Virtual IDOL
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Virtual IDOL(バーチャルアイドル)は、1994年から1997年にかけて徳間書店インターメディアが発行していたゲーム雑誌。いわゆる「ギャルゲー」と「アイドル声優」の情報をメインに取り扱っていた。独立創刊前はPC Engine FANの増刊。
1994年の発刊時はまだ「ギャルゲー」がジャンルとして確立されているとは言い難く、飽くまでも「家庭用ゲーム機用ソフトに登場する美少女キャラクター」の雑誌であり、ジャンルも横スクロールアクションや格闘ゲームなど多種多様であった。とは言え、本誌がPC Engine FANの増刊として登場したのはPCエンジンに同年の「ときめきメモリアル」や前年の「卒業 ~Graduation~」など後年「ギャルゲー」と総称されるタイプのゲームが相次いで発売されたことを考えると必然的な流れとも言えるだろう。なお、Vol.1の巻頭特集は「卒業II ~Neo Generation~」である。ちなみに、本誌が創刊される前に、その前身となる「That's Virtual IDOL」という企画が、同社が刊行していた月刊誌(ムック)・SUPER FAMICOM Magazineに連載されていた。このことからも判るように、編集部自体はファミリーコンピュータMagazineに近く(編集長はファミマガ副編集長を兼務)、PC Engine FANとの直接のつながりはない。PC Engine FAN増刊としたのは、PCエンジンのゲームに美少女系のタイトルが多かったことによる。
1994年から1995年にかけては隔月ペースで刊行されるが、本誌の編集方針に大転換をもたらしたのは1995年4月から文化放送で始まったラジオ番組もっと! ときめきメモリアルであった。本誌ではPC Engine FANと並行してこの番組の連動企画を開始し、番組パーソナリティであった(後に「ときメモドラマシリーズ」秋穂みのり役で出演)声優・丹下桜やときメモのヒロイン・藤崎詩織役の金月真美を前面に押し出し、1996年に入ると彼女らを始めとするアイドル声優たちが表紙やグラビアを飾るようになる。この勢いを駆って月刊化すると共に1996年7月21日発売号からは独立創刊を果たした。
もっとも、この編集方針が徳間書店本体の刊行していたVOiCE Animageとバッティングするため、Virtual IDOLはゲーム中心の誌面構成に戻すことを余儀無くされた。しかし、この頃になると電撃G'sエンジンがギャルゲー専門誌の地位を不動のものにしており、この路線変更は実を結ばなかった。なお、ラスト2号の1997年6月号・7月号ではそれぞれ下級生・マリーのアトリエが表紙を飾っている。
その後、1997年後半には誌名を「Nadeshi-Co(なでしこ)」に改め、判型をB5判からA4判に拡大して刊行されたが同誌は3号で廃刊した。
[編集] 関連書籍
1995年から1997年にかけてアンソロジー「バーチャルアイドルRE☆CO☆MIX」が3冊刊行されている。ちなみに編集部は本誌とは別(2人体制でPlay Station Magazineの読者コーナーの編集も兼務)。