アヴァロン (映画)
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『アヴァロン』(Avalon)は2001年の日本映画。アクション映画、また、SF映画。およびその関連小説。
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[編集] 概要
2001年1月20日、日本公開。上映時間106分。言語はポーランド語。
アニメ映画『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』によって国内外ですでに評価されていたアニメ監督、押井守が実写に挑んだ作品として有名である。彼の劇場用の実写映画作品としては、4作目に当たる。
この作品の公開に際して、押井守は「すべての映画はアニメである」という持論を語った。実写として撮影しても、編集や後処理によってコントロールすれば、それはもうアニメである。デジタルでは特にそれが顕著である、と。
また、この作品はすべてポーランドで撮影されており、登場人物もすべて外国人である。合作というわけではなく、製作したのは日本なので、日本映画なのだが、一見するとあたかも外国映画のような作品であるのも特徴。
物語はアヴァロンという仮想世界に入るゲームをテーマとしている。このあたりの設定は映画『マトリックス』と似ているが、『マトリックス』を作ったウォシャウスキー兄弟は『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』に影響されて『マトリックス』を作ったと公言しているため、押井守が『マトリックス』からアイデアを頂戴したというわけではない。この系統の作品には、音楽の川井憲次がテレビドラマ版において同じく音楽を担当した『クラインの壷』がある。
押井守が『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』や『機動警察パトレイバー』、『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』で語ってきたテーマ、「現実ではなくても、それがその人にとって気持ちよいものならば、それはその人にとっては現実ではないのか?」というテーマによって作られている。
解散したデジタルエンジンのスタッフが多く参加した。そもそもこの映画は押井守の他の多くの実写映画と同じく、凍結中の『G.R.M. THE RECORD OF GARM WAR(ガルム戦記)』「オトシマエ」で作られたものである。
[編集] スタッフ
- 監督:押井守
- エグゼクティブ・プロデューサー:渡辺繁、香山哲、塩原徹、坂上直行
- プロデューサー:久保淳
- 脚本:伊藤和典
- 音楽:川井憲次
- ライン・プロデューサー:アンジェイ・グドフスキ、ヴォイチェフ・ヴィデルスキ
- 制作担当:ヤヌシ・チェフ
- 撮影監督:グジェゴシ・ケンジェルスキ
- 美術:バルバラ・ノバク
- 衣裳:マグダレナ・テスワフスカ
- ビジュアル・エフェクト・スーパーバイザー:古賀信明
- デジタル・アート・ディレクター:林弘幸
- 美術デザイナー:渡部隆
- メカニックデザイナー:竹内敦志
- 音響デザイナー:井上秀司、ランディ・トム
- 音響監督:若林和弘
- 特殊造型:品田冬樹
[編集] キャスト
- マウゴジャータ・フォレムニャック(アッシュ)
- ヴァディスワフ・コヴァルスキ(ゲームマスター)
- イエジ・グデイコ(マーフィー)
- ダリュシュ・ビスクプスキ(ビショップ)
- バルテック・シヴィデルスキ(スタンナ)
[編集] あらすじ
近未来、「アヴァロン」という名のオンラインゲームが流行していた。プレイヤー達である多くの若者は一種の仮想現実の中で、実在する武器や架空の武器でサバイバルをしていた。ゲームの中で自分のランクに応じた敵を倒すことで、現実世界で使える報酬を得ることが出来るが、中には”lost’と呼ばれる現象が起き、現実世界では精神を病み廃人となるプレイヤーもいた。 主人公のアッシュは、そのステージに踏み込んだプレイヤーは廃人になるという、「スペシャルA」の存在を知る。
[編集] 小説
Avalon 灰色の貴婦人
- 作:押井守 イラスト:toi8 刊:メディアファクトリー MF文庫J
- ISBN 4840107424
「308」と呼ばれるアヴァロン世界における傭兵の物語。「灰色の貴婦人」と呼ばれる謎の戦士との出会いを通し、アヴァロンの謎に迫る。