わが青春のアルカディア
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『わが青春のアルカディア』(わがせいしゅんのアルカディア)は、1982年に公開された松本零士原作のアニメ映画。
松本零士にプロの漫画家になる決心をさせたフランス映画『わが青春のマリアンヌ』と類似のタイトルを持つ。
ファントム・F・ハーロックⅠ世の声を当てている故石原裕次郎の約5分で1000万円以上という高額な出演料でアニメ誌では話題になったが、肝心の興行収入は前年の『銀河鉄道999』劇場版2作目にあたる『さよなら銀河鉄道999』や他の松本劇場アニメと比べても今ひとつだった。[1]また続編がテレビシリーズ『わが青春のアルカディア 無限軌道SSX』として製作されたが、こちらも視聴率は振るわず、22回で打ち切りとなっている。そのため、次の劇場公開作品として企画されていた「QUEENエメラルダス」は制作中止となり、事実上松本アニメブームは終焉を迎えた。
タイトル名のわが青春のアルカディアは、1976年に松本零士により『戦場まんがシリーズ』で描かれており、単行本と納められている短編のタイトル名としても使われている。雑誌掲載時のタイトルは「不滅のアルカディア」。ビックコミックオリジナルに読みきり連載されていた「ザ・コクピット」シリーズの一遍として発表された。「戦場まんが」シリーズとして単行本収録の際に一部改稿されている。
映画はこの短編と、同じく「戦場まんが」シリーズの「スタンレーの魔女」がベースとなっている。またハーロックがスタンレーに挑んだ先祖にならい、突破しようとする宇宙の難所・二重太陽ベスベラスや恋人のマーヤ、トカーガ人の戦士ゾルとその妹ミラの宇宙葬を行う惑星トリケラトプスなど本作で舞台となる場所は『クィーン・エメラルダス』で登場している。
なお、イルミダスに敗れて地球に帰還したハーロックがトチローと出会うあたりの描写は小説ジュニアに3回にわたって連載された松本零士自身による小説「ハルダートシリーズ①陽炎軌道・②赤いデスシャドー・③掲げよわが旗を」が原作と言える。「ハルダートシリーズ」は後に単行本「零次元宇宙年代記」収録時に一部キャラクター名を変更し「ガンフロンティアⅡ」と改題された。
本作の予告編2本に登場するアルカディア号の映像には、『銀河鉄道999』劇場版1作目からのものが一部使用されている。
また、予告編の映像ではハーロックの右目はゾルに銃で撃ち抜かれていたり、Y字架にかけられたエメラルダスの戦闘服が切り裂かれるシーンがあるが、いずれも本編では使用されていない。(本編では前者は地下放送を行うマーヤを助けようとして反乱分子の弾圧を行うイルミダス兵の銃撃を受けて右目を負傷するということになっており、後者はマーヤと共に捕らえられてY字架に架けられたシーンの段階ですでにエメラルダスの戦闘服が切り裂かれた状態になっていたため、編集の際にカットされた可能性もある。)
目次 |
[編集] ストーリー
若き日のハーロックと大山トチローがエメラルダスとの運命の出会い、そしてハーロックが愛した生涯ただ一人の女性マーヤへの愛と別れを描く。ハーロック一族の先祖ファントム・F・ハーロックの記憶から辿ることから始まる。
[編集] 上映データ
- 公開日 - 1982年7月28日
- 興行系列 - 東映パラス系
[編集] スタッフ
- 音楽 - 木森敏之
- 指揮 - 熊谷弘
- 演奏 - 新日本フィルハーモニー交響楽団
- ED・挿入歌
- 挿入歌
- 『太陽は死なない』、『星空のラストソング』
- 歌・朝比奈マリア
- レコードはすべて日本コロムビアが担当
- 『白夜にひとり』、『星空のラストソング』共に本編未使用(『星空のラストソング』はエンディングのクレジットに題名のみ表記)
[編集] キャスト
- ファントム・F・ハーロックII、キャプテンハーロック - 井上真樹夫
- 大山敏郎、トチロー - 富山敬
- マーヤ - 武藤礼子
- クイーン・エメラルダス - 田島令子
- トカーガの戦士ゾル - 池田秀一
- ラ・ミーメ - 山本百合子
- ゼーダ - 石田太郎
- ムリグソン - 青野武
- トライター首相 - 高木均
- 老トカーガ兵(朝日ソノラマの小説版だとペリケレスという名前がある) - 森山周一郎
- ミラ(ゾルの妹) - 鶴ひろみ
[編集] 脚注・その他
- ^ 「わが青春のアルカディア」と他のアニメ映画を比較した配収データに基づく考察『考察・アニメブーム期の映画興行成績』より