アポロ・ソユーズテスト計画
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アポロ・ソユーズテスト計画 (Apollo-Soyuz test project)とは、アメリカとソ連の間で行われた初の国際共同有人宇宙飛行実験のことである。
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[編集] 計画の背景
宇宙空間平和利用のための協力に関する米ソ覚書に基づいて計画されたという背景があり、主目的は、将来の米ソ宇宙船のドッキングシステムを研究することにあった。
[編集] 計画の経過
1975年7月15日に、2人乗りのソ連のソユーズ宇宙船19号が打ち上げられて、その7時間半後に3人の飛行士(メンバーには病気を克服し、ついに念願の初飛行をした「マーキュリー計画」の7人のうちの一人、ディーク・スレイトンもいた。彼は採用後、最も長い期間宇宙への初飛行を行わなかった宇宙飛行士である)を乗せたアメリカのアポロ宇宙船18号が打ち上げられた。両宇宙船は、7月17日に地球を周回する軌道上でドッキングした。
この際、宇宙飛行士の相互移乗のほかに、両国共同での人工日食、紫外線吸収、材料製造、人体からの微生物採集、そして菌類繁殖の実験を主にした、さまざまな実験を行った。
分離や再ドッキングなどを含めて、共同作業は7月19日にすべて終了し、ソユーズ宇宙船19号は7月21日、アポロ宇宙船18号は7月24日に地球へ帰還した。
当時は米ソの一時的な緊張緩和(デタント)の時期を迎えており、莫大な費用がかかる宇宙開発は今後国際共同開発で行うべきだとの世論もあり、米ソ両国の利害が一致した。一方でアポロ13号船長のジェームズ・ラベルや航空評論家の佐貫亦男のように「米ソの緊張緩和には役立ったかもしれないが技術的にはほとんど意味が無い」という評価もある。
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