木森敏之
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木森 敏之(きもり としゆき、Toshiyuki KIMORI、1947年7月24日 - 1988年4月11日)は、昭和後期から末期(1970年代-1980年代)の作曲家・編曲家。北海道札幌市生まれ。1970年、日本大学芸術学部卒業。
ロスアンゼルス DICK GROVE ミュージックワークショップ卒業。
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[編集] 来歴・人物
代表作として『聖母たちのララバイ』(岩崎宏美。後に米映画『ファイナル・カウントダウン』のテーマ曲からの盗用が判明し、作曲者名は、原曲作曲者John Scott氏と併記となっている。)『サンセット・メモリー』(杉村尚美)『心の色』(中村雅俊)があり、1980年代前半のヒットメーカーの作曲家として知られている。しかしながら、40歳という若さで逝去したため、いまとなっては知名度はないが、数々のテレビ主題歌・歌謡曲の他、映画音楽『飛鳥へそしてまだ見ぬ子へ』(1982年)『わが青春のアルカディア』(1982年)『ゴルゴ13』(1983年)『時代屋の女房』(1983年) 『海に降る雪』(1984年) 、TVアニメ『キャプテン』(1980年 - )『伊賀野カバ丸』(1983年)『ダーティペア』(1985年)(いずれも日本テレビ系列)、ドラマ『あさひヶ丘の大統領』『結婚の四季』『われら動物家族』、『黄金の犬』『炎の犬』などのテーマ曲ないしは挿入曲の作・編曲およびBGM、「球形の荒野」をはじめとする初期(1981年 - 1987年)の『火曜サスペンス劇場』の主題歌、CM曲とBGMの作・編曲(「可愛い悪魔(大林宣彦監督、1982年)」なども含む)に携わり、民放系列(主にNTVM、CX系)での音楽活動が目立った。
また、ペンネーム"キース・モリソン(Keith Morrison、 Kirth Morrison、前者はJASRAC登録名、後者は主にサントラ上のクレジット表記)"名義でドキュメンタリー映画『世界の空軍ドッグファイト'82』をはじめ、『死亡の塔』(1981年)『少林寺』(1982年)『スパルタンX』(1984年)などカンフー映画の日本版LP制作も担当していた。なお、同種の系列に『少林寺2』(1984年)の日本版アルバムもあるが、この作品でのクレジットは実名の木森敏之名義になっている。
一方で、彼は、メロディーライターとしての実績だけでなく、むしろアレンジャーとしての実績も多く、映画では『蘇える金狼』(松田優作主演、1979年)のBGMとしてケーシー・ランキン氏に編曲を提供、「花の首飾り」「銀河のロマンス」(すぎやまこういち作曲)を英語版カバーバージョンとしてプロデュースおよび編曲、谷村新司作詞作曲の「青春残酷物語」の編曲などの仕事を担当した。アルバムでは森田童子の『グッド・バイ』(1975年)、加藤登紀子の『いく時代かありまして』(1975年)、中村雅俊のLP編曲(1980年、ロスアンゼルス録音)、中原めいこの『ココナッツハウス』(1982年)などがある。
[編集] 主な作品
- 岩崎宏美「聖母たちのララバイ」「家路」「橋」「25時の愛の歌」(作曲・編曲)
- NSP「面影橋」「青い涙の味がする」(編曲)
- 柏原芳恵「毎日がバレンタイン」(編曲)
- 加藤登紀子「酔いどれの流れ唄」「私は修羅」(編曲)
- シュガー「サーカス・ゲーム」(作曲・編曲)
- 杉村尚美「サンセット・メモリー」(作曲・編曲)
- セブンティーン・クラブ「ス・キ・ふたりとも」(作曲)
- ツイスト「燃えろいい女」(編曲)
- 中村雅俊「心の色」「君の国」(作曲)「燃える囁き」「揺れる瞳」(作曲・編曲)「野生のリサ」(編曲)
- 西田敏行「風に抱かれて」(編曲)
- パティ「明日…咲く」(作曲・編曲)
- 紘川淳「失恋ライブラリー」「恋景色」(作曲)
- 宮内タカユキ「流れ星 銀」(作曲)※アニメ「銀牙 -流れ星 銀-」主題歌
- 森川美穂「赤い涙」(作曲)
- 渡辺徹 「愛の中へ」(作曲・編曲)
[編集] その他
よく、マスコミや書物やネット、あるいは通信カラオケの作家名表示等で大森敏之と誤記されることが多い。また、大森俊之(作曲家・編曲家)という人物もいるため、余計に紛らわしい。大森俊之と間違えているのか、木と大を間違えているのかは、定かではないが、後者の方が多い。大森敏之と書かれているのは、九分九厘、木森敏之の事だと思って間違いない。