Microsoft Office
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開発元: | マイクロソフト |
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最新版: | 2007 / 2006年11月 |
対応OS: | Windows |
プラットフォーム: | x86, x64(WOW64) |
種別: | オフィススイート |
ライセンス: | プロプライエタリ |
公式サイト: | office.microsoft.com/ja-jp |
開発元: | マイクロソフト |
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最新版: | 2004 v11.3.3 (SP3) / 2006年 |
対応OS: | Mac OS、Mac OS X |
プラットフォーム: | PowerPC |
種別: | オフィススイート |
ライセンス: | プロプライエタリ |
公式サイト: | www.microsoft.com/japan/ |
Microsoft Office(マイクロソフト・オフィス)は、マイクロソフトが販売するオフィススイート製品の名称である。MS-Officeとも呼ばれているが、これはMS-DOSから訛称されているもので名称にMSとつく製品はMS-DOSのみである。他社の競合製品の名称にOfficeを付けるものが幾つかあるが、単に Office と呼ばれる場合はMicrosoft Officeを指す場合が多い。
- Mac OS X環境についてはMacintosh Business Unit(通称「Mac BU」)を参照のこと。
目次 |
[編集] 概要
Windows 95 登場に合わせて、OS開発元の利点を生かし、いち早く 32bit 化した Office 95 を市場に投入し、対応が遅れた他社製オフィススイート商品を圧倒した。また、このころのパソコンへの組み込み販売では、Windows 95への初期導入ソフトとして Microsoft Office を指定した。Office 95 以前は、米国ではワープロは WordPerfect、スプレッドシートでは Lotus 1-2-3、日本ではワープロが一太郎が、それぞれシェア No.1 であったが、1990年代後半からデファクトスタンダードとして市場を支配しており、個人向けパソコンの多くにはMicrosoft Officeがプリインストールされている。
[編集] 価格問題について
価格体系は競合製品が存在している間は、それらに対抗できる価格帯が設定されていたが、独占的地位を確保してからは、他社製品と比べてかなり高い設定をしている。バージョンアップした際は、旧バージョンからの乗り換えを促進する意味合いで価格を抑えた「アップグレード版」を販売している。例えば、表計算ソフトでは、Windows 95発売前では、Lotus 1-2-3、Excelともに40,000円前後の値段であり、Lotusの方がシェアが大きかったが、Excel 95の発売とともに、約18,000円まで下げ、シェアが70%になり、Lotusのシェアを抜いた後、Excel 97で約25,000円に値上がりさせた。また、1995年の時点で20%のシェアがあったジャストシステムの三四郎は、1997年の時点でシェアが数%になってしまった。
CPUの高性能化に合わせ、次々に新しい機能を付加させて行き、競合製品との差別化を図っていったことが成功の要因の一つと考えられる。性能的には Office97 でほぼ完成領域に達したと考えられ、以後はマイナーチェンジにとどまっている。これに対し競合種は、低価格路線でその牙城の突き崩しを図っている状況にある。
[編集] 製品内容
[編集] 主要Officeファミリー製品
- Microsoft Office Word(ワープロ)
- Microsoft Office Excel(表計算)
- Microsoft Office Outlook(情報管理・電子メール。Windows版のみ)
- Microsoft Entourage(情報管理・電子メール。Macintosh版Officeに、Outlookに代えて付加される。)
- Microsoft Home Style+(家庭向け機能拡張ツール)
- Microsoft Office PowerPoint(プレゼンテーション)
- Microsoft Office Access(データベース。Windows版のみ)
このうち、Word・Excel・OutlookはPersonal Editionとして多くのプリインストールコンピュータにされている(一部機種は後述のOneNoteも追加されている場合もある)。また、市販のStandard Editionはこれら3点に加えてPowerPointが、Professional EditionではStandardに加えてPublisher等が付け加えられる。
[編集] その他のOfficeファミリー製品
- Microsoft Office Groove(コミュニケーション)
- Microsoft Office FrontPage(ホームページ作成。)
- Microsoft Office Publisher(印刷物作成)
- Microsoft Office Visio(図形作成)
- Microsoft Office Project (工程管理)
- Microsoft Office OneNote(メモ機能)
- Microsoft Office InfoPath(XMLオーサリング)
- Microsoft Office InterConnect(電子名刺・情報管理)
- Microsoft PhotoDraw(フォトレタッチ・Microsoft Office 2000のみ)
サーバーとしてのOfficeファミリー製品は、Microsoft Serversを参照のこと。
[編集] 各アプリケーションに関連するツール
- Microsoft IME(日本語入力システム)
- Microsoft Photo Editor(フォトレタッチ。Office 2003 Editions以降には含まれない)
- Microsoft Office Picture Manager(フォトレタッチ。Office 2003から Microsoft Photo Editorの置換えとして搭載。)
- Microsoft Bookshelf Basic(統合辞書。Office 2003 Editions以降には含まれない)
- Microsoft Virtual PC(PC/AT互換機OSのエミュレータ。単体発売およびMacintosh版Officeの上位バージョンに付加される)
これらの各種ソフトウェア群をそれぞれのエディション毎に選別してオフィススイート製品として販売している。当然ながら単体パッケージでも販売されており、一部のアプリケーション(VisioやProjectなど)は単体パッケージでのみ提供される。旧バージョンからのアップグレード版も提供されているが、その場合は言うまでもなく以前のバージョンが導入されている必要がある。
[編集] バージョン
- Office 1.5(Word 5.0 ほか)
- Office 4.3(Word 6.0 ほか)
- 最後の16bitバージョン。
- Office 95(Word 95 ほか)
- Windows 95登場に合わせ32bit化。
- Office 97(Word 97 ほか)
- Office 97ではMicrosoft Officeシリーズでは初の「Officeアシスタント」機能(後述)が追加された他に日本語関連の機能改善などが施されている。日本独自のMicrosoft IME 98の発売とそれに伴うWord 98の発売により、Microsoft Office 97 Powerd By Word 98が存在する。
- Office 2000(Word 2000 ほか)
- 自動的にアプリケーションの不具合を検査し、必要に応じて修復処理を行う機能や、頻繁に使用するメニューを優先的に表示する機能、HTMLファイルの読み書き強化やネットワーク関連機能が大幅に強化されている。また、ユニバーサルフォント(Arial Unicode MS)搭載など多言語環境への対応も進んだ。数あるOfficeのバージョン中で、高評価の意見が多い。また、メニューの優先表示などの一部の機能はOffice 2000のリリース後に発売されたWindows 2000でも採用された。
- Office XP(Word 2002 ほか)
- 右端(標準)に煩わしい作業を短縮できる「作業ウィンドウ」機能やOfficeアシスタント不要でも記事検索ができる「質問バー」機能、ネットワーク関連機能の強化が施された他はOffice 2000とほぼ同一である。日本ではこのバージョンから新しく不正コピーを防ぐ「プロダクトアクティベーション」機能が搭載された。また、タブレットPCでは「タブレットPack」をインストールすることで、ペンによる書き込みができるようになった。.NETスタイルとも呼ばれるフラットなスタイルが採用された。機能と軽さの両立、およびインターフェースのシンプルな美しさから2000と並んで最高傑作に上げる声が多い。
- Office System 2003 Editions(Word 2003 ほか)
- XMLへの対応強化とネットワーク関連機能を中心に強化されている。特にグループ内での共有機能に重点が置かれているのが特徴と言えよう。なお、インターフェースは再び変更され、メタリックなものになっている。このバージョンから特に動作が重くなったとの声が多い。
- Office ファミリーに、InfoPathとOneNote、InterConnectが追加。
- Office System 2007 Editions(Word 2007 ほか)
- 2007年1月30日にWindows Vistaと同時に発売された最新バージョンで、企業向けボリュームライセンスは2006年11月30日より提供が開始されている。
- 主要アプリケーションにおいて、従来のメニューバーとツールバーによる伝統的なユーザインターフェイスを廃し、「リボン」と呼ばれるコマンドタブを採用した全く新しいものへと置き換えられた。Microsoftは、この変更によって肥大化したOfficeアプリケーションの機能をより簡単に見つけ、ユーザが求める結果を素早く得られるようになるとしているが、Officeアプリケーションを長年使い込んできた一部のユーザの間では、慣れ親しんだスキルを白紙に戻し、また一から操作を習得しなおさなければならない点でこれを不安視する向きもある。
- また描画エンジンも一新され、手の込んだ外観の図表を簡単に作成できる機能が大幅に強化されている他、かつての16色や256色環境を前提とした極端な配色も大幅に見直されている。
- なお、このバージョンからデフォルトの保存形式がOpenXML形式に変更されており、旧バージョンとの互換性を保つためには、Office 2007側で「Office 97~2003 ドキュメント」として保存するか、旧バージョンを使用しているPC側にMicrosoftから提供される互換機能パックをインストールする必要がある。
- Office Systemとして、サーバー用Officeが強化されている。
- Office ファミリーにGrooveが加わった。
- Office 14(開発コード名)
- 2009年上半期にリリース予定。
[編集] Microsoft Officeに関する資格について
Microsoft Officeに関する資格として、Microsoft Office Specialistがある。詳細はMicrosoft Office Specialistを参照のこと。
[編集] Officeアシスタント
Office アシスタントは、Microsoft Office系アプリケーションにおいて、ヘルプメッセージの表示などを行うユーザーサポートキャラクター。Windows 版、Macintosh 版ともに利用できる(若干の差異あり)。Microsoft Office 97で初採用され、次バージョンのMicrosoft Office 2000ではウィンドウを飛び出して自由に移動できるようになった。しかし、Officeアシスタントを常駐させることがかえって作業の邪魔になったり、アシスタント機能そのものが不要という意見も多く、Microsoft Office XP以降では標準では表示されないように設定された。
また、Officeアシスタントは質問を入力すると該当する項目またはそれに近い記事を検索するが、Office XP以前とMicrosoft Office 2003では該当する記事の一覧表示方法が異なっており、Officeのバージョンが上がるにつれてアシスタントが目立ちづらくなってしまった。Microsoft Office 2007ではこの機能は完全に廃止された。
なお、Officeアシスタント機能の代替としてOffice XP以降ではメニューバーの端に検索用語を入力することで該当記事を即座に検索できる「質問バー」が付加された。また、別途用意されている開発ツールを駆使すれば自作でOfficeアシスタントを開発することも出来なくはない。
[編集] 主なアシスタント
- クリッパー : ゼムクリップがモデルのOffice アシスタント。体は細い針金でできており、その形状を自在に変化させることができる。体の端を丸めることで物をつかむこともできる。英語版(本家)のMicrosoft Officeを使用している場合はこのアシスタントが標準のキャラクターとして表示される。
- カイル : イルカがモデルのOffice アシスタント。愛用するホタテ貝形のノートパソコンを鼻先でタイプする。日本語版のMicrosoft Officeを使用しており、アシスタントを有効にしている場合はこのイルカが標準のキャラクターとして表示される。Office 2000より擬似的な立体感を表現するようになった。同様の例では上記のクリッパーや下記のF1、Officeロゴが例に挙げられる。
- F1 : 二足歩行ロボット風Office アシスタント。Office 2000より登場。300/Mシリーズに属し、その初代型であるという。ボディの分解・再構築も得意。退場時にたびたび爆破されることから量産型モデルと思われる。
- Office ロゴ : Microsoft OfficeのロゴマークをモチーフとしたミステリアスなOffice アシスタント。
- マーリン : 立派なひげをたたえた老人男性風Office アシスタント。本人は魔法使いという設定。Windows Meの初回設定画面にも登場する。
- 孫悟空 : 中国の有名な小説『西遊記』の主人公、孫悟空がモデルのOffice アシスタント。
- ミミー : ネコのアシスタント。しばらく操作等せずに放置しておくと、居眠りを始める。
- ロッキー : イヌ。
- スーパーわん太 : マントを装着したイヌ。Office 97のみに登場。
- 冴子先生 : 表情豊かな女性Office アシスタント。名刺が変形した専用のデスクに席を構えている。不思議な力を持っている。日本語版オリジナルのアシスタント。
- まんまちゃん : Microsoft Office 2000の販促キャンペーン時にのみ存在したテレビ番組のマスコットキャラクターを模したアシスタント。現在では入手不可能。
[編集] 関連項目
- Microsoft Office Specialist(Microsoft Officeの利用技能に関する試験)
- Macintosh Business Unit(通称「Mac BU」。Mac OS X環境向けMicrosoft Officeを開発している)
- Microsoft Windows
- Microsoft Works
- Microsoft Servers
- OpenOffice.org