けん玉
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けん玉(けんだま)は日本で遊ばれる玩具。 広島県廿日市市が発祥の地と言われている。大正時代に考案された「日月ボール」が発展したものとされる。
十字状の「けん(剣)」と穴の空いた「玉」を糸で繋いだもので、けんの縦棒の短い方の先は尖り、長い方と横棒の両端は皿状になっている(長い方が中皿、横棒が大皿と小皿)。けんを持って玉を吊るした状態から、玉を跳ね上げて皿に載せたりけん先を穴に刺したりするのが基本的な遊び方。大皿・小皿・中皿は慣用的な用語だが、一般的に中皿の方が小皿より小さい。
NPO法人日本けん玉協会がけん玉の普及、技の整理、級位・段位の認定等を行っている。また協会認定のけん玉も発売している。
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[編集] けん玉の主要な技一覧
けん玉の技は3万種類以上と言われており、以下はその一部である。
[編集] 皿系
けんを持ち、玉をけんの皿に乗せる技。
- 大皿(下に垂らした玉を引き上げて、大皿に乗せる技)
- 大皿すくい
- リフティング大皿(大皿に乗せた玉を、軽く前方に放り投げ、サッカーボールをリフティングするように玉を太ももで蹴り上げ、再び大皿に乗せる技)
- 小皿(下に垂らした玉を引き上げて、小皿に乗せる技)
- 中皿(下に垂らした玉を引き上げて、中皿に乗せる技)
- 野球けん(大皿に乗った状態の玉を『けんじり』で打って一回転させ、玉を再び大皿に乗せる技)
- ろうそく(けん先を持って玉を中皿に乗せる)
- 遠心力
- つばめ返し(おしゃもじを持つ様にしてけんを握り、玉を大皿に乗せる。そして、玉をジャンプさせている間に玉の回りをけんで回し、再び大皿で玉を受ける)
- はやて中皿(飛行機が完成した状態から、けん玉を軽く空中に放り投げる。そして、玉に刺さってあるけんを抜き、素早く玉の下に持ってきて落ちかかる玉を中皿で受ける)
- 空中ぶらんこ
- トルネード中皿
[編集] もしかめ系
玉を大皿(若しくは小皿)と中皿の間で往復させる技。「もしもし亀よ亀さんよ」の歌に合わせてリズムを取りつつテンポ良く行う動作から「もしかめ」と呼ばれる(歌は必須ではない)。大会競技でのもしかめは糸の無いけん玉を使用する事が多い。
- もしかめ
- 鍛冶屋
- 大波小波
[編集] とめけん系
静止状態の玉を垂直に糸を引っ張った勢いで持ち上げ、けんの先に刺す(はめる)技。
- とめけん
- 居合いとめけん(玉を上げず、けんを下げる動きのみで玉をけんに入れる)
- おとしだま
- 掛け軸返しとめけん
- やじろべえとめけん
- つるしとめけん
[編集] 飛行機系
玉の方を持ち、けんを大きく振って玉の穴にけんをはめる技。
- 飛行機
- 一回転飛行機(けんを一回転させた後に穴に入れる)
- 二回転飛行機
- スクランブル飛行機
- 八の字旋回飛行機
- つるし一回転飛行機
- 手の平飛行機
[編集] ふりけん系
玉を大きく前方に振った状態から糸を引き、けんの先にはめる技。とめけんよりも難しい。
- ふりけん
- うらふりけん
- 風車ふりけん
- 指切りげんまん
- 小指姫(ふりけんの要領で玉を小指に入れる)
- ろうそく返し
- ろうそくうらふりけん
- ふりけんつむじ風(ふりけんを行うが、玉をけんに入れる前に手を離してけんを一回転させる)
- つるしふりけん
[編集] 一周系
大皿・小皿・中皿(及びけんの皿胴)等の場所に次々と乗せた後にけん先に刺す技。
- 村一周
- 県一周
- 日本一周
- ヨーロッパ一周
- 世界一周(大皿・小皿・中皿に乗せた後にけん先に刺す)
- 宇宙一周(皿胴→けん先、大皿→けん先、小皿→けん先、中皿→けん先)
- 皿胴一周
[編集] 灯台系
玉の方を持ち、糸を引いた勢いで(けんを中皿を下にした状態で)玉の上に一定時間立てる技。バランスを取るのが非常に難しい。
- 灯台
- さか落とし(灯台を成功させた後、けんを半回転させて玉にけんを挿す)
- 灯立(さか落としを成功させた後、けんを半回転させて再び玉の上に乗せる)
- 灯台とんぼ返り(灯台を成功させた後、けんを一回転させて再び玉の上に乗せる)
- 灯台返し(けんを引き上げて、中皿のふちが玉の横を通り過ぎようとする瞬間に、玉で中皿のふちをコツンと叩いてけんを半回転させ、けん先を穴に刺す)
- 大皿さか落とし(とめけん持ちで大皿に玉を乗せる。次に、けん玉を空中に放り投げ、すかさず玉をつかみ、4分の3回転してくるけんを穴に刺す)
- 一回転灯台(飛行機の様に前方に振ってけんを一回転させた後に灯台に持っていく技)
- 二回転灯台(けんを前方に振り、二回転させて灯台を決める)
- つるし灯台
- つるし一回転灯台
- うずしお灯台
[編集] すべり系
- けん先すべり
- うらけん先すべり
- 大皿すべり
- おすべり
[編集] まわし系
- 地球まわし(ふりけんを成功させた後、玉を一回転させて再びけんに入れる)
- うら地球まわし
- サイドワインダー
- はねけん (飛行機を成功させた後、けんを一回転させて再び玉に挿す)
- 横はねけん
- 山びこ返し
- 招き猫はねけん
[編集] うぐいす系
- うぐいす(大皿または小皿の縁とけん先の間に玉を乗せる)
- うぐいすの谷渡り
- 銀河系一周
- こっくり(うぐいすを成功させた後、一旦玉を大皿に移し再び戻す)
- さるのこしかけ
- エベレスト
[編集] 極意系
- すべり止め極意(すべり止めに玉を乗せる)
- 中皿極意(中皿の縁に玉を乗せる)
- 大皿極意
- 太陽極意
- 月面着陸(玉を持ち、大皿と玉が接するようにけんを玉の上に乗せる)
- たけうま(玉を持ち、うぐいすを上下逆にした形になる様にけんを玉の上に乗せる)
[編集] 空中系
- 宇宙遊泳(けんを持った状態からけん玉を空中に投げ、半回転させた後玉を受け止めてそこからけんを玉に挿す)
- 円月殺法(けんを持った状態からけん玉を空中に投げ、一回転させた後けんを受け止めてそこから玉をけんに入れる)
- 稲妻落とし
- 胡蝶の舞(円月殺法と同様だが、投げたけん玉を回転させて受け止める動作を2回続けて行う)
- はやぶさ返し
- ジャンピング宇宙遊泳
- はやて落とし
[編集] あやとり系
- あやとり
- あやとり宇宙ロケット
[編集] 特殊系
- おみこし
- 金魚すくい
- 竹とんぼ
- こま
- きりもみ
- 玉つきさし
- すくいけん
- 一回転すくいけん
- ペンシルまわし
- ガンマン
- ヘリコプター
- 手拍子つるし持ち
- 持ちかえわざ
- ひっつき虫
- 秘竜のぼりけん
- しまいけん
[編集] デジケン
バンダイが発売した現代版ヨーヨー、ハイパーヨーヨーの流行を追って、タカラが1998年7月25日に2300円で発売した電子けん玉。6月26日には博品館で先行販売が行われた。単四電池を使用し、技を成功させたり失敗したりする毎に音と光で反応を示す。玉が軽過ぎて皿に座らず反発してしまう為、9月には皿を大きくする補助部品も発売された。子供の玩具としては大きく重過ぎた為、後に小型版のデジケンミニが発売された。半透明の様々な本体色が存在する。
- 音と光で遊ぶ『ノーマルモード』
- 音楽に合わせて玉を動かす『リズムモード』
- 玉を乗せる場所が指示される『コンビネーションモード』
という3通りの遊び方が出来る。
公式宣伝要員は塚口真穂登と福嶋隆史。
- 漫画『プロフェッサーシャーボ』やミュージカル『big』の日本版にも登場する[1]。
- 『big』の主催がフジサンケイグループである関係から、扶桑社の雑誌SPA!でも取り上げられた。
- 『三井ゆりのモーニングブリーズ』内のコーナー『おはようタカラジェンヌ』でも紹介された[2]。