きくち正太
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きくち 正太(きくち しょうた、1961年1月8日 - )は、日本の漫画家。秋田県平鹿郡大森町(現・横手市)出身。
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[編集] 概要
漫画家の中でも非常に珍しいガラスペン愛用者。デフォルメされた特徴的で達者な絵により、色気とギャグ(時代遅れの親父ギャグを含む)、最近は「和」に対する傾倒と蘊蓄を前面に押し出した作風が特徴(ガラスペンを用いるようになったのはこの画風に適した描線を描くためである)。根底には「義理、人情、努力」等の古よりある価値観の存在が感じられる。釣りに対する思い入れが大きい。
作者の趣向のせいか、作品中に眼鏡をかけた大人の女性や少女が登場することが多い。『ブラック・ジャック』のカバー作品では、ヒロインのピノコまで眼鏡をかけている。
[編集] 作品紹介
- 1988年10月、『獣王バイオ』にて週刊少年チャンピオン(秋田書店)よりデビュー。この作品は『北斗の拳』を思わせる世紀末的な伝説世界を描いたものである。
- 『三四郎2(さんしろうのじじょう)』は一転して『Dr.スランプ』を思わせる絵と内容で、3年半の長期連載となった作品。高クオリティの作品だが、掲載誌が週刊少年チャンピオンであったためか大ヒットには至らなかった。
- 『そばっかす!』はまたまた一転して、高校女子柔道を舞台にしたスポ根マンガ。これも掲載紙の関係で内容に応じた評価は上がらなかった。アニメ化の企画も持ち上がったが、惜しくも流れている。
- 『Rioの黒船丸!』は途中(導入部だけ)で未完になった作品。続きを望むファンは多い。
- 『ブル田さん』も中断している作品で、ファンに再開を望まれている作品。原作付き(高橋三千綱)で、きくち本人の弁によれば「作画のみに専念した作品」。
- 『ダキニの九魔』は足掛け数年に渡り間隔を開けて掲載され、ようやく2巻で完結。きくちの絵の変遷が判る作品。
- 『太夫(だ・ゆう)』『おせん』『きりきり亭のぶら雲先生』は連載期間が重なっていた作品で、主人公であるおせんとぶら雲は容姿も似ていて、作者が書き間違えたという逸話もある。『太夫(だ・ゆう)』は15才の高校生にして色街の総元締めといった設定。他の2作品は「和」「日本文化」「食」等を題材にベテランらしく纏まった作品である。親父ギャグ、下ネタも特に『きりきり亭のぶら雲先生』では多い。
- 『私のアイザック』は、釣りをテーマにした話。作者自身が体験した釣りの話をモチーフにしている。
[編集] 作品リスト
発表年月が古い方から記述する。
- 獣王バイオ
- 三四郎2(さんしろうのじじょう)
- そばっかす!
- Rioの黒船丸!
- ブル田さん(原作:高橋三千綱)
- 太夫(だ・ゆう)
- きりきり亭のぶら雲先
- 壺中堂二代目主人物語 天上の眼
- ダキニの九魔
- おせん
- 私のアイザック
[編集] 外部リンク
- おせん - ファンサイト