アリススプリングス
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アリススプリングス(Alice Springs)は、オーストラリア連邦北部準州にある都市である。単に「The Alice」とも呼ばれる。人口は28178人(2001年国勢調査による)で、北部準州では州都のダーウィンについで2番目に大きい。古くからこの地に居住するアボリジニ、アレント (Arrente) 族はこの地をムバーントゥワ (Mparntwe) と呼んでいる。
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[編集] 歴史
もともとはスチュアート (Stuart) と名付けられ、アウトバックの南北交通の拠点として建設された。スチュアートにはアウトバック最大の電報局が設けられ、ロンドンからシドニーまでをつなぐ遠大な電報網の重要な基地ともなっていた。この電報局のすぐそばに湧き水があり、この湧き水が、時の南オーストラリア州(当時北部準州は南オーストラリア州が管轄していた)郵政局長チャールズトッド (Charles Todd) の妻アリストッド (Alice Todd) にちなんで、アリススプリングと名付けられた。電報局もアリススプリングスを名乗ったため、次第にスチュワートよりもアリススプリングスが一般的な呼称となっていった。1929年にアデレードからの鉄道がスチュアートに達し、駅が既存市街地の南部に設けられたため街自体も南側に移動した。アリススプリングス(湧き水)からは離れたものの、地元ではこの名を街の名前として使う人が多く、議論の末1933年には正式にスチュアートはアリススプリングスに名称変更された。なおアデレードからアリススプリングスを通ってダーウィンにいたる道路は現在もスチュワートハイウェイと呼ばれている。
[編集] 地理・交通
大陸のほぼ中央に位置するため、海から800km近く離れており、ダーウィン・アデレードといった大都市からも1500km近く離れており、地理的に隔絶されている。現在はアデレードとダーウィンを結ぶ大陸縦断鉄道の中間地点となっているが、大陸縦断鉄道が2004年に全通するまでは鉄道と自動車交通の接点となっていた。またウルルやカタ・ジュタ、キングスキャニオンへの観光拠点となっている。
[編集] 産業
アリススプリングスの主要産業は観光業である。アウトバック各地への拠点となっている他、アリススプリングス自体にも多くの見所がある。ロイヤルフライングドクターサービスやスクールオブジエアーの基地などもおかれており、アウトバックの生活を支える重要な拠点となっている。このほかアメリカとオーストラリアで保有しているパインギャップと呼ばれる軍事衛星の管理施設もある。
[編集] 関連項目
大ヒットした青春恋愛小説。当地への旅がストーリー上のキーポイントとなる。
人気アニメの外伝となるゲームソフト。主人公のライバルとなる敵兵が、当地に駐屯している。