Microsoft Update
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Microsoft Update(マイクロソフト アップデート)はマイクロソフトが提供するWindows、Microsoft Officeなどのソフトウェアやデバイスドライバのダウンロードおよび更新を行うことのできるWebサイトである。主にセキュリティ更新やバグ修正、時に新機能の追加も行われる。
Windows Update(ウィンドウズ アップデート)はMicrosoft Updateの機能のうちWindows関連のみに限定されたものである。具体的にはWindows自身やWindowsに含まれるソフトウェア(Internet ExplorerやWindows Media Playerなど)、デバイスドライバのみの更新が行える。
2006年7月から、Windows UpdateはWindows XP及びその後継のOSの標準の更新サービス、Microsoft Updateはオプションのサービスという扱いになった。
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[編集] 概要
Microsoft UpdateはWindowsら対象製品のWebベースのソフトウェア更新サービスであり、重要なシステムコンポーネントの更新やサービスパック、セキュリティホール修正、パッチ、Windowsコンポーネントのフリーのアップグレード、場合によってはデバイスドライバの更新、さらには一部のプログラムのベータバージョンが提供される。
大部分の更新・パッチは、公開されてからすぐにMicrosoft Updateで更新可能となるが、マイクロソフトのWebサイトから手動でのダウンロードもできる。ただし企業内ネットワークや、Windowsを実行している大規模なサーバでは、Windows Server Update Servicesが有用となることもある。これは自動的にWindows Updateからパッチを取得し、クライアントコンピュータを自動的に更新させるものである。
Microsoft UpdateとWindows UpdateのWebサイトにはマイクロソフトのスクリプト言語であるVBScript及びJScriptが使われているため、Internet ExplorerもしくはIEコンポーネントブラウザが必要とされるが、Netscape 8も必要に応じてInternet ExplorerのHTMLレンダリングエンジンであるTridentを使用できるため対応できる。また、Mozilla FirefoxやOperaなどといったその他のWindows用Webブラウザでも、ActiveXを利用可能にするプラグインや拡張によって利用可能になっている。
2005年7月には、Windows XPとWindows Server 2003でのMicrosoft UpdateとWindows Updateの利用にあたって正規Windows推奨プログラム (Windows Genuine Advantage)の適用が必要となった。
[編集] 歴史
Windows Updateが最初に公開されたのは、Windows 98の発売時である。このときからWindows Updateは幾度かのバージョンアップを経ている。
2002年、マイクロソフトはSoftware Update Servicesを公開した。 これはセキュリティパッチのダウンロードと配布を行うサーバコンポーネントであり、Windows 2000 Serverに導入できる。また 、Windows 2000 Service Pack 3ではBITSが追加された。これはクライアント側のコンポーネントで、バックグラウンドでセキュリティアップデートを自動的にダウンロードしWindowsに適用するものである。Windows XPでは自動更新と呼ばれているものである。
2004年後半、Windows XP用にWindows Update 5が公開された。ここでは、Windows XP Service Pack 2やその他いくつかのアプリケーションに対してメジャーバージョンアップが公開された。Windows XP Service Pack 2は、ブロードバンドインターネット接続を持たない利用者のためにマイクロソフトのWebサイトからCDの注文を受け付けている。[1]
2005年、それまで対応してきたオペレーティングシステムに加え、Microsoft Office (Office XP/2003)とSQL Serverにも対応したMicrosoft Updateの最初のベータが公開された。これは、マイクロソフトの各製品のWebサイトから必要な更新を得るのが大変だと、多くの顧客から批判を受けたことによる。
2006年、Microsoft UpdateでWindows Defenderの配布が行われるようになった。
[編集] Windows Vista
最新のWindows Vistaでは、Windows UpdateはWebアプリケーションではなくなり、その機能は全てコントロールパネルに吸収された。更にWindows VistaのWindows Defenderの定義ファイルの更新、Windows Mailのジャンクメールフィルタの更新なども行われる。このWebベースからの脱却は、WebブラウザがWindowsの更新を実行することに批判的な人間の関心を避ける狙いがあるのかもしれない。
Windows XP Service Pack 2の利用者のWindows Updateに対する共通する鬱憤として、10分おきに再起動が要求されるというものがあった[1]。このダイアログは、そのとき利用者が使用中のアプリケーションよりも前面に表示されるのである。Windows Vistaでは、再起動が避けられない種類の更新の場合のみにそのようなダイアログが表示されるが、再びこのダイアログを表示するときを何時間・分後にするか(最大4時間後)指定できるようになっている。変更されたダイアログは他のアプリケーションより背後に隠れるようにもなった。
Microsoft Updateは相変わらずオプションであり、標準では使用されない状態になっている。
Windows VistaのWindows Updateは、Windowsのシステムファイルの更新に「Transactional NTFS」と呼ばれる機能を使う。更新中に予期せぬシャットダウンが行われた場合に、Windowsが元の状態に戻すことを支援する機能であり、ファイルシステムへの一連の変更が分解不能(アトミック)な操作であるということを保障するものである[2]。
[編集] 論争と代案
Microsoft Updateの利用に正規Windows推奨プログラムが必要なことが論争を生んでいる。正規のWindows XPの複製を保持している場合、更新時に利用者のコンピュータを分析・特定する。逆に海賊版であった場合、通常より安価に正規品を購入できる機会が提供される。マイクロソフトは公式に、自動的なセキュリティの更新にWGAの認証を必要としないことを述べている。始めのうちは、パッチが当てられていないシステムの存在は海賊版の存在より損害が大きいという世論にマイクロソフトは押されていると思われ、WGAの認証をしないシステムでもWindows Updateを通じてのセキュリティ更新を受けられると信じられていた。しかしそうでない場合があったのである[3][4]。
サードパーティによる非公式なMicrosoft Updateの代替としてWindizUpdateなどがある。これは、WGAを必要とせず、Webブラウザに代わって更新を行うものである。ほかにはAutoPatcherなどWebブラウザを全く使わない種類のものもある。
[編集] 脚注
- ^ Jeff Atwood (2005年5月13日). "XP Automatic Update Nagging (英語)" Coding Horror: .NET And Human Factors. .
- ^ "NTFS Beta Chat Transcript (July 12, 2006) (英語)" The Filing Cabinet. TechNet Blogs: 2006年7月12日. .
- ^ "Microsoft: Users May Have To Prove Legal Windows Use (英語)" InformationWeek: 2006年5月5日. .
- ^ "Description of the Windows Genuine Advantage Notifications application (KB905474, released April 2006) (英語)" Microsoft. .
[編集] 関連項目
- Windizupdate
- AutoPatcher XP