアンコールをやっていた)が、インタビューに答えたのは黒沢秀樹・木下裕晴のみで、黒沢健一はサングラスをかけて2人のはるか後ろでギターを爪弾くだけで一切の質問に答えなかった。
- 発売時の3人のプロモーション写真は目・口・耳に片手をあてて「見ざる・言わざる・聞かざる」を模したもの。ちなみに「見ざる」は木下、「言わざる」は秀樹、「聞かざる」は健一。