アリストパネス
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アリストパネス(アリストファネス、Aristophanes, 紀元前446年頃 - 紀元前385年頃)は、古代アテナイの喜劇作家、風刺作家である。 ギリシア文学において、古代ギリシャ喜劇として知られる劇形式を生み出した1人として知られる。
代表作は、ソクラテスを風刺した『雲』、『平和』、『女の議会』、『女の平和』など。
伝記はあまり詳細には知られていない。アテナイ市内に生まれ、父はピリッポスといった。紀元前430年から428頃に劇作家としての修行を始め、カリストラトスの指導により最初の3作を匿名で発表した。44の喜劇作品を書いたが、うち現在まで完全に伝わっているものは11篇にとどまる。他にアリストパネスに伝統的に帰せられた偽作が5篇現存する。アリストパネスは大ディオニュシア祭の競演にたびたび入賞した、当時のアテナイを代表する喜劇作家であった。3人の息子、ピリッポス(ギリシア人は父の名を子に付ける風習を持っていた)、アラロス、ニコストラトスも喜劇作家となった。 なおアリストパネスはアテナイに近いアイギナ島に2回旅行している。
演劇的手法としては、アテナイの同時代の実在の人物、ソクラテスやエウリピデスなどを取り上げて風刺することに特徴とする。
なおアリストパネスはプラトンの『饗宴』に登場人物として登場し、「男女」(おめ・アンドロギュノス)の説話を語る役割を演じる。
オクシリンコス・パピルスの断片に「賽は投げられた」との台詞があった。